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2004年06月10日
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カテゴリ: Essay
 薄墨色に、薄紅色の枝垂桜柄の浴衣を、長女のためにあつらえた。長身の彼女によく映り、わが娘ながら美しいと、惚れ惚れ見とれたのは、今から三年前のことだった。
 わたしの身長とほとんど変わらない次女には、わたしの娘時代のあやめ柄のを譲った。これがぴったりで、次女に実によく似合った。

 ところが、この二枚の浴衣は引越しのドサクサで、不用品を運ぶトラックへと運ばれたようで、どこを探しても見当たらない。浴衣と共に、それに合わせた帯や下駄も消えてしまった。
 次女に譲った浴衣は、亡き母がわたしのために手縫いしてくれた懐かしい品であり、長女のは、たった一度しか袖を通していない新品同様品であった。それだけに悔やまれて仕方がなかった。

 あれから三年。
 やはり浴衣がほしいと、長女は自分で安物を買ってきた。次女には、手元に残っているわたしのアザミ柄のを、譲った。

 この夏、二人とも、久しぶりに浴衣を着るそうだ。
 どうやら彼氏に見せたいらしい。
 ついでに、わたしにも着てほしいという。


 夏の夜空に咲く大輪の花を見上げて、わたしは娘のそばに居る幸せを、じっとかみ締めることだろう。






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最終更新日  2004年08月27日 15時37分08秒
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