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静岡県の赤石山脈の最南端にある秋葉山は、古くから火防信仰を集めた霊山だった。頂上に秋葉神社があり、天竜川支流に沿った山麓には、里宮がある。
秋葉神社は山岳信仰にはじまり、神仏習合時代には、熊野三山同様に修験道が盛んだった。
秋葉山の寺には、修験者の三尺防大権現が祀られている。三尺防は、信州の修験者で、幼くして出家し、諸国を修行した後、越後で僧侶になった。
白い狐に乗って空を飛び、秋葉山に降り立った。そこで火伏せの霊力を持つ天狗だと言われるようになった。
その天狗伝説は、やがて秋葉神社は火の災いを防ぐ神として、広く信仰されるようになった。
江戸庶民は特に熱心な信者で、火事と喧嘩が江戸の華と言われた時代、火伏せの秋葉信仰が盛んになり、その勢いは幕府が禁令を出すほどだった。
都内には現在でもその名残りがあり、「秋葉山大権現」の石碑や祠が数々あり、台東区には秋葉神社が在る。
秋葉原電気街の秋葉原という地名も、秋葉神社に由来し、明治2年の大火の時、そこを空き地にし、火防のために秋葉神社を勧請した。
当時は「あきばっぱら」と呼ばれていたが、JRの駅名は「アキハバラ」住所は「アキバハラ」現在は「アキバ」