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2004年03月31日
カテゴリ： 紫苑の日常
昨日の雨が嘘のような快晴の朝。
洗濯物を干すことに気が向いてしまって、マンションの窓外を見なかった。
眼下の桜並木の薄紅色が、素晴らしいなーと見下ろしたのに、肝心の富士山には目が行かなかったのである。頭の中には、春霞で見えないと思い込んでいたふしもあり、とにかく富士山は見なかった。
職場に来て、富士山の話になった。
久しぶりにくっきりと見えたねーという話題に、嘘、見えなかったと反論したものの、実のところは見なかったのだった。ああ、返す返すも残念無念。
我が家のマンションからは、富士山がくっきりと裾野まで見える。越してきた当初は、その眺望の素晴らしさに、少々家賃が高くても、おつりが来るとほくそえんだものである。富士山がどーんと目の前に、パノラマのごとく見えた朝は、良いことの予兆のような気持ちにしてくれたし、夕陽が沈む間際の幻想的な山も、お金には換えられないものを感じさせてくれた。富士山と共に暮らしているといっても、それは過言ではないだろう。
それなのに、今朝は、富士山を見なかった。
くーっ！
すっごく損をした気分になった。
どんよりした日でさえ、富士山の方向は見てたのに……。
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