せび邸

せび邸

2006.01.08
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カテゴリ: 映画
ゾンビ映画はパニック映画の一種であり、ゾンビ発生が巻き起こす混乱ぶりをホラーな描写で見せていくことがひとつのパターンだった気がします。そのゾンビ発生の原因として「核」とか「放射能」が設定されているらしく、誰もがどこかしらで「核」の存在におびえていた冷戦時代の心理にマッチして、ゾンビを不気味な存在に見せていたのだと思います(そのあまりにあからさまで幼稚な比喩やら象徴やらにやや引き気味になりながらも、ですが)。
しかし時代が移り変わり、「核」にも「社会主義」にもそれほど脅威を感じない時代になり、もはや笑える存在に成り下がりました。そのことは「東京ゾンビ」がきっちり指摘してたように思います。


その一方で、ゾンビを再び怖い存在にしようという試みも行われているようです。例えばゾンビが人間以上の身体能力を発揮する「ドーン・オブ・ザ・デッド」。
この映画で、ゾンビは動作がのろいもの、というお約束がとっぱらわれます。ゾンビが高速で走ったり、ジャンプしたりするのです。たしかにたったそれだけのことでゾンビの意味(ゾンビが象徴するもの)がまるで変わって怖く感じるのですから、映画というのはおもしろいというか、人間というのはおもしろいというか。。

もっともそうなってしまうと、別にそれはゾンビでなくてもいいんじゃないか? 突然変異したヘビとか犬とかでいいんじゃないか? という気もしてきてしまうのですが。。


この作品も、ゾンビに再び時代の息吹を吹き込もうとする映画だったと思います。時代設定は、「その後のゾンビ」とでもいうような時期(ゾンビ発生から3年後だっけな?)でした。
でまぁどうなっているかというと、ゾンビも怖いけど人間はもっと怖いよな、という話になっております。。汗

3年の間にゾンビの行動パターンは分析されつくされ、さしたる被害もださずにゾンビの大群と闘うことができるようになっています。鉄条網で防御された区画の中で街が再生し始めてますが、貧富の差は激しく拡大しています。生活物資を生産するところまではいけておらず、ゾンビに滅ぼされた街に行き、そのゾンビだらけの死滅した街の店舗から、必要なものをとってくることで街は維持されています。

そんな状況での人(富)VS人(貧)、人VSゾンビ、入り乱れての闘いを描く、という感じでしょうか? 見方によってはクーデターもの、ヤクザやマフィアの抗争もの、と同じ構造ですが、ゾンビという架空の存在が持ち込まれている分、イメージの広がりを獲得してると思います。

ゾンビというキャラクターが映画に登場して30年くらいが経ち、ゾンビ史というものを作れそうなほど多くのゾンビものが作られてきたわけですが、この新展開が今後のゾンビ映画にどういう影響を及ぼすのか、とても興味深いです(^◇^)ケケケ

てゆーか、ここまで一般的な構造の物語にするなら、えぐい描写も控えめにしたほうが多くの人に観てもらえるのになぁ、というのが率直な感想です。いろんな意味でえび5尾(10尾満点評価です)。





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Last updated  2006.01.09 17:22:34
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Comments

セビセビ @ Re[1]:元気です(06/17) blue rose2792さん あそことはまた別のあ…
blue rose2792 @ Re:元気です(06/17) それはなによりでした。 ほっといたしま…
セビセビ @ Re:やっぱり!?(01/22) せしるんさん おぉ。。 だいたひかる…
せしるん @ やっぱり!? 私も鳥居みゆきを見たとき、戸川純を思い…
セビセビ @ Re[1]:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) sally-1020さん ご無沙汰っす^^ 絶望…
sally-1020 @ Re:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) ご無沙汰しております。 先日は有難うご…

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