せび邸

せび邸

2004.08.15
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カテゴリ: 映画
「偶然の旅行者」のメーコン(ウイリアム・ハート)と、「チャンス」のチャンス(ピーター・セラーズ)です。。


えとですね。。
これ思ったきっかけは、メイコンの表情なんですよ。いつものウイリアム・ハートじゃない表情と演技だったんで、これはなんだろうな、と考えてるうち、チャンスに似てるとこ、ないかい? と。。
「偶然の旅行者」のラスト・シーンの、けったいなメーコンの笑顔。その表情は、チャンスそのものだったような気がしたんです。。(これ、改めて確認はしてません。。汗)
ウィリアム・ハートはうまい役者さんですけれど、「チャンス」のピーター・セラーズのような「間」の表現はできない人のようです。どこかしら知的な匂いのする役柄を演じることに適性があるんでしょうね。その彼がせいいっぱいからっぽな人間を演じようとする様子は、ある種の感銘を呼びますし、「チャンス」という映画、ピーター・セラーズという役者への深い愛情のようにもとれました。
いや。。考えすぎの思い込みすぎかもしれないんですが。。汗

チャンスは政治の世界に迷い込んでも、ただ庭の手入れの話をしているだけですし(雇い主が死んで屋敷の外に出たものの、屋敷にいたときの彼そのもの。環境の変化に対応しない)。
メイコンも環境の変化に対応することを拒みます。息子を事故で亡くしても、その事実を拒みたがってるし(←こういう感情や姿勢そのものを否定するつもりは、もちろんないです)。


チャンスに比べるとメーコンは器用だから、彼自身の心の中に「とどまるべき場所=屋敷」を作り上げてる感じです。チャンスにもメーコンにも、両親の存在は希薄ですが、メーコンはある意味分身と呼んでいいような兄や妹に恵まれてます。生家は妹が相続していたから(映画の後半でその家は失われるようだけれど)、いつでも戻れました。だから彼はチャンスのような心もとない状況に置かれなかった。チャンスにも彼のことをよく分かっている召使い仲間の黒人女性がいましたが、彼らの雇い主が死んだあとは離れてしまいましたし。。

また、彼らは旅をしてます。
彼の庇護者の死を契機に屋敷を出たチャンスは、本人がどれほど意識しているかは別として、不意に訪れた(そして終わることのない)旅行の途中にいます。
一方メーコンは、彼の雇い主(経済的な庇護者)の提案(なのか命令なのか)により、「ACCIDENNTAL TOURLIST」という旅行ガイドを書くことになります。そして実際に取材旅行しますけど、彼の妻サラに言わせると、「あなたは変わることを拒否してる。旅に出ててもいつだって書斎の椅子に座ってる」(正確に覚えてませんが、だいたいこんな感じのこと、言ってたと思います)となります。
生まれて初めて屋敷を出て、街を歩くチャンスの姿。
旅行先の街を歩くメイコンの姿。
全然似てはいないし歩いている目的もちがうんだけど、ある意味彼らが異邦人としてその街にいることは一緒な気がして。。

ふたりとも、攻撃性のある行為の描写が極力排除されてる世界の住人です。
「偶然の旅行者」では、映画の中で描かれる時間よりも前の時点で、暴漢にメーコンの息子が射殺されてます。
寓意性のあるチャンスの世界をリアルに置き換えた世界の住人=メーコンでは? と思いました。
どちらもお薦めできる秀作です(^◇^)




てゆーか。。
みなさん里帰りちうなんですね。。(ノ_・、)シクシク
お留守は私が荒し。。いえいえ。。守っておきます。。





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Last updated  2005.04.24 16:15:23
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Comments

セビセビ @ Re[1]:元気です(06/17) blue rose2792さん あそことはまた別のあ…
blue rose2792 @ Re:元気です(06/17) それはなによりでした。 ほっといたしま…
セビセビ @ Re:やっぱり!?(01/22) せしるんさん おぉ。。 だいたひかる…
せしるん @ やっぱり!? 私も鳥居みゆきを見たとき、戸川純を思い…
セビセビ @ Re[1]:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) sally-1020さん ご無沙汰っす^^ 絶望…
sally-1020 @ Re:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) ご無沙汰しております。 先日は有難うご…

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