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サイド自由欄

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トールも製作に関わったオラクルカードです♪
2009年04月16日
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ジョゼより年上の、サバト、というネガを背負った分身がいる。
三次元の共通の友人のハイヤーから、あまりにも痛々しいサバトに浄化のワークをして、学びを受け入れるところまで誘導したいから、トールの勤める学校の校長室(この校長もその友人の守護者である)に連れてきてほしい、と言われた。
だがジョゼでは連れて行くことができそうにない、相談に乗ってもらえまいか・・・・・・という内容だった。

そのハイヤーも校長も、トールは旧知の人物だ。特に校長は、簡単に何年と数えられないくらい、古い古いつきあいがある。

相談を快諾し、トールはサバトに会いに行った。
クリロズのジョゼの部屋にいるというので行ってみる。

ノックして入ると、背中に黒い羽をもつ、物静かな十七歳くらいの少年がいた。
外見は落ち着き払っているようだが、その瞳が孤独の色をしていることにトールは気づいた。

「こんにちは、こうして会うのは初めてだね。トールといいます」
「・・・・・・サバトです。いつもジョゼがお世話になっています」

サバトはぺこんと頭をさげた。トール師匠と会うようになってからジョゼはとても楽しそうに授業に出たり、妖精の機械を改良したりしていて、その笑顔が彼には嬉しかった。

「こちらこそ。ジョゼはとてもいい子だから」

トールは微笑んだ。ジョゼが褒められると、サバトの瞳がとても嬉しそうに輝く。

「君が、あの子のことをずっと護ってきたんだね?」

あまり語ろうとしないサバトと、ぽつりぽつり会話してからトールは言った。

「あの子はとても愛されて育った子だ・・・・・・君がそうしてきたんだね?
ジョゼは気がついていないようだけれど」

「・・・・・・」

「君はとても優しい子だね。君も愛されていいんだよ、サバト」

穏やかに言うと、少年がふっと顔をそむけた。そしておもむろに背中の羽を広げ、窓から外へ飛び立ってゆく。

「サバト」

呼びかけにも彼は答えず、歯をくいしばるような表情で空高く舞い上がる。いつもこうして、ジョゼや自分自身の追及をかわしてきたのかもしれなかった。

トールは長身を曲げて窓枠をくぐり、足先でそれを蹴った。
彼の背に、サバトのものよりもずっと大きな黒い翼が現れる。銀髪が風に流れ、トールはやすやすと少年に追いついた。

「見てごらん。僕も変わらないよ」

前に回ると、急停止したサバトはまん丸に目をみはった。

「トール先生・・・・・・天使だったんですか? それに、その色」

「まあ、色々な生をやってきているのは確かだね」

大ざっぱすぎる説明をして肩をすくめてみせる。運命はさまざま綾もようを織りなしていたが、それを今ここで説明することはできなかった。

自分の孤立の象徴であった黒い翼を見せられて、サバトの表情が揺らぐ。

「もう、光も闇もないんだよ。君は時代の流れのうち、必要で重要な役目をあえて引き受けた、とても勇敢な魂なんだ・・・・・・
それを誇りにしこそすれ、罪に思う必要なんかどこにもないんだよ」

トールが微笑むと、サバトはほんとに?という目で見た。今までは仕事とジョゼのことばかり考えてきた。急な展開に、とまどい半分、嬉しさ半分で考えがまとまらない。

彼を安心させるように、かさねてうなずくトール。

「君を校長室に連れてきてほしいと言われたけど・・・・・・。いきなりじゃ辛いようなら、僕の家にこないかい? 部屋もいっぱい余っているしね、なにより静かだよ」

暖かな青灰色の瞳がサバトをつつむ。君がいないあいだ、ジョゼのことは僕に任せて、というトールの言葉にサバトはこくんとうなずいた。

「よろしくお願いします」

「決まりだ。じゃあ、君専用の部屋を用意しよう。セキュリティにはちょっとばかり自信があるから、安心して眠れるよ」

サバトはきっと、自らの過去からもジョゼを護るためにも、いままで黒いものに過敏に反応してきたのだろう、とトールは感じていた。
ルキアにはそういうものは一切入ってこられないから、彼もゆったりくつろげるはずだ。

少年の手をとってとりあえず部屋に戻りながら、ふと気づいたようにトールは言った。

「そういえば君、羽はいつも出しっぱなしかい? 寝るとき大変だろうに。よければ今度しまい方を教えてあげよう」

大きな翼を一瞬で消して窓枠をくぐるトールに、サバトは不思議そうな視線をむけた。
銀髪の錬金術師、黒い大きな翼、セキュリティの専門家、学校の講師にして校長の旧友。いったいこの人は何者なんだ?

「・・・・・・先生、本当は白い羽もあるんじゃないですか」

なんでもありなんじゃないかという気がして、あてずっぽうに言ってみる。言いながら、黒い羽は実は魔法の産物なんじゃという気もしてきた。

「おや、よくわかったね」

窓枠をくぐるサバトを見ながら、本気とも冗談ともつかない表情でトールは笑った。








**************

本日2個目の記事です~。なんかアップしとけ、って感じなので(笑)


この【銀の月のものがたり】シリーズは imagesカテゴリ でお読みいただけます。


トールとデセルさんが色々楽しく仕込んでる本は 「なにが見えてる?」
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トールの謎がじわじわ明らかになって・・・きたかな?




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最終更新日  2009年07月23日 14時51分07秒
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