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2011.01.28
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カテゴリ: 映画の話
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きっと色々なところで言われていると思いますが、「21世紀の“市民ケーン”を観た!」という思い。興奮しました!本当に面白かった。

ネットの進化は、「世の中の流れ」というものの早さを怖いほど加速させた訳ですが、それを象徴するかのように、登場人物たちが交わす会話も、物語の展開も、圧倒的なテンポで疾走していきます。
そのスピード感と、これが「今そこにある神話」なのだという同時代性が、クラクラするほどの迫力を生み出していてお見事でした。
(でも、わずか5、6年前の出来事が、すでに「歴史」となってしまう現実に、すでに若くない私は軽いめまいを覚える…トホホ。)

善と悪、勝ちと負け、光と影…そんな単純な二項対立では捉えきれない、スリリングで迫力のあるドラマ。

ものすごいエリートたちの、ものすごぉぉい額のお金がからむ出来事を描いているのだけれど、そこに浮かび上がっている友情や挫折や決別の要素は、普遍的で、誰にでも思い当たること。大人になるために通り過ぎる季節が、ビタースウィートなのは万国共通ですね…。
脚本にはフィクションの部分がかなりあるようですが、事実ではなくても真実味はある、と感じたのはそのためかも。



…しかし、映画で描写されるエリートたちの、閉鎖的で排他的な、そして因習めいた特権階級意識にはビックリしてしまいました。それが長い歴史を持っていて、現代に続いている(そして多分、今後も生き続ける)ことも。

その閉じた環を、主人公が創造したシステムが軽々と打ち破っていく様子は見ものなのですが、ますます、アメリカというのは本当によくわからない国だ…と思いました…

監督はデヴィッド・フィンチャー。
この人の映画は、いつも夜の情景が息を飲むほど美しい。「ベンジャミン・バトン」でも、好きな場面はほとんどが夜のシーンでした。この映画も、冒頭のハーバード大構内を主人公が延々と歩いて帰るショットが印象的です。





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最終更新日  2011.01.28 13:02:52
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