saya’s world

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子どもの安全と、犯人の人権


最近気になった話題がいくつかあったのと、
Manamayumamaさんのページでの日記を読んだのとで、
ぜひぜひ日記に書いておこうと思ったのが、
性犯罪、特に子どもに対する性犯罪のこと。

ごく最近、ここフロリダで、9歳になる女の子が行方不明になった。
父親が毎晩のようにニュースに出てきて、インタビューを受けていた。
毎日毎日、だんだん顔が疲れていって、
悲壮って言葉がふさわしい、悲しい顔で、
それでも希望は捨てて無くって、心が痛くなった。
娘さんの年齢がウチの娘と近いこともあって、余計に人事ではなかった。

事件のあらましを書くと、
ある夜に、彼女が住んでいた祖父母の家から、娘さんは姿を消す。
彼女がいないことに父親が気づき、警察に通報。
その後2週間以上捜索が続くが、手がかりなし。

先月、彼女がいなくなってから約一ヶ月経った頃、
別の州で逮捕された男が、彼女を誘拐し、レイプした後殺害したことを自供。
自供どおりの場所から彼女の遺体も発見される。
その場所とは・・・なんと、彼女の家のすぐ側の家の庭。
彼女の家の裏庭から、遺体発見場所がうかがえるほどの距離。

また、この容疑者(裁判が始まっていないので、あえて容疑者としておきます)
は、30年以上もの間に及んで逮捕歴があり、
Convicted child molester(未成年に対しての性犯罪で有罪になったことがある人)
だった。
こちらには、Megan's Lawというのがあって、
性犯罪で有罪の判決を受けた人たちを、州別に、性犯罪者名簿というのを作って、
一般に公開することになっている。
その名簿に載っている人たちは、年に一回は住所のアップデートをするのが義務付けられているそうだが、
中には今回の容疑者のように、色んな所を点々としたままアップデートしない者も多いようだ。
今回のケースでも、容疑者は、それを守らずに被害者の近所に滞在していた。
また、一緒に住んでいた人も、警察に通報することをしなかったとして逮捕されている。

被害者のお父さんは、
「もし、そんなヤツが近所に住んでいると知っていたら、もっと対策ができた。」
といっているし、
警察側でも、
「こういうケースがあった場合、近くの性犯罪登録者を真っ先に調査するのがセオリーなので、
もし彼が近所に住んでいることを知っていれば、
彼女を探し出すのにこんなに長くはかからなかったはず」
と言っている。

調査が進むにつれて、本当に恐ろしくなるような証拠が次々出てくる。
レイプされていただけでももういっぱいいっぱいなのに、
死因は窒息死だったとの事だが、
2,3日前のニュースで、彼女はどうやら生き埋めにされたらしいということや、
捜索願届けがされてから3日間はまだ生きていた可能性があること、
その間に何度も警察官はその容疑者が滞在されていたとされ、
被害者が見つかった家に、事情聴取に行っていたというのだ。

怖い。恐ろしい。

こういう人たち、近くに住んでいたら知りたい。
そう思って、そのレジストリー(登録名簿)のフロリダバージョンに行って、
検索してみると・・・

20名以上いるではないか!!
しかも、その中の一人は、私と同じ通りに住んでいると書いてある。
その人の罪状は、16歳以下の女児に対する性的暴行。

これじゃあ安心して娘を外で遊ばせることはできない。
すぐ側で監視しておかなくては。
知ってしまうと、気持ち悪いが、
対策が立てられる分良かったじゃないか、と思う。
知らないままで、普通に遊ばせていたら、
何が起こった事か。
寒気がした。

私みたいな親にとっては、利用価値大な登録名簿であるが、
Megan’s Lawが制定されるかどうか、という頃、
一部では、犯人の人権の侵害である、という反論もあったそうだし、
今でも論議されているそう。
彼らの主張としては、
「確かに彼ら(犯人たち)は罪を犯した。有罪判決もうけ、定められた期間を
監獄で過ごした。その後は、もう罪を償ったのだから、他一般の人と同じように
扱われるべきで、登録名簿を作り、一般に公開することによって、
彼らの社会復帰を妨げることは、彼らの人権を侵害している。」
ということらしい。
確かに、定められた期間服役し、罪を形式上償ったことにはなるだろうし、
他の犯罪で服役した人たちの一般公開名簿などは無いから、
そういう風に反論するのも可能だろう。
が、子どもに対する性的暴行である。
子どもを性的対象として好むのは、一種のフェティッシュであって、
それを治すことは不可能だと言われる。
理性で押さえ込むしか無いというのだ。
そういう犯罪を犯してしまった人は、もうすでに理性との戦いに負けたわけだし、
確立で言うと、同じ罪を繰り返すことが多いんだそう。
麻薬なんかと同じですね。
中には、理性でコントロールすることができる様になる人もいるそうだが、
そういう人たちの中には、
「近くに子どもがウロウロしていると、理性との葛藤で苦しい。
 登録されて、子どもが近寄らないようになると、葛藤しなくて言い分、楽」
と言う人もいるそうだ。
考えてみるとそうだよな、と思う。

アルコール中毒の人の目の前に、酒をドン!っと置いて、
「飲むな!」
って言うのと同じだよね。

ヤク中の人の目の前に、麻薬を置いてさ、
「打つな!」
って言うのと一緒だよね。

そういう罪を犯した犯罪者は、もう大人で、
罪を犯してしまったことによって引き起こされる、
どんな状況にも、責任を持って対応すべき。
職につけなくなるとか、普通の生活を送りたいとか言うのは、
すごくわがままだと私はおもう。
性犯罪にあってしまった子どもたちや、その親族が、
「普通」の生活に戻れると思っているんだろうか。
しかも、全然関係の無い他人の、理性の無さのせいで、
「普通」の生活を奪われてしまったのだから、
自分の侵した罪のせいで失ったそれとは、
何百倍も重さが違う。


今回の事件をきっかけに、既存の法律を厳しくしようという話が出ているそうだ。
内容的には、
これまで一年に一回住所確認を義務付けていたのから、
少なくとも2回はするようにしたほうが良いとか、
何らかのデバイス(GPSなど)によって、常に居場所を確認できるようにすべきとか。
住所確認は、多くすればするほど良いと思うが、
もしそれを怠った場合のペナルティーはどうするのか。
罰金制度になるのかな?
でも罰金とか払わないで逃げ回るやからも出てくるだろうし、
現住所がわからなければどうやって徴収するのかって事になると思うんだが、
どうなるのか。
デバイスは、案として、アンクレット方式が出ているらしいが、
その気になれば簡単に取り外しができるので、
警察をだますことも可能になる。
もっと確実な方法は無いものか。
もちろん専門家が知恵をひねっているだろうとは思うのだが。

どういう法律ができるにしろ、
結局一番近くで私の子どもを守れるのは、私自身。
昔みたいにのびのび遊べないのは寂しいけれど、
親のスーパーバイズの下、安全かつ元気に遊んでもらうことにしよう。
知らない人と話しちゃいけません、ついて行っちゃ行けません、というのは
私が小さい頃から常々言われてきたことなのだが、
子どもたちが小さい頃から、それを徹底して言い聞かせるのも必要だと思う。
そして、登録者名簿も活用して、誰が危険なのかを知っておくことも。

物騒な世の中になったもんだ。

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