~★ 気まぐれ冴のページ ★~

~★ 気まぐれ冴のページ ★~

嫁 vs 嫁 vol.4



毎年8月1日 この日は家族が実家に集う日である。 実家からはPLの花火が
よく見えるので 皆で食事をし 時間になる頃 見晴らしのいい場所まで そぞろ
出かける。

毎年 この行事の裏方を仕切るのは 私の仕事である・・・。 
特に義母が手を悪くしてからは 女手が私しかない以上 無条件でこの役目は
まわってきた。 昨年のこの日は 私も体調が悪く 青白い顔をしながら 
フラフラと 実家のキッチンに立っていた。 戦力の娘も その具合の悪さに
心配するほどであった。

もちろん 夕ご飯の仕込みの準備も 前の日と その日の午前中に買い付け 
クーラーバックに詰め込み 混みあう電車とバスを乗り継ぎはせさんじたわけである。
<旦那様は平日なのでもちろん日中はお仕事・・・。

そんな中 義弟夫婦が遅めにやって来た。 来て義弟のが開口1番。。。

【○○たん(義弟の奥さんの愛称) むくみが出てしんどいから 
                     まかせて 座っておいたらいい!】

この言葉に カツン! ときた 我家の娘・・・ キッチンからその後姿を睨み
つけていた・・・ 当たり前であるかもしれない・・・ だって この年の正月
ですら 実家に挨拶に来たのはお昼のご飯時・・・ すべての支度が出来た後で
あったわけだし そして今回も 私の不調を知るが上で 娘も頭に来たわけで
ある・・・。 

そして何よりも そう言う前に何故に いい大人がこちら側に【お願いします】と
言う言葉がないのか?? が しかし・・・ 体調が悪く 子供もお腹に居るのに 
ここでこき使って(!?) おかしくなれば 文句の100以上は言われかねない。 
ひきつった蒼い笑顔で「立たなくていいよ」と 言うしかすべはない。

義父も仕事から 早めに帰って来て キッチン横の居間で くつろいで帰宅すぐの
ビールを飲んでいた。 キッチンで準備にかかりつけの 私の姿を見て珍しく
声を掛けてくれた

   【 ○子も 少し座って 飲めなぁ~ 一息 つけやぁ~ 】

義母も笑顔で答えてくれていたが・・・ 丁度 揚げ物も佳境に入っており 
不慣れな 娘に任すのも怖いので やんわりと 笑顔でご辞退した。 でも 
その時 まじで体は 【休みたい!】と 声を発していたのだが 
そうはいかない。

居間で声高らかに笑い 談笑する義弟夫婦・・・ 娘の顔がどんどん曇っていった。
居間には聞えないように ブツブツと呪文のように文句を言い出す。

 『たとえ10分でも・・・立てないわけじゃないやろ? なに考えてんねん!』

そうだね・・・ 私もあの人と同じ立場なら たとえ10分でも 娘の言うように
「義父さんも ああいってる事ですし 10分ぐらいでいいなら交代しましょうか?」
の 一言でも言っていただろう・・・ 娘が切れたのも 解る気がする・・・ 
なぜなら 私が義妹用に【別料理】を数品作っていたからだ。 娘からすると 

「何故にそこまで気を使うのか?? あっちは車で悠々と来てるのに 何で 
 自分の分ぐらい用意してこないの?? いつまで お客様なの!! 
 材料だってお母さん重たいのに抱え込んで 混み合った電車を
 乗り継いで来たじゃないの?? 材料費だってお母さん持ちでしょ? 
 たとえ数十分でもかわる気持ちもないのよ?」

食事が終わった後 先に述べた文句が 娘の口からこぼれ出た。。。 
こうして考えると 娘がある意味 まともな感情と心配りをもって 
育ってくれた事が嬉しく思える。。。

子供を実家に置いて帰り際 心配した娘が 車まで見送りに来た。

  【お母さん 帰ったらすぐに 何もせんんでいいから 
                    お布団ひいて 寝るんやで】

と 助手席の私の顔を 覗き込んで声を掛けてくれた。。。 
帰り道 急に大人になった 娘の優しさと 気持ちで 涙が溢れた。
運転している旦那様の目を盗んで 涙を拭くのに 必死だった・・・。


嫁 vs 嫁 vol.5 へ



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: