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~ふたりぼっち~


雨に濡れてる
ノラネコを見た
背中は小さく丸まって
今にも消えてしまいそう
そんなアイツを
抱きかかえようとも
雨から防ごうともせず
ただ傍観している私
手を伸ばせば届く
それなのに
なぜかその間には
見えない壁を作っていた

何がしたいんだろう
何がしたいんだろう

待っているだけじゃ
何も伝わらない
願うばかりじゃ
悲しみこみ上げるだけ
そっと抱きしめて
ぐっと寄りかかって
そばにいるだけで
雨がやんだ気がした

アイツと二人きりの夜
あいつはひざの上
うたた寝する姿は
まるで昔の私みたい
そんなあいつの
頭をなでると
懐かしい温もりが
あいつにはあった
離れたくない
離したくない
ずっとコイツの
そばにいたい

何ができるだろう
何ができるだろう

深い愛を誰かに
伝えたいのならば
まずは 言葉よりも
ぎゅっと抱きしめて
言葉よりも先に
まずは動けばいい
そしたら相手も
ちゃんと返して
くれるはずだよ

優しい瞳をした
あいつの手は
少し冷たくて
そして温かかった
そんなアイツの
手を離したくない
アイツは私の
宝物だから

そんなアイツは
今日も私のひざの上
いつもと同じ
私とアイツはふたりぼっち




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