2004.10.31
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こんばんわ。

今日はおじいちゃんのお見舞いに行きました。

おじいちゃんはもう意識はありません。

口に酸素のやつをはめて、薄目を開けて

横になっていました。

おじいちゃんの居る部屋は、もう余命幾許も無い人たちの部屋でした。

となりに寝てる人も、付けている機会がピーピー鳴ると

発作のように体をぴくぴくさせて痙攣していました。

手前にいる人も顔が浮腫んでぱんぱんになっていました。



話しかけても返事はありません。

でも意識が全くないわけではありませんでした。

「おじいちゃん」と呼びかけると

手がぴくっと上がるのです。

当然、顔にも表情はありません。

でも確かに話しかけると何らかの反応があるのです。

おじいちゃんは分かっているのです。

聞こえているのです。

でも返事が出来ないのです。

こんな残酷な事はないです。

もともと、おじいちゃんは肺ガンでした。



その苦しみをあじあわせないためにモルヒネなどの

強い薬を投与され、意識を朦朧とさせているのです。

でも、おじいちゃんは意識があります。

本当は意識があるのに、体が自由に動かないだけのように

僕には思えました。



本人にとっては一番辛いことでしょう。

おじいちゃんは僕が幼い頃から足が悪く、

いつも杖をついて歩いていました。

そんなおじいちゃんと一回だけ一緒にでかけたことがありました。

ナイター野球を見に行きました。

僕はたぶん中学1年くらいだったと思います。

僕は今でもそうですが、あまり野球に興味がありませんでした。

だから、どういう成り行きでナイター野球を見に行くことに

なったのかは、あまり覚えていません。

ひとつだけ覚えているのは野球を見終わった帰り道、

お店のシャッターが閉まった人通りの無い商店街を

二人で手を繋いで歩いていたことぐらいです。

でも、なぜかその光景は鮮明に覚えています。

僕は決しておじいちゃん子ではありませんでした。

どちらかというとおばあちゃんのお世話になることの方が

多かった気がします。

でも、僕はおじいちゃんに趣味が似ています。

食べ物の好みも似ています。

隔世遺伝というやつです。

おじいちゃんは刺身やもずく酢が大好きでした。

それは僕も一緒です。

おじいちゃんは絵を書くのが好きでした。

同じく僕も絵が大好きで子供の頃から絵の教室に通っていました。

新しい絵を書く度におじいちゃんのところに見せに行っていました。

ついこの前おじいちゃんはデジカメを買いました。

散歩した道を撮ったり、花を撮ったりしていました。

おじいちゃんはとても芸術的な才能のある人で、

絵も上手いし、写真を撮るのも得意でした。

僕はデジカメを持っていなかったので、おじいちゃんの

デジカメを借りました。

そしておじいちゃんに返そうとしたら「お前にあげるよ」

と言ってくれたので、もらうことにしました。

そのカメラは画質も悪く古いタイプなのですが、

今でも大事に使っています。

たぶんこれから新しい高画質なカメラを買ったとしても

そのカメラを使わなくなるということはないでしょう。

おじいちゃんは、ついこの前パソコン教室に通い始めました。

インターネットをやったり、書類を作ったりしていました。

わからないとこを僕が教えたこともありました。

本当に色々な才能に長けた人でした。

これからも元気でいられたら、もっとその才能が開花したかもしれません。

おじいちゃんはきっと、もう助かりません。

もう一度、一緒に写真のことや絵のことを話したかった。

人は生まれたら必ず死が訪れます。

誰もが同じです。

僕も友達も世界中の全ての人が同じです。

でも、死とは辛くとても悲しいことです。

僕も今やりきれないくらい悲しいです。

日記を書いている間も、涙が止まりません。

でも、この気持ちを忘れないようにここに記しておきたいのです。

こういう状況にならないと、人が生きている大切さが

なかなか身にしみてわからないものです。

今になって、もっと話しておけばよかったとか、

もっと一緒にいればよかったなどと考えてしまいます。

でも、おじいちゃんは幸せ者です。

みんなに心配してもらって、家族みんながおじいちゃんの

ことを想い、考え、尽くしてきました。

世の中にはもっと悲惨な死に方をした人が沢山います。

そうやって前向きに考えようとしても、

やはり死は悲しいことです。

おじいちゃんは昔、「人は死んだら無になるんだ」と

言っていました。

でも僕はそれが理解できませんでした。

「無」って何?「無くなる」ってどういうこと?

僕はおじいちゃんに「人は死んだら魂だけ何らかの形で残っ

ていて、それが次に生まれてくる子供に宿るのではないか」

と意見しました。

でも、おじいちゃんは「違うよ。無になるんだよ」と

言っていました。

今となっては、僕の考えが現実に起こるのなら

生まれ変わって欲しいと祈ります。

そしていつの日か、おじいちゃんの生まれ変わりと

絵の話や写真の話をしたいと思っています。


その時はおじいちゃん、また一緒に語りましょう。





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最終更新日  2004.11.01 02:37:02
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