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まる 2005さん冬はとくに甘いものがほしくなる。
するとスーパーで板チョコを買ったりする。
昨日、チョコレートの棚へ手を伸ばすと、一番前の板チョコの感触にわずかに違和感を覚えた。
手にとってよくよく観察すれば、どうやら真ん中で真っ二つに割れているらしいことが分かった。
ぼくは菓子売り場にしばし佇んで、短く思い巡らせた。
きっと小さな子供が勝手に手にとって持ち歩き、落として割れたのかもしれない。
親はその現場を見ていなかったのかもしれないが、幼児の手にあるチョコレートを「だめよ」と棚にもどしたのだろうか。
そのチョコレートは幼児の足に踏まれるくらいしたのかもしれない。
のちに、手に取った他の客が割れていることに気づいて棚に戻し、後ろから割れていないチョコレートを買っていったのかもしれない。
勝手な空想を繰り広げていると、手にした板チョコが不憫に思えてきた。
(お前もキズものか・・・。同じキズもの同士仲良くしようぜ)
ぼくはそいつをカゴに入れた。
自宅に帰ってさっそく食べてみる。
銀紙を破ると、やはり予想通り真ん中で割れている。
それだけではなく、もう幾つか細かい破片になっていた。
(食べやすくていいじゃないか)
普通のチョコの味だ。(当たり前だけど)
ことによると返品された上、処分されていたかもしれないヤツ。
チョコの本分を果たせて本望だろう。
亥年も静かに妄想ではじまった。。。