見習い時代のウミグマ3 6
夏場になると、 磯まわり と言って、小型の船に乗って、 海草〔もずく、えご、〕 や、 サザエ、アワビ、うに 等を採る漁があります。
今は、電動の小型船外機で、操縦しますが、当時は櫂を、漕いで操縦していました。
目的地までは、エンジン船外機で行き、岩場や浅瀬では、櫂を使っていました。
一応、櫂の使い方は、 初代漁労長〔祖父〕 から教えてもらったのですが。
港の中で、まず手本を見せてもらいました。
「 くぃっ、くぃっ。 軽いリズムと共にスムーズに磯舟は、進みます。 」
次に、私が櫂を、使いましたが。 「ぐぐぐっぐ、おっ重い。何で!!。 しかも、真っ直ぐ進まない、ふっ船が回ってる~」
祖父に、笑われながら 、 「真っ直ぐ漕ぐな。少し斜めに漕いでみろ。 どう動くのか体で覚えろ」 とアドバイスを受けながら、何とか 港の中 を自由に進める様になりました。
実際に、現場に着いてサザエを取ろうとしましたが、 風に流され、潮に流され、波に運ばれ、その場に留まる事すら出来ませんでした。
まともに、サザエが取れるようになるまで、3年ぐらいかかりました。
当然、大きい船よりも揺れるので、船酔いしてしまい、砂浜で、のびてました。
思った以上の重労働でした。