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カテゴリ: 映画の話
昨夜TVのニュースで、NHKのチーフプロデューサーが、局の番組制作に政治的な介入があったということを、涙を浮かべながら告発している記者会見を見ました。

「自分もサラリーマンだから、養っている家族のことを思うと迷いもあって、4年間ずっと迷っていた」

という趣旨の発言を聞いたとき、とっさに思い浮かんだのが、アメリカで起きた実際の事件を映画化した「インサイダー」のことです。
インサイダー インサイダー

たばこ会社の研究員が、喫煙が人体にもたらす害について、会社が捏造したデータを発表していることを内部告発しようと決意する。
米三大ネットワークのひとつ、CBSの看板報道番組「60ミニッツ」のプロデューサーが、彼の告発を番組で特集しようとインタビューを収録。ところが、莫大なスポンサー料を背景に圧力をかけるたばこ会社に屈し、局の上層部は番組の放映中止を決定。
社会的な地位も収入も投げ打って告発にふみきった主人公と、報道人としての使命に燃えるプロデューサーは、果たして…?

という物語。
主人公の研究者をラッセル・クロウが、プロデューサーをアル・パチーノが演じています。
「コラテラル」のマイケル・マン監督の演出は、はりつめた緊迫感が持続するすばらしい出来栄えでした。小太りで白髪の実在の主人公に、外見も驚くほど似せたラッセル・クロウの迫真の演技も見ものです。最初は匿名で、自分には面倒が起きないように情報をリークしようとしていた男が、ついには実名で、顔を隠さずTVカメラの前に座る…そんな主人公の心のゆらぎに、見ている側がどんどん引き込まれました。


この映画の舞台となる「60ミニッツ」という番組は、吹き替えのダイジェスト版が「CBSドキュメント」としてTBS系列で放映されていました。
以前は日曜日の深夜枠だったので、朝寝坊してなかなか寝付けない夜に、よく見たものでした。(実は、映画のモデルとなったたばこ会社の告発の番組もたまたま見ていたので、番組づくりの裏側にこんなドラマがあったなんて…と一層興味深く見たものです)

冒頭の話題に戻って。
私は、「NHKスペシャル」をよく見るので、今回の報道(告発された側の人々は完全否定しているようですが)が告発のとおりのことだったのだとすれば、なんだか裏切られた思いです。
NHKのドキュメンタリーは、お涙ちょうだいのあざとい演出がない上、何年経っても忘れられないほど印象に残る題材も多く、NHKじゃなかったら作れないだろうな、と思う番組も多々あるだけに…
映画「インサイダー」の主人公は、告発の後も、「自分の決断が本当に正しかったのか」迷い続けました。記者会見から一日経って、今、あのプロデューサーはどんな思いでいるのでしょうか。





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最終更新日  2005.01.14 20:05:15
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