空白だらけな箱

犬×弥~満月~

     なぁ・・・?

      俺が死んだら悲しんでくれるか・・・? 
 
そう言った彼の瞳は微かに恐れと悲しみを照らし出していた。
静かな一室にその声が小さく木霊する。
外では鈴虫が鳴いているであろうはずが、その声は屋内には届かなかった。
屋内では宴をしているからであろうか。
皆、楽しそうに歌を唄い、手を叩き、曲に合わせ舞っている。
その様子を微笑みながら眺めていた彼が
ふと席を外し外に出て行った。 ―――――――――――――― 
満月


屋内の煩さに比べ、小さく鳴く鈴虫の声が心地好い。
冷たい風も、酒が入っている所為か程良く感じる。
ふと空を見上げ丸い月を見上げる。
満月だ。

「こんな夜でしたっけねぇ・・・」

ポツリというとその場に寝転び、錫杖を横に置いた。

・・・・・・・・・・・・

「弥勒や、酌をしてくれんかの?」
「はぃ。夢心様」

そう言って弥勒は酒と猪口を持ち夢心と共に縁へ出た。
満月が世を照らし、暗闇が仄かに明るさを帯びている。
弱々しく鳴く鈴虫の声を横に、夢心が酒を呑み始める。
空の月に視線を向けたまま、鈴虫の声に耳を傾ける弥勒。

「鈴虫が寂しそう・・・」

掠れた声でポツリと呟く弥勒。

「そろそろ冬だからなぁ」

と言って酒を呑む夢心。
短い言葉をポツリポツリと交わしていた二人だが、
ふと縁とは反対側の方でゴォォという音がする。
強風か…それとも竜巻か…
夢心は浅い眠りについている。
それをいい事に、音の方へ駆け出す。
外へ出る弥勒。

「あの風は・・・」

少し離れた所に一人の男が立っている。
それを弥勒が目を凝らして良く見る・・・
ど同時に駆け出し、叫ぶ。

「父上っっ!!」

駆け出していた筈が一歩も進んでいない。
ふと後ろを見れば夢心が弥勒を抑えていた。
弥勒はそれでも「父上」と叫びながらむかおうとしいていた。

「父上ぇ――――――――っっっ!!!!!!!!!」

そう最後に叫んだ時、其処に父の姿は無く
大きな穴が空いているだけであった。
夢心はただ弥勒を抱き締め、弥勒もまた・・・
夢心に抱き付き、大声で泣いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リーン…リーン…と今にも止まってしまいそうに鳴く鈴虫は
死に絶えそうと言うよりは、悲しそうに最後の宴をしているようだった。
そしてその鳴声に煽られたかの様に
弥勒の瞳から涙が流れ頬を伝い、地へと沁みていった。

「私が死ぬ事で仲間を悲しませる・・・」

ふとそう頭の中に浮かんだ言葉に、疑問符が浮かぶ。
何故悲しむのだろうか。私は必要とされているのだろうか。
もしかしたら・・・・・・・・・・。
最悪事なことまで考え、最終的に自己嫌悪し考えるのをやめてしまう。
涙を拭うことなく、そのままにしている。
右手の風穴を満月に翳し、ふと無表情な笑みを浮かべる。

「あの満月もこの風穴で吸えるのかもな」

そう言うと風穴を開く。

「おぃ」

弥勒の頭上で聞きなれたぶっきらぼうな声が聞こえる。
その声が聞こえると共に、右手に封印の数珠が巻きつけられた。

「何してやがる、てめぇ。」

多少睨みがちに弥勒を見つめる金色の瞳に、思わず見入ってしまう弥勒。
そして、いつもと様子が違う弥勒に犬夜叉が言う。

「具合でも悪ぃのかよ。妖怪に襲われたか?」

睨んでいた瞳には心配の色が見え、口調の柔らかくなった。
弥勒はただ黙り込んでいるばかり。そんな弥勒に気を悪くしたのか、
胸倉を掴み、座らせ、「何があったんだか話せ」と強引に聞こうとする。

「別に・・・何もありません」

というと、錫杖を持ち立ち上がり、背を向け涙を拭う。

「何もねぇのに泣くのかよ。」

犬夜叉の言葉にピタリと動きが止まる。
全てを悟られた様な、そんな気になってしまった。

「俺じゃ話せねぇのか?」

何故其処まで問うのだろうか。
何故其処まで気にかけるのだろうか。
そう思うと何故かまた涙が溢れ、流れる。
犬夜叉が弥勒の前に回り、両肩を掴むと

「話せよ。・・・な?」

そう言って、弥勒をその場に座らせ、隣に座る。
暫くはただ静かに涙を流す弥勒も、涙が止まり落ち着きを取り戻すと
いつものように微笑みながら胸の内を・・・
ほんの少しだけ犬夜叉に話た。

「もし奈落を倒す前にこの風穴に私が飲まれたら、誰が悲しんでくださるのでしょうね。」
「はぁ?」
「私は・・・誰が悲しんでくださるかもわかりませんし、
それに、骨も何も残らないのであれば、私の存在など無かったも同然になるわけですし・・・」
「ばーか」
「なっ・・・」
「んな事で悩んでたのかよ?」
「御前にしてみたらそうかもしれませんが私にしたら・・・」
「弥勒には、俺も、かごめも七宝も雲母も、それに珊瑚だって居るだろ?
何でそうゆう風に考えるんだよ?・・・大体、奈落なんざ俺がすぐぶっ潰してやらぁ!!」

自信満々に拳を握り、そう言うと、最後に付け足すかの様にポツリと言う。

「御前さ、一人じゃねぇーんだぜ?
そりゃ、俺も・・・ずっと一人だと思ってたしよ、まして人間なんざでぇーーーーっきれぇだったのに、
かごめに逢って、弥勒、七宝、珊瑚・・・。今じゃ俺は一人だって考えらんねぇーぜ。
御前らの所為でよ?弱っちーから俺が守ってやらなきゃなんねぇーしな。
それに・・・大切な仲間だしよ。」

その言葉を聞き、込み上げてくる感情を押し殺しながらも、
弥勒は一言。

「・・・有り難う御座います・・・」

それっきり二人とも黙ってしまうものの、心は一つ。
満月の光に照らされ、二人は暫くその場でのひと時を過ごす。

=======屋内

「ぁれ?弥勒さまと犬夜叉は?」
「さっき、表に出て行ったぞぃ」
「きっと、酔いを覚ましてるんだと思うよ?」
「そっかぁ・・。でもあの二人なら平気よね」
「・・・おら・・・もう眠いぞぉ・・」
「みぃ~」

そんな会話をしながら、宴を楽しんでいる女子供であったとさ♪


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*後書*
思いつきでチャッチャカ書いたので・・・誤字脱字はご勘弁(爆
で、・・・ つまらんよね!? 
だって、犬弥なのに・・・ 手ぇ出してn 
(終了/腐女;
でも、これは真面目に ノーマル 
なのですv
で、弥勒様を始めに書いちゃったけど、とりあえず、
かごめとか珊瑚とか…色々書けたらいいなー。とかは思ってますv 思ってるだけですv 
(爆
はぃv暇が出来れば書きますv
で、これはフリーなのでもっていきたきゃもってきなv
BBSに一言くださぃvでわーv




2004.10.8   9:39

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