Scotch ケンの放言どころ

　　つきと言ってもいい。とりわけラーメンには目がない。ラーメンと聞け

　　ばなになにと身を乗り出すほどである。昼飯は今でも半ちゃん（焼き

　　メシの1/2）とラーメンがあればニコニコなのだ。

　　北海道は昔からソバ文化で関西のうどん文化とは違う。小さい頃から

　　札幌の狸小路のやぶそば屋やら三丁目北一条の更科そば屋に父が

　　連れていってくれた。父も大の蕎麦好きだったのだ。父の食べるのを

　　見てザル蕎麦を箸でつまみそば猪口にちょっと浸けでズルズルズルと

　　吸い込む食べ方を学んだ。

　　札幌にラーメンが出始めたのは高校の後半くらいだったか。ススキノに

　　ラーメン横丁が出来てやがて「どさん子ラーメン」や「ドサン娘ラーメン」

　　「どさん子大将」等がうぶ声を上げ全国でチェーン展開を始めたのである。

 　　思えばあれが現在のラーメン文化に火をつけたと言っていいだろう。

　　以来札幌には「三平」初め独立の美味いラーメン屋があちこちに出だす。

　　その中でも友達に教えてもらった北24条の角（北大の北の端の方）に

　　あったラーメン屋は美味くて何回も通ったものだ。通っているうちにその

　　ラーメン屋が閉店した。噂ではススキノに店を移したとか聞いて探したが

　　結局見つからなかった。

　　中華鍋にラードをしきその中でニンニク、豚肉、イカのゲソ、キャベツ、

　　モヤシなどを炒めるのである。そして豚骨、鶏骨、野菜の芯やリンゴなど

　　果物も入れて煮込んだスープを合わせる。茹で上がったカンスイの入っ

　　た縮れ麺を入れるのだ。これが何とも香ばしくて美味かったのである。

　　家でも何回か挑戦して作ってみたがそれに近い味は出たがあの店の

　　味は出せなかった。いつもカウンターで作るのを見ていたから見よう

　　見まねで覚えていたのである。

　　そんな時代から現在に至るまで、私のラーメン遍歴はとどまるところを

　　知らない。新横浜のラーメン博物館にも行ったし大阪、京都、神戸でも

　　あっちへ美味い店があると聞けばソワソワし京阪神ラーメンマップを見

　　ればページを繰ってヨダレを垂らしマイバックパックにはその本を常備

　　して機会をうかがっているのだ。

　　私には「たかがラーメン、されどラーメン」なのである。近頃はあちこち

　　出かけることもないのでもっぱら袋麺とカップ麺を家人に買い込んで

　　もらい昼時になればイソイソと今日はどれを食べるべかとお湯を沸かす

　　のである。