第1話 「 夢 」


でも、もう君を悲しませたりしない。約束する・・。だから、涙を拭いて・・?」
暗闇の中にたたずむ1人の少年がいた。どうしたのかと、茄稀は少年に話しかけた。
「なあ・・。お前、そんなとこで何してんの?」
少年は、小さな声で答えた。
『あのね。僕のせいで・・あの子が泣いちゃったんだ・・。』
少年はその子がいるほうを指差したらしいが、茄稀にはただ何処までも続く暗闇にしか
見えなかった。
「その子がホントにあっちにいるのか?」
少年はうなずいた。
「・・・。行ってみるか?ほら。」
茄稀は少年に手を差し伸べた。すると、少年は茄稀の手を取って、
『うん・・。行ってみる。』
2人はその子がいるというほうに向かって歩き出した。
そして、2人がその場所に着いた瞬間、目の前に強い光が放たれた。茄稀が光の中に入ろうと
した時・・・
「・・・き・・。茄稀!!!!」
「うわっっ!!・・・」
どうやらさっきまでのは夢だったらしい。耳元でいきなり叫ばれて目が覚めた。
「な~きっ!!さっさと起きろぉ!!!!」
「うっさいなぁ・・。起きてるって~・・。俺が授業中に居眠りなんてするはずないだろ?」
「ううん。絶対寝てた!!先生睨んでたよ~?」
「えっ・・?マジ??」
「ほ~ら、寝てたんじゃん!!」
「あ・・。葵羅・・。お前騙したなぁ!?」
「何回も起こしてあげたのに起きない茄稀が悪いんでしょ?あたしはわるくありませ~ん♪」
「てめぇ・・。・・・まあいいや。腹減った~。飯行こうぜ。」
「うん。あたしもお腹減った~!茄稀今日もちゃんと持ってきた?」
「はぃはぃ。お姫様。ちゃんと持ってまいりましたよ。ほら。」
茄稀は鞄からお弁当を出して、葵羅に渡した。
「うんうん♪よろしい☆それじゃあ、早く食堂行こう~♪」
「おい。今日も言っておくけど全部食うなよ。俺のもそん中に入ってんだから。」
「♪♪わかってるよぉ~♪♪」
「・・ホントにわかってんのか~?」
そして2人は食堂に向かった。


★TOP★

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: