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2006年09月14日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 一瞬、蝉のうるささにも似たその音は、更に耳をすませると、美しいことに気付かされた。
 ああ、秋なんだなーと。
 一夜にして秋が訪れてしまった感の、昨日に今日。
 自然の訪れをあらためて実感させられた。

 そういえば、改札を出たところによく亡くなった元夫が車で迎えに来てくれていた。
 わたしは頑なに、歩いて帰ろうとしたのだけれど。
 虫の音に混じって、そんなシーンがよみがえった。
 礼をいうでもなく、わざと後部座席に乗った。

 口をついて出る言葉には、たっぷりと棘を含んでいた。
 彼は、それを黙って聞いていた。
 「ごめんな。みんな俺が悪いから」
 「そうだよ。全部あなたのせいよ」
 わたしは、その言葉だけを呑みこんで、口をへの字に結んでいた。
 今となってはどうにもならないことだけど、もう少し優しくできていたらなぁ、と。

 やっぱり今は秋。
 切ないことばかりが浮かんでは消えるから……。
 深夜になって虫の音は、少し優しくなった。






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最終更新日  2006年09月15日 00時02分37秒 コメント(2) | コメントを書く
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