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2005年01月18日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay
 ドライヤーの手を止めて振り返ると、

 こんな日は、きっと良いことがあるに違いない。
 起き抜けに感じた胸騒ぎは、気にしないことにしよう。
 ここに越してきて、無宗教のわたしが富士山を信仰している。
 なんだか笑ってしまうけど。

 「富士山が見えるだけでも、幸せじゃない」
 遊びに来ていた姉が、窓際に立ってぽつりと言った。
 五十を回って遭遇した妹の、諸々の災難の中から拾った、

 「そうよ。最高よ。富士山が見えた日は清々しい気持ちでいられるもの」

 契約した日には見えなかった富士山が、
 ある日突然見えた時、飛び上がるほど嬉しかった。
 「きっと神様からのご褒美だわ」
 素直にそう思えた。

 人は少しでも楽になると、欲が出る。
 ほんの少しの贅沢がしたくなる。

 でも今朝の富士山は、それを戒めるように、
 気高くて神々しかった。
 心のあり様さ、と説いてくれた。
 ほんのり頬を染めた富士山を、わたしはそのまま飽かず眺めた。

 まだしっかりとドライヤーが握られていた。

 いつもの朝。
 いつもの時間。
 だけど今日は、こんなに気持よく始まった。





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最終更新日  2005年01月18日 13時17分31秒
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