はじめまして。
イージスつながりでやってきました。

あの映画は、原作を読んでいるものからすればいろいろ不満が多いものですが、でもそれなりにおもしろかったです。実力派の役者たちがよかったからかな。それに本物のイージス艦や戦闘機など、本だけでは想像つかないものが見えて良かったです。
わたしは映画へ行く前に原作を読み直してしまったのがまずかったなと思いました。いっそ細かいところを忘れていればよかったかと(笑)
福井晴敏さんの小説は今後も大いに期待しています。 (2005.09.01 09:54:15)

ふたり暮らしの手帖

ふたり暮らしの手帖

PR

プロフィール

サリィ斉藤

サリィ斉藤

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2005.08.31
XML
カテゴリ: 映画の話
夏休み、帰省中の移動時間に原作を読んで、大変面白かったので映画も観てみました。
阪本順治が監督すると聞き、キャストの顔ぶれを見て、実はそれなりに期待していたのですが…

レイトショーを見終わって、暗い中を駐車場まで歩く間、夫と私の口から出たのは
「もったいない!」「どうしてこうなるわけ?」
という、ブーイングの嵐でした。

テレビで映画を観ると、放送時間に合わせてカットされているために、辻褄が合わなかったり唐突に話が進んだり…ということがありますよね。
この映画、全編にわたってずっとそういう感じなのです。

原作を読んでいたので、急テンポで進むストーリーの流れや、登場人物の背景を自分で補完することが出来ましたが、それゆえに
「この設定を生かすなら、なんであの話を描かないわけ?」

「何でラストのあの展開を省いちゃうの??」
とか…
すごく、フラストレーションが溜まりました。

一方、原作を読んでいない人には、あまりに説明不足では?と思われ、それはそれでイライラするのではないかと。

ただ、この映画、見方を変えるとちょっとひねくれた面白がり方が出来ます。
「亡国のイージス」は、海上自衛隊のイージス艦が、北朝鮮のテロリストと手を組んだ隊内の叛乱者に乗っ取られる…という事件の顛末を描いていますが、映画では、一言も「北朝鮮」という国名が出てこない。

他にも、「あれ?」と思う“変更点”がいくつかあります。

ある登場人物の、職位の設定が変えられている。
原作にある、大詰めの「どんでん返し」がバッサリ削られている。
そして、真田広之演じる主人公の、ラストにおける設定が180度違う。

…これって、やっぱり、防衛庁が撮影に全面協力したがゆえの「配慮」なのかなぁ~…


「終戦のローレライ」の読後日記 にも書きましたが、私はこの作者については「軍事オタク」で「憲法変えて軍備を増強して戦争に出かけたい人」という先入観を持っていたのですが、それはちょっと違うようで…

「国の平和」というのは、それに無自覚に浸かってボケていればいいものではなく、誰もが常に意識的に、守り続けていかなければ保てないもの。
戦争も平和も、国家間では“相手があって”こそのことだから。

…というのが、私が原作を読んで感じた作者の思いであり、そのあたりが映画ではまったく伝わってこなくて、刺激的なセリフが上滑りしていたのも残念でした。

【撮り方によっては「ダイ・ハード」を超えられたと思うのに…惜しい。】
亡国のイージス 亡国のイージス
福井晴敏の文章はかなり「くどい」部類に入るので、合わない人には胸焼けを起こすかもしれませんが(笑)

<おまけ>
この映画のエンドロールには、撮影に協力した自衛隊の護衛艦や潜水艦の名前が、ずら~っと出て来ます。
「ときわ」とか「はやしお」とか「しらゆき」とか、武器には不似合いな美しい日本語で名づけられているのが印象的でした。

その中で、思わず目が釘付けになってしまったのが、護衛艦の
「はるさめ」
という名前。
こ、これはいくら何でも…春雨スープとか麻婆春雨とか、そっちの方を連想してしまうのでは?
この名前が決まったとき、隊内で異議は出なかったのでしょうか…

【この映画、やたら関連グッズが多いのです。「はるさめ」プラモもありました】
DD-102 はるさめ モデルキット DD-102 はるさめ モデルキット

人気blogランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.08.31 10:49:31
コメント(12) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


お父さんの乗っている船は?  
まろ0301  さん
 息子から、「なんと言う名前の船に乗ってるの?」と訊ねられたおとうさんは、「うん、『はるさめ』って言うんだけどね」と答えるまでに、やや時間がかかるような気がします。

 司馬遼太郎さんが、『坂の上の雲』は、誤解を受け易い作品だからドラマ化しないでほしいと生前に言い残しておられたということを聞いたことがあります。
 作るサイドにすれば、「どう作れば売れるか」を主眼に考えるのでしょうが。

 平和をどう作り上げるか、守るか、というテーマはますます大切になりそうな予感があります。
 また、書いて見たいと思います。  (2005.08.31 17:28:31)

Re:お父さんの乗っている船は?(08/31)  
サリィ斉藤  さん
まろ0301さん

父と子の会話、想像すると、悪いなぁと思いながらも笑ってしまいますね…
「しらたき」とか「くずきり」はないのか?なんて。

「坂の上の雲」は今年中に読もうと思っている本です。「燃えよ剣」同様、ファンが多いですよね。司馬さんの談話については初めて知りました。

> 平和をどう作り上げるか、守るか、というテーマはますます大切になりそうな予感があります。

原作が書かれたのは、「9.11」テロで世界が新たな局面を迎える以前のことでした。
今の状況に照らして読んでみると、どうやって「専守防衛」の一線を守り、争いを避けていけばいいか、深く考えさせられます。 (2005.08.31 19:00:28)

Re:「亡国のイージス」を観た。(08/31)  
mayao5  さん
お久しぶりです。
帰国しました。

亡国のイージス、観たいな~と思っていたのです。
サリィさんにはいつも教えて頂いて助かってます。

明日、またゆっくりお邪魔させて頂きます。 (2005.09.01 00:04:55)

お帰りなさい!  
サリィ斉藤  さん
mayao5さん

>お久しぶりです。
>帰国しました。

旅は満喫されましたでしょうか。早速のご訪問、うれしいです。

>亡国のイージス、観たいな~と思っていたのです。

ご参考になればいいのですが…
大スクリーンで見ればこその迫力はありました。

また、旅の話を楽しみに読ませていただきますね。 (2005.09.01 00:35:55)

Re:「亡国のイージス」を観た。(08/31)  
千佳りん  さん
話題の映画をご覧になられたのですね。
ご夫婦で楽しまれておたがいに感想を
言い合えるって素敵な関係ですね。
我が家は主人と同じ趣味がないので
とてもうらやましく思いました。 (2005.09.01 05:59:51)

Re:「亡国のイージス」を観た。(08/31)  

原作が面白ければ・・・  
せしるん  さん
面白いほど、映画はつまらなくなる、というのがワタシの定説なんです。(笑)
っていうか、短編なら映画化可能ですが、こんな長編の情報量の凄い作品を映画化って、ダイジェストにならざるをえないんですよね。
そういう作品を山程観て来たので、小説を先に読んでしまった場合、まず映画には行かない私なのでした・・・・。
これは原作も未読なのですが。 (2005.09.01 13:29:32)

Re:「亡国のイージス」を観た。(08/31)  
紫0204  さん
んー・・・やはり原作を読んでおもしろいと思って映画を見ると時間やその他の都合上かなり「なんでー????」っというブーイングの嵐になる事ってありますよね(苦笑)
でも読んでないと細かい設定がわからない・・・

まだ私は原作を読んでいないのですが、そうなんでしょう、映画を先に見てから原作を読むという方法は・・・

(2005.09.01 22:06:28)

共通の趣味  
サリィ斉藤  さん
千佳りんさん

>ご夫婦で楽しまれておたがいに感想を
>言い合えるって素敵な関係ですね。

ありがとうございます。
でも、好きな映画のジャンルは微妙に違うので、お互い譲歩しておつきあいしているという感じです…
映画に関する感想も、時には真っ二つに対立して論争になったりもしちゃうんですよ(笑) (2005.09.03 14:06:46)

コメントありがとうございました  
サリィ斉藤  さん
はざくら2005さん

>はじめまして。
>イージスつながりでやってきました。

ご訪問&コメントありがとうございます。はざくらさんの日記も楽しく読ませていただきました。

>それに本物のイージス艦や戦闘機など、本だけでは想像つかないものが見えて良かったです。

まさにその通りですね。リアルを追求する絵づくりで迫力がありました。

先に一発打ち込まれない限りは攻撃できない、ではその一発が致命的だったら…?
わかっていても真正面から口に出されることの少ない、日本の安全保障の矛盾を真っ向から描いたという点でも、大変面白い本でしたね。

>いっそ細かいところを忘れていればよかったかと(笑)

あぁ、同感でございます~!! (2005.09.03 14:11:10)

Re:原作が面白ければ・・・(08/31)  
サリィ斉藤  さん
せしるんさん

>面白いほど、映画はつまらなくなる、というのがワタシの定説なんです。(笑)

確かに…原作が好きで、映画を観て満足した経験は数少ない気がします。
まず、キャスティングで「えぇ~??」となるパターンがほとんどですね(笑)

>そういう作品を山程観て来たので、小説を先に読んでしまった場合、まず映画には行かない私なのでした・・・・。

おぉ、そこまで徹底されていらっしゃるんですね。
私は、小説の挿絵を見るつもりで映像を期待する、という見方もしています。 (2005.09.03 14:15:55)

映画が先か、本が先か  
サリィ斉藤  さん
紫0204さん


>でも読んでないと細かい設定がわからない・・・

本当はね、映画は独立した作品だから、原作を読まないと補完出来ないってなった時点で×だと思うのですが、そういう映画は多いですよね。

昔の、市川昆監督の「金田一耕介」シリーズなんて、すごく良かったと思うのですがね~。 (2005.09.03 14:19:02)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: