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2004年04月13日
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カテゴリ: Essay
 霊感は強い方である。

 というと、少々怪しげであるけれど、それを悪用しようとかいうのではないので、お許しいただきたい。

 たとえば、普通なら考えられないようなことでも、頭の中で念じれば、叶ってしまうということが多々あったりするのだ。誰かを好きになって、顔を見たくなったとすると、そのシーンを思い描く。不思議なことに、それは偶然に過ぎないと思いながらも、何度も出くわしたりするから、われながら驚く。

 先日も、三十年来の友の顔が浮かんだ。彼は時折、上京してくるので、「今度はいつ上京してくるのですか?」と、携帯電話にメールを送った。するとその深夜、彼から電話が入った。
「今、会議で来てるんだけど、なんだか見てたようにグッドタイミングなメールで驚いたよ。連絡しようと思ったんだけど、今日は歓送迎会で遅くなるから連絡をしなかったんだ」
 懐かしい声が、受話器の中で笑った。
「ふふ、わたしは霊感女よ。侮らないでねー」
などと、ふざけて返した。

 久しぶりの長電話になった。
 実は、わたしもストレスが飽和状態で、誰かに聞いて欲しかったのだ。ここ数年、わたしの身の上に起きた出来事のすべてを、親友である彼には話してあった。それ関連だったので、話は早い。かくかくしかじか、話しているうちに、薄皮を剥ぐようにではあったけれど、憂さが晴れだした。

「親父の死は、今でも思うけど元気な死に際でよかったと思うよ。元気な死に際という言い方もおかしいけど、少しも苦しまないであの世に逝っちゃったんだ。でもね、そのために普段から健康には気をつけたり、ストレスを溜め込まないようにしたり、努力を怠らなかったんだ。そういう親父を俺は尊敬してるんだ」
 近況から、最近亡くなられたお父上の話になったとき、彼はそう言った。彼のお父上は、ダンディな方で、わたしもよく存じ上げていた。それだけに、この父親にして息子あり、の素晴らしい関係だと思う。
「その親父の年齢までまだ三十年はあるんだよ」
 と彼は言い、
「もう一度成人式をしても余る年を迎えた時、話題が豊富で良いじゃない。そう思って今を乗り越えなよ。一回りも二回りも人生が豊かになって、人に聞かせる話が多いほど楽しいと思うよ。君はその中心になって笑っていられるよ」
 と、言葉を結んだ。
 なんて素晴らしい助言なのだろう。
 わたしは、つぶれそうになっていた、その大きな出来事が、急に軽くなった気がした。

 やはり、彼に聞いてもらって正解だと思った。

 長電話を終えた頃には、すっかり憂さが晴れていた。





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最終更新日  2004年04月13日 14時18分20秒
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