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2005.02.03

みなさん、さようなら・・・贅沢だけど、最後はこれがいい。

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カテゴリ：～2006年　映画・ドラマ

レミー・ジラール
ステファン・ルソー

ストーリー
第76回アカデミー賞外国語映画賞受賞。
カナダ、モントリオールの病院。父、大学教授のレミは末期ガンだった。
ロンドンの証券ディーラー、セバスチャンは母から知らせを受け帰国する。
父の今までの勝手ほうだいな生き方に反発していたセバスチャンだったが、母の願いを受け、父の友人に連絡をとる。
そして病室には、父の友人達でにぎやかになる。

～～～～～～～～～

カナダのその病院は、まるで救命病棟のようだった。
ERのように、廊下にまでベッドが置かれ、ろくな医療設備もないと・・
組合が強くて、病院側は組合を通さなければ、動けないみたい。
ほ～～と思ってみていた。カナダってそうなの？

父の友人達、かつての学生の仲間だ。
社会主義者の父は、きっと学生運動もしていたんだろうなあ～。
懐かしそうに話が弾む友人達との会話。
こんな仲間に見守られるのは、本当に幸せだろうな。

口の悪さと、下ネタと賄賂と安楽死の映画だ（笑）

かつての女達は、みんな一度は寝た事がある。しかし、今ではいい仲間だ。妻もその一人なんだろうね。

そんな父を見て、息子は違う道を選んだ。
その息子の手腕は、ここでも遺憾なく発揮される。
金の力と、その頭の回転によって父親は個室に移り、ヘロインで痛みを和らげ、病院を離れ静かな別荘に行く事ができた。
本当に孝行息子だ。

ヘロインは、どうやったら手に入るのか？
それを知るのは、警察が一番だ。
その発想に、彼のまじめさが見える。
でも、当たってるよね～。

ユーモアあふれてるので、笑ってしまう。
だが時々見せるこの父親の気持ちは、『やっぱり、誰でも最後はそうだよな～』と思う。

死との折り合いをつけなければ・・
納得して死を迎えたい。

しかし、死に対して納得するなんて、そんなに上手くいくものだろうか・・
納得するとかしないとか、そんな事関係なく、確実にやってくるものなんだから。

が・・・それをしたいと、やはり誰もが思う。
この映画、結局、そんな贅沢な『死に方』をした姿を見せているのだ。

ここで、『9・11』の映像が入る事も忘れてはいけない。
最初、この映像が入るのは、ああ、そういう時代だったからだなと単純に思ったのだが、あえてそれを入れた。
父親が、
『20世紀は血なまぐさい出来事でいっぱいだった。』
と言っていた。
具体的に、戦争でまたアウシュビッツで、またどこそこで、何々でと例を上げ、大量に人間が死んでいったことを言っている。

この父親のような、まさに『幸せ』な死に方をするというのは、彼らにはかなわぬ事だった・・・ということなのだろう。
いろんな死に方があるし、死は平等だ。
しかし、納得する死に方は自分で選べる物ではない。
できれば、この父親のように納得して（諦めを受容して）死んでいきたいものだ。

そして、痛みがなく・・・（これは一番考える事だよね）

安楽死に関してはそれぞれの国で違うと思うし、難しい問題があるので、簡単にはいえない。
しかし、「そりゃ、苦しいのや痛いのは嫌さ～」というのが、正直な私の感想。

そして残された者たち。
彼らも、また彼の死を納得していた。
これも癒しだと思う。

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