買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2011年03月24日
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この欠落を彼自身が知っていたかどうかは何ともいえない。たぶん自覚したのは――最後の最後になってからだったろう。だが魔境は早いうちから彼に眼をつけ、不埒な侵入への恐ろしい報復を彼に対して行ったんだ。思うに魔境はクルツ自身について本人でも知らなかったこと、この大いなる孤絶と語り合うまで考えてみたこともなかったことを、囁いた――そしてその囁きは抗いがたいほど魅力的なものだった。それは彼の中で音高くこだました。なぜなら彼の芯は虚ろだったからだ・・・・・。
(ジョーゼフ・コンラッド「闇の奥」P143)

というわけで、ジョーゼフ・コンラッド「闇の奥」を読みました。

この小説は、マーロウが語るクルツの話を「私」が聴くという構造になっており、マーロウを「語り部」とする4部作(?)の2作目になります。

読むのは2回目ですが、1回目同様、難解といえばよいのか、謎かけみたいといえばよいのか、そもそも、マーロウがクルツのどこに、あれほどの共感を示すのか、僕には分からないままでした。

なにか異様な物語であることは、肌感覚のように伝わってきますが、それをあらわす言葉がみつからないまま、まだ読んでいない「ロード・ジム」の「あとがき」を読んでいたら(笑)、テーリー・イーグルトンの次のような文章が引用されていました。

それを、そっくり引用します。


(イーグルトン「人生の意味」)


意味の消失による悲劇。そういうことかもしれません。

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Last updated  2011年03月25日 06時02分32秒
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