居酒屋こはる

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2006年02月20日
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カテゴリ: 徒然
今朝の新聞に
「茨木のり子さんが死亡していたことが19日、わかった」とあった

以前
「自分の感受性くらい」
「倚りかからず」 の2編を紹介した

今朝は「わたしが一番きれいだったとき」を紹介して
追悼としたい



【わたしが一番きれいだったとき】


街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
私はおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき
誰もやさしい贈物をささげてはくれなかった
男達は挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった

私が一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
              ね





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最終更新日  2006年02月20日 07時47分21秒
コメント(12) | コメントを書く
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Re:訃報(02/20)  
Burnet  さん
俗に云う、女としていちばんいいときに
いちばんつらい想いをしたから
<だから決めた できれば長生きすることに…>
ここを頂くわ。

合掌
(2006年02月20日 07時58分41秒)

詩人の死  
キータン.  さん
詩人の死はより哀しさを覚えます。
好きな作品に情がこもっているから、共感してしまいます。
共感、ともに生きているような高揚感があるのです。
それがね、「亡くなった」と聞いて、プチッと切れるのです。

こはる姉さんから茨木さんの詩を教えてもらって
何編か読みました。
今までは男性の詩に共感することが多かったのですから……ね。

元気をもらえる強い詩だなあと驚き心を揺さぶられていました。
そして、訃報……今朝は雨がしとしとと降っています。

<font color=”blue”>木は
いつも
憶っている
旅立つ日のことを
</font> (2006年02月20日 08時50分53秒)

どうしてこんなに  
pippi2003  さん
 心に入って来てしまうのかしら・・。とティッシュで、涙をふきふき書いてます。

 ああ、女の人しか書けない言葉だわ。「わたしが一番きれいだったとき」・・わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで・・わたしはとてもとんちんかん・・が私もそうだった、と思えます。
 幸せに過ごしてきた。きっと私。後悔することや、消してしまいたいようなこともたくさん抱えているけれど。
 そして、どこかで、「わたしが一番きれいだったとき」は今なのかしら・・とも思える・・。

 誰かの言葉を通して見ると、自分の人生が遠くから見渡しなおせる気がします。

 こはるさん、ありがとう。
 そして、のり子さんのご冥福をお祈りします。
(2006年02月20日 09時51分31秒)

Re:訃報(02/20)  
aoisora33  さん
こはるさんに教えて頂いて、はじめてその存在を知った私も、今朝の新聞を見て訃報を知りました。
これまでに紹介していただいた詩も、今日の詩も、かの方の、どんな困難の中にあっても、決して自分を見失うことのない力強い意志が感じられ、また同時にどこかしらに女性らしい柔らかさが、感じられるような気がします。
惹かれます。

お亡くなりになったのはとても残念ですが、残された詩は、きっとこれからも、生きて、多くの人の心を揺さぶるのでしょうね。すごいことだと思います。

(2006年02月20日 15時27分41秒)

悲しいですね、、、、  
ブラザー さん
自分の大好きで尊敬する作家の皆様、ミュージシャン、画家、、、、、、。
皆亡くなってしまいました、、、、。
昨年は、見川鯛山先生、高田渡氏、、、、。
古くは、三島由紀夫、高見順、ジミ・ヘン、ジャニス・ジョップリ、エルモア・ジェイムス、ウェス・モンゴメリー、、、、。
皆、死んで星になった、、、、。
伝説になった、、、、。
もう誰も超えることは出来ない、、、。 (2006年02月20日 16時29分15秒)

Re[1]:訃報(02/20)  
こはる2957  さん
Burnetさん こんばんは

>俗に云う、女としていちばんいいときに
>いちばんつらい想いをしたから
><だから決めた できれば長生きすることに…>
>ここを頂くわ。

ええ、わたし達は生きて生きて、生き抜いて
確かに此処に ちっぽけではあるけれど確かな命があった事を、伝えなければならないのですよね

(2006年02月20日 21時09分21秒)

Re:詩人の死(02/20)  
こはる2957  さん
キータン.さん こんばんは

>詩人の死はより哀しさを覚えます。
>好きな作品に情がこもっているから、共感してしまいます。
>共感、ともに生きているような高揚感があるのです。
>それがね、「亡くなった」と聞いて、プチッと切れるのです。

はい、 もう茨木さんの新しい詩を読むことが出来ないかと思うと、切なく悲しいです

>こはる姉さんから茨木さんの詩を教えてもらって
>何編か読みました。
>今までは男性の詩に共感することが多かったのですから……ね。
>元気をもらえる強い詩だなあと驚き心を揺さぶられていました。

この、人々に元気を与え続けた詩を書いた、ご本人の心は、いったい何処にあったのだろうと思うと
私達が発するものは何か「言葉」さえも空々しく感じてしまうのです

>そして、訃報……今朝は雨がしとしとと降っています。

><font color=”blue”>木は
>いつも
>憶っている
>旅立つ日のことを
></font>
-----
(2006年02月20日 21時11分44秒)

Re:どうしてこんなに(02/20)  
こはる2957  さん
pippi2003さん こんばんは

> 心に入って来てしまうのかしら・・。とティッシュで、涙をふきふき書いてます。

この方の詩に接するとわたしもいつも、切なく胸が一杯になってしまいます なんて潔い言葉の数々でしょう・・

> ああ、女の人しか書けない言葉だわ。「わたしが一番きれいだったとき」・・わたしの頭はからっぽで
>わたしの心はかたくなで・・わたしはとてもとんちんかん・・が私もそうだった、と思えます。
> 幸せに過ごしてきた。きっと私。後悔することや、消してしまいたいようなこともたくさん抱えているけれど。
> そして、どこかで、「わたしが一番きれいだったとき」は今なのかしら・・とも思える・・。

私は「男達は挙手の礼しか知らなくて~」の
節が一番好きで、一番切なく感じます

> 誰かの言葉を通して見ると、自分の人生が遠くから見渡しなおせる気がします。

茨木のり子さんは、まさに私たちに見せてくれました 自分がここに生きている、というその揺ぎ無い事実の意味と、その限りない優しさについて

> こはるさん、ありがとう。
> そして、のり子さんのご冥福をお祈りします。

こうして一緒に、一遍の詩を読み考えて下さる方が居て、私も嬉しく幸せです

(2006年02月20日 21時15分51秒)

Re[1]:訃報(02/20)  
こはる2957  さん
aoisora33さん こんばんは

>こはるさんに教えて頂いて、はじめてその存在を知った私も、今朝の新聞を見て訃報を知りました。
>これまでに紹介していただいた詩も、今日の詩も、かの方の、どんな困難の中にあっても、決して自分を見失うことのない力強い意志が感じられ、また同時にどこかしらに女性らしい柔らかさが、感じられるような気がします。
>惹かれます。

自分が好きで、自分のブログで紹介した数編の詩が
同じように感じてくださる方々の手元に届いた、
それが私にとってはとても嬉しい事でした

>お亡くなりになったのはとても残念ですが、残された詩は、きっとこれからも、生きて、多くの人の心を揺さぶるのでしょうね。すごいことだと思います。

ええ、その方の肉体は滅びても「たましひ」はきっと不変でいつまでも私たちに語りかけてくれると、信じています
(2006年02月20日 21時18分14秒)

Re:悲しいですね、、、、(02/20)  
こはる2957  さん
ブラザーさん こんばんは

>自分の大好きで尊敬する作家の皆様、ミュージシャン、画家、、、、、、。
>皆亡くなってしまいました、、、、。
>昨年は、見川鯛山先生、高田渡氏、、、、。
>古くは、三島由紀夫、高見順、ジミ・ヘン、ジャニス・ジョップリ、エルモア・ジェイムス、ウェス・モンゴメリー、、、、。
>皆、死んで星になった、、、、。
>伝説になった、、、、。
>もう誰も超えることは出来ない、、、。

きっと私たちはこれからも、多くの人達を見送るのです こうして私たちの心に多くのものを残してくれた先達のように、私たちも何かを残す事が出来るでしょうか

(2006年02月20日 21時20分17秒)

Re:訃報(02/20)  
cassady  さん
「茨木のり子が、死んだんじゃって(亡くなったそうだ)」
朝刊を読んでいた息子が、突然言いました。
彼が『茨木のり子』を知っていた、と言うことに驚きましたが、
国語の教科書に出ていたから、ということでした。

のり子さん・・・彼の心にも、何かを残して行ってくれたようです。
(2006年02月21日 08時33分27秒)

Re[1]:訃報(02/20)  
こはる2957  さん
cassadyさん こんにちは

>「茨木のり子が、死んだんじゃって(亡くなったそうだ)」
>朝刊を読んでいた息子が、突然言いました。

おお、息子さんの目に留まりましたか!

>彼が『茨木のり子』を知っていた、と言うことに驚きましたが、
>国語の教科書に出ていたから、ということでした。
>のり子さん・・・彼の心にも、何かを残して行ってくれたようです。

詩は余計な解釈をせずに、感じたままで良いのだと
教えて欲しいですね 心はそれぞれで、その機微は
その人にしかわからない、大切なものですもの
(2006年02月21日 17時06分17秒)

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