空。

空。

居場所。


「僕に自由をください。あのどこまでも続く空を飛べる羽をください」
険しい森や、人の踏み歩く台地は
あひるにとっては、危険と背中合わせだったから
時折、見上げる空の広く澄み渡る様は
押さえつけられた心には夢のようだった

神様のいたづら
あひるが空を飛べる羽を手に入れた時
空の広さに絶望した
留まれる場所もない、共に飛ぶ友がいない
あんなに憧れていたのに…
あの嫌っていた大地を思い浮かべた
食べ物も池も家族も
そこには、生きる為の全てがあった

「神様、僕をただのあひるにしてください。
僕の居るべき場所は、居たい場所は
あんなに憧れた空にはありませんでした。
最初から、僕の居場所はあそこでした。」

空は相変わらず人に夢を見せるけど
自分の足をつける大地を省みさせる

あなたの居場所はどこ?
あなたの居たい場所はどこにある?

忘れちゃいけない。

あなたの居る場所、あなたの居たい場所。
空も大地もあなたの傍にあるはず。

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