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サイド自由欄

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トールも製作に関わったオラクルカードです♪
2009年06月24日
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湯舟の中で、またグラディウスの身体と重なった。
けれど前回よりもずっと感触が柔らかい。彼も変わってきたのだな、と思いながらゆっくり腕をひろげ、深呼吸してみて驚いた。

重なる彼がほんのかすかに微笑んで、その頬にひとすじ涙が流れたから。



----------



身体を張って刹那の時を生きる戦士たちには、ときにさまざまなものが見えていた。

現場の流れに合わない突出・退却のタイミング。
均衡した勝敗のからくりに気づいた者も多かったが、
気づいて口にした者からいつのまにか消えていった。



彼らは戦士として生きた。

ゆえに多くの者は、狂って銃殺になるよりは、戦闘の中で死にたいと望んだ。
どうせ長く生きられないことはわかっているのだから。


作戦を選べない彼らにとって、作戦司令官が誰になるかは
そのまま己の運命を分ける重大な関心事だった。

できるかぎり長く生かしてくれ、
かつ意味のある戦いの中で死に場所を与えてくれる、
そんな司令官が理想とされた。

「死神ゲーム」。
どの作戦司令官に当たるかを、戦士たちはこっそりとそう呼んでいた。

グラディウスはその会話に加わることはなかったが、それでも耳にはその話題が入ってくる。
彼はただそれを聞いていた。



風が戦場を吹き抜けてゆく。
たちこめる血と粉塵の匂いだけでなく、すべての運命を押し流して。


なぜここにいるのか

なぜ戦っているのか

なぜ生きているのか


広がるうつろな空洞に 考えるのをとうにやめてしまった魂たち



泥沼にはまった退却戦

鍔元まで血に染まった剣を振るい
盾はなく 「不吉な左手(短剣)」を持ち

敵の屍をのりこえて行く先にあるものは

おそらくもう息のないであろう 倒れた同胞の身体



それでも

その最後の言葉を届けてやろうかと思う

しょせん剣を振るい 進むことしか自分にはできないのだから

そのためだけに作られたのだから

それは俺の生きた証




たどりついて裏返した身体はすでに事切れていた

しかしその顔には かすかに満足げな微笑があった



祈りはしない
祈りなどというものは知らない



けれど 生き抜いてお前のその顔を届けてやろう

あの泣き虫に。




剣はいつか折れ
手に残ったのは細い短剣ひとつ

どうにか離脱した戦線から 点々と血の跡が続く



強い風が戦場を吹き抜ける

雲が切れて 見えた満天の星



押し流された運命のむこうに何が残るのか



……まだ、誰も知らない。








---





あのゲームで当時一番人気があったのは……

デューク、お前だった。



隠語では「泣き虫」と呼ばれていた
お前は不本意だろうが。




だが、ほとんど本能的に 俺達は知っていたんだ

身寄りのない、戦うしか能のない自分達のために

誰が涙を流してくれるのかを。





俺は お前になら背中を晒せた


チームの奴らもそうだった




だから誰ひとり、お前に殺されたと思っている奴はいない

望み通り激戦の果てに戦って死んだ
その満足げな顔を俺は見た

遺言がわりに なんとかチーム全員を確認した


蒐集家の小部屋で、お前がそれを見逃していなければいいが。






……ああ、奴らの伝言ばかりだが

自分のことは まだ言葉にできないんだ





だが いつか

また出会うことがあったなら


一緒に酒でも飲んでみないか。








<天使の分け前 1>
http://blog.goo.ne.jp/hadaly2501/e/7a52e80035b5155a810126b38281cd78
















*************

この【銀の月のものがたり】シリーズは、現在カテゴリを images から  銀の月のものがたり  へと移行中です。
移行期間中はご迷惑をおかけいたしますが、どうぞ両方をごらん下さいませm(_ _)m

→→ 登場人物紹介(随時更新)


これはもう、ほとんど恋文みたいなもんですがw(前のもそうだけどw
とはいっても色恋ではないんですよね~

・・・なんでしょうね、命も魂もまるごと預けて、死地で背中合わせで戦える相手。

彼の作戦で命を落としたとしても、後悔はないと言い切れます。


<デューク - record 1 -> から読んでいただくとわかるのですが、
彼の涙を最初に見たのは、こちらの本体さんなのです。
私じゃありません(笑)
本体よりよっぽど信頼されてますwwwww

恋愛、ではもちろんないのですが、友情、というには濃く。
触ったことといえば彼の右目をえぐったとき(爆)、
話したことといえば仕事の話くらいなのに、こんな魂の結びつきもあるのですね。

グラディウス、最初は感情もなにもない人形みたいな人だと思っていたのに、
知れば知るほど、人間らしいかけら(かけらなんですが^^;)がでてきて親しみがわきました。
辛いだけの過去世かと思っていたけれど、深く見ていってみると


どんな人生でも、どこかに何かが隠れているのかもしれませんね。


本編も止まっててすみませんが~
降りてきたら書かずにいられないのです~~~~(爆)



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最終更新日  2009年06月24日 17時56分15秒
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