YES


1.『YES』とは・・・?



 「YES」・・・。音楽の世界でイエスと言えば、日本では知る人は少ない(特に若い世代で洋楽をあまり聴かない人たちはその存在すら知らんだろう)が、すでに35年あまりのキャリアを持つ、世界中に10,000,000人以上(たぶん)の熱狂的ファンを持つ、真の意味でのプログレッシヴ(革新的な・進歩的な)ロックの精神を継承し続ける、伝説的な集合体である。

 YESは、1968年、Jon Anderson(vo),Pete Banks(g),Chris Squire(b),Bill Bruford(dr),Tony Kaye(org)の5人で結成されたUKのグループであるが、そのメンバーの変遷は他に類を見ない。結成当時から一度もYESを離れたことのないのは、Chris Squire 一人だけである。その他のメンバーは、YESから離れたり戻ってきたり、一度だけ参加したりで、まるで出入り自由のサークルのようなグループである。しかしどのアルバムも(勿論聞く人によっての好き嫌いもあるが)、YESの「核」の部分というべき、彼らにしかできない独自性を持ち合わせている。

 ここでなんとも痛快(?)な変遷の例をあげよう。YESには俗に言う“黄金期”と呼ばれる時代が存在し、その黄金期に最強のメンバーと言われるJon Anderson(vo),Chris Squire(b),Bill Bruford(dr),Rick Wakeman,Steve Howe(g)の5人で、'71年に「Fragile(こわれもの)」、続く'72年に「Close to the edge(危機)」という最高のアルバムを世に送り出した。

 その後メンバーは脱退・新規加入を繰り返し、実は一度解散してしまったらしいが、紆余曲折の後、鬼才の若手(当時)新参メンバー、Trevor Rabinのサウンドを前面に押し出した“第二期黄金期”を迎える。Jon Anderson(vo),Chris Squire(b),AlanWhite(dr),Tonny Kaye
(key),Trevor Rabin(g)の5人が放つアルバムは、'83年の「90125(ロンリー・ハート)」に代表されるように、オリジナリティに溢れつつポップな曲調で、若い一般層のファンをつかむことに成功した。

 ロンリー・ハートでのYESの成功をよそ目に、YESからの離脱以来地道な活動を続けていたかつての“黄金期”のメンバーたちは、突然ふたたびひとつに集結し、その名も「Anderson,Bruford,Wakeman,Howe」というアルバムを'89年に発表した。これは'88年にYESから脱退したJon Andersonが、かつての盟友に話を持ちかけて実現したものである。だが、さすがの第一期黄金期メンバー達も、結成当時から在籍しているChris Squireが現YESにいる限りは、YESの名前は使用できず(実質YESではあるが)、自分達全員の名前で活動せざるを得なかった。

 実はJon Andersonは、当時の現役YESメンバーにも、昔のメンバーと一緒にやろうと話を持ちかけていたのだが、Chris Squireに断られて、やむなく「ABWH」の結成に至った訳である。この時点で、実質YES史上初めて、「2つのYES」が存在していたことになる。

 「ABWH」結成後も、やはり元祖イエスマンが居ないと物足りないと思ったかどうかは知らないが、Jon は Chris に現メンバーも含めて「合流」するように説得を続けていた。Chrisも事実上2つもYESが存在するのは鬱陶しいと思ったかどうか知らないが、ついに2つのYESがひとつになる夢が実現した!

 '91年、8人編成になったYESは、その名も「Union(結晶)」というアルバムを発表した。アルバム自体の評価はともかく、ファンにとっての何よりの関心事は、新旧8人で行われるツアーでの、往年の名曲の演奏であったであろう。ワシは幸運にも日本公演のチケットを手に入れる事ができ、ついにワシの中でのYESの最高傑作楽曲である、'77年の「Going for the one(究極)」の中の、「Awaken(悟りの境地)」の生演奏を聴くことができた!!しかも新旧8人編成のYESによる演奏である!!!

 その後のYESは、やはり8人で居られるはずがなく、またもや分裂分化注入変貌を繰り返して現在に至っている。このように、非常にややこしいグループであり、かつ個人的には彼らの作品が全て好きという訳ではないのだが、かつての名作はYESが存在する限り、最新メンバーによって演奏され続けることを思うと、やはりYESが偉大なグループであり続けることには変わりないと思う今日この頃である。


2.おすすめアルバム


 ※究極を追い求めるならやはりコレ!

Going for the one(究極)/YESGOING FOR THE ONE(究極)/YES 1977

 1. Going for the One(究極)
 2. Turn of the Century(世紀の曲がり角)
 3. Parallels(パラレルはお宝)←笑
 4. Wonderous Stories(不思議なお話を)
 5. Awaken(悟りの境地)


 ワシがYESに出会ったのは、たしか高2の頃だったと思う。最初にレンタルレコード店で借りたCDは、先述の「危機」だった。正直、聴いて「なんじゃこりゃ?」と思った。それからしばらくして、この「究極」を借り、解説を読んでみると、モノスゲーご大壮なことを書いてるじゃありませんか。たしか、「YESはこのアルバムで(特に“悟りの境地”において)タイトル通り、『究極』の音楽を創造した」とまあこのような内容だったと思う。

 ホンマかな?と疑いつつ「Awaken“悟りの境地”」を聴いていくうちに、ワシはその言葉が紛れもない真実であることを確信した!15分38秒もあるこの曲は、2部構成で、静と動が織り成す、まさに『奇跡』ともいえる完成度を誇る作品である!!

 静かなソロピアノで幕を明け、透き通った歌声で導かれたかと思いきや、緊張感溢れるテンションと変拍子で全パートが壮大なドラマを演じていく。すると突然6/8拍子で前半クライマックスを向かえ、一度は終わったかと思えば、静かに後半に入っていく。それから例えようもないくらい美しいメロディーが徐々に幾重にも重なっていき、後半最大のクライマックスに突入していく。

 RickのパイプオルガンとSteveのギターも壮大だが、なんといってもメロディーの核は、Jonの神がかりの歌声とChrisらのコーラスである!ワシはこの部分をイエスサウンドの最大の魅力と位置づけている。最後は納得したかのように、荘厳かつ静かに音が消えてゆく・・・。そう、まるで生命の誕生から衰退、そして次の生命への始まり。輪廻転生を音楽で表したかのようである。気分はもう「火の鳥」!

 ワシは人生のうちでこの曲に出会えたことを、心の底から喜んでいる。



 ※しかしコレも捨てがたい!

Close to the edge(危機)/YESCLOSE TO THE EDGE(危機)/YES 1972

 1.Close to the edge(危機)
 2.And you and I(同志)
 3.Siberian Khatru

 前述のように、最初これを聴いたときは、「なんじゃこりゃ?」と思ったアルバムだが、その後聴いていくうちに、「こりゃGoing for the oneに匹敵するアルバムじゃ!」と思えるようになった。事実ファンサイトのアルバム人気投票でも、常に1、2位を争う2枚のうちのひとつである。

 まず18分もある一曲目であるが、いきなり小鳥のさえずりと小川のせせらぎから始まっているのである(しかも一分近く)!その音がだんだん高まって来たかと思いきや、いきなり激しいギターリフの6/8拍子で展開していく。そして不思議なことに、ある一定のコード・スケールの構築的法則を保ちつつ、徐々にまとまりのある美しいメロディーへと変化していき、静かに前半(本当は3部構成の組曲)を終える。

 すると、Jonの美しい歌声とともにオーケストラと聴き間違える程の、かつ三十数年前とは思えないくらいの音質で繰り広げられるRickのパイプオルガン&シンセサイザーのハーモニーで後半部分が彩られてゆく。そしてSteveのギターリフを中心とした緊張感・スピード感溢れる展開、Rickの変則キーボードプレイと続き、再び前半部分のメロディーへと戻る。そしてクライマックスは3段飛び方式で駆け上ってゆく素晴らしい歌声のハーモニーである!最後はまた小鳥のさえずりと小川のせせらぎでfade outしていく・・・。

 やはりこの曲も「生命」に満ち溢れていると言える。最近はワシのビートくんのお気に入りのBGMである!2曲目、3曲目も素晴らしい完成度を誇っている。アルバム全体が素晴らしいのもYESにしてはめずらしいと(私は)思う



 ※関連サイト※

YES暦(The YES Biodiscography)


 ・ワシの断片的な記憶では不具合が出るといけないので、上記のサイト様からお知恵を拝借しました。どうも有難うございましたm(_ _)m

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