4-1

～アルバム～

ホコリをかぶった赤いアルバム
本棚の奥で　小さくうずくまって
それに手をかけ　取り出そう
それはなぜか　とても重かった

一枚目を　ペラリとめくる
生まれたばかりの時の僕の写真
無邪気な笑顔　ふっくらしたほっぺ
キラキラした瞳して　僕を見てる

二枚目を　ぺラリとめくる
ちょっと大きくなった　僕の写真
おぼつかない足で　立ってる僕
なぜか涙が　アルバムへと落ちた

いつのまに　こんなにも
薄汚れてしまったのだろう
なぜ今まで気付かなかったのだろう
春なのに肌寒く感じた

三枚目を　ぺラリとめくる
小学校に入学したときの僕
小さいのに　なぜか凛々しく見えた
大人ぶった　僕の心が浮かぶ

四枚目を　ぺラリとめくる
小４くらいの　僕の写真
ちょっと顔立ちも　少しキリッとして
幸せそうな笑顔を　周りに振りまいていた

いつのまに　こんなにも
無理した笑いを作っているのだろう
なんで感情を押し殺そうとしていたのだろう
小鳥のさえずりが　イヤミに聞こえた

五枚目の　アルバムには
小学校の　卒業式の写真
壇上で大きく　返事をする僕
今と何が　違うのだろう

いつのまに　こんなにも
意地を張っていたのだろう
素直に認めることが　できなくて
こんなに支えてくれてた人が　いたなんて

六枚目のアルバムを　ぺラリとめくる
中学校入学したときの僕
もう　立派なお兄さん
僕もちゃんと　成長していたんだな

ちょっと心が　軽くなった気がした
親にコーヒーでも　入れてやろうか