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由梨ちゃん


大恋愛の末、結ばれた大好きなご主人が出張が多く不在がちで寂しくて泣いて暮らしていたけど、ネットで素敵な別の恋人にめぐり合えて、もうもう彼に夢中という人の日記。
つまり不倫日記なのだけど、不倫をする人っていったいどういう人種なのだろう?という興味から、ついついヲチし続けてしまいました。

キャッシュやアーカイブに残っているもの(部分的に改)

「よし子ちゃんとお食事してくるね!と嘘をついて金曜日に彼の家に行きました。会えるのは1週間ぶりです。
お花も買いました。テーブルに乗るくらいのブーケです。リボンもつけてもらっちゃったの。
彼は夕ご飯作って待っててくれました。由梨がシャワーを浴びてる間にステーキを焼いて付け合せの野菜までちゃんと!
お祝いなのでシャンパンです。
疲れてたせいか?お風呂あがりだったせいか気持ちよく飲んじゃって。
顔がピンクでした。カッコ悪いです。しかもヘロヘロになっちゃって。
食器も彼が洗ってくれました。酔っぱらいな由梨でごめんちゃい。」

なんか楽しそうです。

「一昨日はね,お泊りしました。
お昼過ぎに着いて一緒にランチを食べました。時間がなかったのでデパ地下で買ったお惣菜。
サーモンのマリネ,海老クリームフライ,木の子ハンバーグ,ガーリックフランス
大きいお皿に少しずつ盛り付けてカフェランチみたいにしました。
夕食はきちんと作りましたよ。
シーフードのマリネ(茗荷を入れたら美味しかったよ!マスタードとハーブもたっぷり入れました)
油揚の中に納豆とピザチーズを入れてフライパンでごま油でカリッと焼いて。シシトウも添えました。
めかぶに生姜醤油,冷奴,柿の葉寿司(鯛&〆鯖)鯛のお刺身。
いろんな物をちょっとづつ時間をかけて食べるのって大好きです。」

納豆のはともかく…なんかうまそうです。

「昨年の秋から彼が執筆していた本が出版されました。
と言っても専門書なので一般の書店には並んでいません。
実際できあがった本を手にとってみると不思議な感じがしました。
PCの前で「ん~!」って悩みながら原稿を書いてる彼の姿を見ていたからかしら?
「お昼はパスタ作って~。味なんでもいいから!任せるよ!」
って言いながら書いてたり,締切間近でも
「かまってあげられないけど,おいで!」
って言ってくれたり,色んな事を思い出しちゃう。
自分の書いた物がこうして本になる喜びってすごぉいと思いません?
それを言うとね
「何言ってんの?こんなこと全然すごくないじゃん」
って彼は言うんだけど由梨から見たら尊敬しちゃうというか,何で本だせちゃうの?っていうか,何か自分のした事が結果として残せるお仕事っていうのは素晴らしいなぁ~って思ったの。
専門書だから由梨がどんなに一生懸命読んだとしても,理解できるものではないけれど,少しでも彼に近づきたいって想いと,何か共通な事を探し出したいって想いがたくさんあるの。
リビングでその本を読んでる由梨を見て彼は笑うの。
「おまえ,そんなの読んでどうすんの?」
ってどうにもならないかもしれないけど,わからない用語とか実際の作者に直接聞けちゃうかもっていうのは何だかすごぉいことよね?」

これを読んで「女はバカがいい」と言っうタイプの男の人の気持ちがわかりました。
「ここの説明がわかりにくいんだけど」とか
「ちょっと飛躍があるようにみえるから、もっと丁寧に書いたほうがいいよ」
とかいう女は煩わしいかもしれません。あああ。
どうしても作者側に感情移入ができなくなり、視点はすっかり男側です。

「昨日人事異動があって彼も異動になりました。
誰でもそうだけど やはり慣れた環境の中に自分を置いて居たいですよね~?
彼も「今年あたり動きそうなんだよねぇ~」ってココ1ヶ月程落ち着かない様子でした。
今いる部署は彼が来る前はとっても悲惨な状況だったの。もうココは彼が居なくてもきっと大丈夫!って判断されたのね。で、これから行く部署は彼が行くことによってもっと良い状態になるようにって彼が抜擢されたの。
彼はそういう事を全然口にしないけど。由梨にはわかるよ。
全然えらぶらないところが好きです。何気なく自然に何でもやっちゃうところがすごいと思います。」

何も言わなくても自分のすべてを肯定し絶賛してくれる女がいる男がうらやましいです。こんな女と暮らしたい。

「とっても恥ずかしいお話ですが由梨は生まれてから一度も自分で家計の管理とかした事ないんです。全て夫任せでしたから。
いつも気が付くとお財布にはちゃんとお金が入っていたし,カードさえ使えるお店なら怖いものなしでなんでも迷わず買ってました。
彼に出会うまで由梨は自分で何かしなくちゃっ!って気持ちを持ったことがなかったのかも。
きっと日記を読んでる人は彼のお仕事だったら大丈夫だよって思ってるかも?
でもね由梨は自立が目標なので彼とも対等で暮らしたいの。できるだけ由梨も頑張りたいの。
だから一緒に暮らしても家賃も半分ずつだし生活費もそれぞれ出し合わないとね。2人で決めたことです。
彼は早く由梨が戸籍上自由になる事を望んでいます。
でもね,ちょっと待って。慌てないで欲しいの。とっても大切なコトだから。お気楽主婦だった由梨がいまさらだけど「自分を変えたい!」って歩き出したばっかりなの。」

こういう形を自立と考える女は大歓迎です。早く家賃と生活費をください。
相手の夫にこちらの関係は悟られずに、うまく離婚できることになりました。

「由梨この歳になるまで金銭感覚がイマイチわかってなかったってコトが最近になってようやくわかったの。(情けない)
彼と4月から一緒に住むようになって今まではつけたコトのなかった家計簿なんかもつけてみたりして一応2人で何でも半分コにしましょうって決めてるので由梨は毎月お給料の中からお家賃10万と食費3万を出しています。
それ以外に自分の生命保険やら携帯料金やらカードのお買い物の代金やら
彼との旅行代も2人で半分コなので結構かかります。
だから以前のように自分にとって自由になるお金がなくなっちゃった。
由梨なりにかなり貧乏な気がする。
やっぱり家賃でいきなり10万彼に渡さなくちゃいけないっていうのがキツイかなぁ~
でもね秋から住むマンションの頭金を少しでも多くしなくちゃってコトでこの額になったんだけどね。
金曜日から3泊4日で東伊豆に旅行に行きます。3泊ともオーベルジュですべて違う所に泊まるの。今回は4万円ねって彼に言われてたんだけど(と言っても彼の負担する分は由梨よりも遥かに多い)でも由梨は今月ピンチで3万円に負けてもらいました(汗)」

すばらしい生活が始まりました。
家族を養うときのようにお金はかかりません。家賃やローンに20万円かかるところに自分の負担は半額で住めます。家事は全部やってくれます。
なんといい女でしょう。
わかれた妻と娘たちとも会いにでかけてもニコニコしてくれるし、親兄弟と会わせてもうまくあわせてくれるし、仲間と旅行にでかけても待っているし、仲間と称した人と旅行にいったりもできるし、うっかり別の女性から意味深な葉書が来ていたことも黙ってくれる。
しかし半年もたたないうちに、徐々に調子が悪くなっていきます。

「こんな事書くととってもいやらしいんだけどね
由梨のお給料なんてたかが知れてるでしょ?もちろん経験年数とかである程度はもらってるけど毎月お給料から16万引かれるってさぁ~きっつい!
しかもそれ以外に国保と年金は自分で払わないとだし携帯料金だって結構いくし。はっきり言って彼は私のお給料の3倍はもらってるのにさぁ何で私ココのお家賃10万も払わないといけないの?それが一番苦しいよぉ~マンションの権利が私にあるわけでもなんでもないんだからさぁ二人の関係が終わった時に私は貯金も家もな~んにもなしかよ?って状態よ。
馬鹿だよね。私。」

2人で決めたことなのに、文句をいっています。
籍はいれない約束で暮らしているのだから、権利なんて主張できるもんじゃないだろう。
俺様の行きたい旅行先にも、わざわざ連れて行ってあげているというのに。
おまえの給料じゃ買えないようなところに住まわせてやっているというのに。
対等な関係でいたいなんて生意気なことを言っていたくせに。
誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも高価なアクセサリーを与えているというのに。
別の女ととりかえるぞ、このやろう。
この後、疑り深くなった彼女に、携帯をこっそり覗かれたりしたようですが、暗証番号でガードして履歴は全部抹消するように気を配っていてよかった。

「このところ普段にも増して見えない敵と一人で戦っては自己嫌悪を繰り返すみっともない日々です。
そのくせ彼の前では何事も無かったかのように笑顔で暮らしています…
彼には色々問いただしたい事があるのに由梨は怖くて聞けません。
たぶん問いただす=別れ(私が彼に捨てられます)
彼にとって私の存在価値ってどれくらいなんでしょう?きっと私が彼に渡すマンションローン代月々10万の価値しかないような気がします。由梨が毎日どんな想いでいるかなんてどうでもいいんだろうなぁ…哀しすぎるね…仕方ないのかな」

とか半年目には書かれてしまいます。
何度も愛してる?ときいてウザイので、「由梨はオレだけに優しくしてくれるから好きだよ。でもオレに優しくしてくんなくなったら由梨のこと嫌いになるから」と釘をさしておきます。
何かというとすぐに泣くので、ウザイから泣くなと怒鳴りつけてやります。

「彼は出会い系サイトに登録して他の女にちょっかい出してます。
私をそこまで馬鹿にするんだね…あなたって人は
…そのくせ今度の週末からまた私と沖縄旅行って何考えてるんだ!」

同居1年もたつとばれてしまうこともあったようですが、言ってこないので知りません。いい女です。

「実家に帰って母に彼との事を初めて話したの…母は「そんな無責任な人とは一日も早く別れて家に帰ってきなさい」と泣いていました…
「一緒に住んで居ながら家賃を取り勝手に計画を立てておいて旅行代まで取り生かさぬように殺さぬように…自分の都合の悪い事には振れず、あなたはいいように利用されているだけよ!大馬鹿よ!早く目を覚ましなさい! 家にも挨拶にも来ないで結婚するつもりもなくて…他の女が出来たらあなたは捨てられておしまいよ…と彼に手紙を書くというの」

疑りだして1年後に母親にちくられたようですが、本人が自分に何も言ってこないので親なんか関係ありません。
その後半年ほど、自分で精神安定剤を飲んでいたようです。泣かなくなっていい感じになったのはそのせいだったのということは、知りませんでした。

彼女も実は出会い系でちょっといい男性とメールしたりしてしまいます。
また別の男性とメールや電話で出会いココロの支えになってもらいます。
やっと精神安定剤がいらなくなりました。
特にその人たちと会うわけではなかったのですが、そんなこんなを3ヶ月くらいして後、

「12月に入って急展開な出来事が起こったんだよね…7歳年下の人から真剣につき合って欲しいと言われて かなり微妙な心境…同じマンションの人なんだけど…素敵な人よ…」

このあと1週間くらいで、彼と暮らす部屋を出てしまったようです。
そして更新されないまま日記も閉じてしまいました。

今はどこでどうしているのかわかりません。
由梨ちゃんは、泳ぎ続けていないと死んじゃうマグロのように、恋をし続けていないと死んじゃうのかもしれません。
またネットの世界に生き生きとあらわれてくれるんじゃないかと思うのですが、探し当てられるかどうか。

39歳の由梨ちゃんと48歳の彼との恋愛は、不倫1年8ヶ月間、同居1年9ヶ月間で終わったようです。

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