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カテゴリ: 旅の話
作曲家・團伊玖磨さんのエッセイ集「パイプのけむり」に「祖先の夜」という一編があります。


…とはいえ、会社員にとっては期末の繁忙期にあたる3月。なかなか奈良へ足を伸ばす機会が作れず…やっと今年は夫と休みを合わせて、出かけることが出来ました。

昼過ぎに奈良へ入り、ならまちから奈良公園のあたりをぶらぶら散策。
路地に面した町屋づくりの「 遊 中川(中川政七商店) でお買いもの。
中庭に面した奥のスペースが、静かな雰囲気のカフェになっていて、いちごたっぷりのロールケーキで一息つきました。

【おしぼりやコースターはもちろん奈良晒製。皮表紙のメニューも素敵。】
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いつもながら愛らしい雑貨の数々に加え、麻製のかわいいバッグがたくさん置いてあって、特にこちらの籠バッグに一目惚れ…したのですが、物欲に打ち勝ちました(笑)
【ミヤケマイ 籠バッグ モハモハ刺繍】

二月堂の回廊に大松明が上り始めるのは、夜7時半。

少し離れた、土産物店の並ぶ石段の途中で誘導を待つことになりました。

西暦752年から、一度も絶えることなく続いているという修二会の法要。
「祖先の夜」では、この籠松明の上堂から始まる一連の行を描写し、
「これ等の反芻の中にじっと閼伽の水が汲まれて来るのを待つ二月堂内後夜の静寂は、暗闇の中で遠い遠い祖先が持った東洋の夜を体験する不思議な恐れと美しさを僕に与えずに置かなかった」
という、印象的な一文が続きます。

ただ、二月堂の内陣で法要のすべてを体感した團先生に比べ、一般ピープルの私たちは、遠くからお松明の炎を拝むのが精一杯…

100312nara4.jpg


最初の松明が上がると、待っていた見物客は誘導されて、歩きながら二月堂を見上げることになっています。
…でも、数時間待ち続けた人々が、そう易々とその場を立ち去るはずもなく(苦笑)
結果、警察官の皆さんが必死に叫ぶ「足元気をつけて!」「立ち止まらないで!」「後ろをふり返らないで!」という怒号をBGMにしての見物となりました。

【それでも、夜空を焦がす炎の迫力には感動…来てよかった!】

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「誠にはらはらする、恐ろしい、それでいて、悪戯っ子がやりたい放題の末、どうにもならない大暴れになってしまうような明るさと愉快さも宿した妙法である。
 -中略ー


「祖先の夜」は、「パイプのけむり」第16巻(さてさてパイプのけむり)収録です。

※おまけ※

車を停めた場所まで歩く道すがら、何か頭上がピカピカしてる…と見上げたら…



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最終更新日  2010.03.15 18:43:11
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