ファレノプシス~幸福をあなたへ~

ファレノプシス~幸福をあなたへ~

幸せな日々


下の階でフィリエルが叫んでいる。ルーシファーがまた何かやらかしたらしい。でも、これはいつものコト。僕の中ではすでに、日常茶飯事になってしまっている。
ここはセラフィールドの塔の中。ヘルメス党で研究するよりも、ここで研究した方がいいと、皆に言われ、僕たちはここに戻ってきた。
正確に言うと、その中にケインも含まれている。
(なんでルーシファーまでいるのに、ヘルメス党に帰らないんだ。)
この頃は、以前にも増して、そう思うことが多くなった。
「ルーン!ルーン、ちょっと来てー!」
そら来た。ルーシファーが何かした後は、いつも僕が呼ばれて、大抵の場合、グチを聞かされるんだ。
僕は、覚悟を決めてドアノブに手をかけた。
廊下に出て、階段を下りる。するとそこにはいつものように、腰に手をあてたフィリエルが待っているハズだ。

案の定、フィリエルが怒った顔のまま、僕を見た。
「ルーン!聞いてよ、ルーシファーったらねー・・・・。」
ルーシファーは、僕の一人息子。どうやら、僕よりも、フィリエルの血の方が濃く入っているらしい。僕から見れば、昔のフィリエルそのままだ。
「・・・ねぇ、ルーン。聞いてる?」
「ん?ああ、聞いてるよ。」
「全くもう!この親にして、この子ありだわ。」
君には言われたくないと言う言葉を、なんとか飲み込みながら、僕は、部屋の隅にいるルーシファーを見た。
確かに、ルーシファーは僕に似ている。
ボサボサの髪と言い、ムッとした顔つきと言い、でも、何か少しでも、変わったことがあると、必ず何かをやらかす。
この前なんか、雨が降っていて暇だったのか、ケインの所に置いてある、僕の大事な火薬を、半数以上無駄にしてしまった。
「ルーン!!やっぱり聞いてない!」
「そんなこと・・・・」
僕が言い訳しようとした時には、フィリエルはもうすでに、その場にいなかった。
(だから僕が言ったのに・・・・)
愚痴を言いながら台所に行ったフィリエルの背中を目で追いながら、僕は、心からそう思った。
ルーシファーが生まれた時に、僕たちは、物凄い言い争いをした。
僕は、ディー博士の名前をつけようっていったのに、フィリエルは、勝手にルーシファーと名づけてしまった。
(いわんこっちゃない。どうせ、こうなると思ってたんだ。アイツみたいに、僕を毛嫌いしてるし・・・・)
とりあえず、これが僕の現状だ。
でもまぁ、とりあえず、幸せ・・・・・かな?

「ルーシファー!!!!!!!」

今日もまたフィリエルの声が、こだまする。

                   〈終わり〉
~~~~~~あとがき~~~~~~~~~~
疲れた。なんたって、無茶して、一時間で作ったもんだから・・・・。
大体、有梨のヤツが悪い!作れなんて言うから。それも今すぐ・・・。
ああ~疲れた~。なんか変な文章だけど、お付き合いづださり、どーもです。
これからも、ちょくちょく来るんで、まぁ、謎の副管理人をよろしくお願い致します。

                    以上、雷覇でした。


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