☆☆☆SRM2 FAMILY☆☆☆

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真夏の夜の夢。


ボクはバイクに乗る事が夢だった。

16才になったら
絶対に原付の免許を
取ろうと思った。

そして、
16歳の夏―

ボクは念願の原付の免許を取得する。


その日は寝苦しい夜だった。

ボクは何処か遠くへ行こうと、
バイクに乗って出掛けた。

当てもなく、
バイクを走らせた。

頬に当たる風が心地良く、
とても気持ちいい。

海まで来た。

ふと見上げると
真っ暗な闇に
明るい星が輝いていて
とても綺麗な空だった。

波の音が周期的に響く。

何処か落ち着く、
包容力のある海だ。

しばらく見上げていた。

嫌な事を忘れられる、
綺麗な空だ。

気付いたら隣に女の人がいた。

気付かなかった、、
そこまで魅了されていたのだろうか。

彼女は長い栗色の髪をなびかせて
無言で1本のタバコを差し出した。

「未成年だから・・・」

断ると彼女は手を引き
おもむろにそのタバコを吸い出した。

彼女の横顔を眺めていた。

白い肌に華奢な体。
伏せた顔に長い睫が映える。
綺麗な女性だった。

タバコを持った指がとてもカッコイイ。

彼女はボクを一度見て微笑んだ。

一瞬、
ボクは戸惑って
その瞳から目を逸らすと

彼女は消えていた。

誰もいない、
静かな時。

空には綺麗な星たちがボクを見下ろしていた。
海にはすべてを無に返す穏やかさがあった。

真夏の夜の夢、、
だったのだろうか。

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