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2007.02.22

これは、先月見たのですが、昨日「リトル・イタリーの恋」でリビシのことを書いたときにリビシ主演の「ヘブン」を思い出し、そのつながりで今日はこの映画を。

リビシつながりではなく「ヘブン」とこの「美しき運命の傷痕」が、キエシロフスキがダンテの「神曲」に想を得て構想した三部作だということなんですよね。
「ヘブン」はそのまんま「天国」編、そしてこの「美しき運命の傷痕」は「地獄」編となります。

エマニュエル・ベアール・・・・・・・・・・・・・・・ソフィ
カリン・ヴィアール・・・・・・・・・・・・・・・・・セリーヌ
マリー・ジラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アンヌ
キャロル・ブーケ・・・・・・・・・・・・・・・・・・母
ジャック・ベラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・フレデリック（アンヌの不倫相手）
ジャック・ガンブラン・・・・・・・・・・・・・・・・ピエール（ソフィの夫）
ジャン・ロシュフォール・・・・・・・・・・・・・・・ルイ
ミキ・マノイロヴィッチ・・・・・・・・・・・・・・・父
ギョーム・カネ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・セバスチャン

ストーリー
三姉妹は、幼い頃に父親を亡くした記憶により、それぞれの心に傷を抱えていた。夫の浮気を疑い情緒不安定になる長女。男性に心を開けず、恋人ができない次女。そして自分と同い年の娘を持つ男性と不倫をする三女…。そんな彼女たちの母親は、ある秘密を抱えていた…。

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ミステリー的な要素もありますよね。
この三姉妹が現在抱える問題の、その根底にあるものは何なのか。
そして、かたくなな（本当に怖そうな顔をしている）母親がずっと何を考えて生きてきたのか。

根っこにあるのはひとつの事件なんですが、それがそれぞれにどんな影響を及ぼしたのだろうかと、考えてしまうわけです。
影響は逃れられないのですね～～。

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長女のソフィ（ベアール）は、夫が浮気をしているのではないかと常に疑い悶々としている。
浮気に対して恐怖を抱いているのだ。
彼女の嫉妬は、自分も苦しめる。
だから、彼女は夫を追い出すのだ。
愛しているからこそ嫉妬して、憎悪し夫も自分も傷つけることになる。
激しすぎる愛なのだ。

このソフィーの愛は先日見た「エステサロン/ヴィーナス・ビューティ」の主人公アンジェルと同じだ。また「ママが泣いた日」の主人公のママとも同じかも。
愛って激しすぎると傷つけずにいられなくなるのか。

また次女は、母親の面倒を一手に引き受けている。
といっても母親はどこか病院に入っているみたいだけど、彼女が毎週（毎日かな？）母親の元に行っているのだ。
母親の希望で読み聞かせる本が、また変わっていて「バスタブで死んだ人が何人居る」とか「鳥の頭を切ってどれくらい生き続けたか」とか・・＾＾；）
この次女がセバスチャンに出会うことで、過去が明らかになっていくのだ。

三女は大学生で、自分と同じ年の娘を持つ大学教授と不倫していた。
しかし、突然その教授から「これ以上は無理だ」と別れを宣言されてしまう。

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どこかで「きっとこの監督は女性によっぽど苦労したんだろう」と書いてあるのを読んだのだけど、全くそうかもしれないねえ＾＾）
もちろんこの原案を考えていたキエシロフスキーももちろんね（笑）

映画の最初にカッコーが出てくる。
あの他人の巣に自分の卵を産み、孵化した子供が卵をけり落としてしまうというあのカッコーね。

また、三女の不倫相手の教授は「運命と偶然の違い」を講義している。

そして三女が選んだ口頭面接試験の題は「王女メディア」
王女メディアの話、実はよく知らなかったんだけど。
自分の弟を殺してまで（これも怖いけど）夫に尽くし尽くしてきたメディアが、夫に裏切られついにその復讐のためにわが子を殺してしまうという話なのね。
これぞ女の復讐だということなんでしょうか。
（これを持ち出したのは三女が教授の子供を妊娠していたからですね）

美しき