積んどく? 読んどく?

PR

×

Profile

shiba_moto

shiba_moto

Calendar

Favorite Blog

うたたね通信社 ~… 山村まひろさん
Hard-boiled or soft… クロフネ9627さん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
yanyanの日記 ya226さん
あたまのなか 三日ぼうず3さん

Comments

shiba_moto @ Re:???(05/08) 通りすがりさん >氷室さんは永眠なされ…
通りすがり@ ??? 氷室さんは永眠なされてます。
shiba_moto @ Re[1]:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) Neko月さん、こんにちは。コメントありが…
Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto @ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…
2008.03.18
XML
カテゴリ: 感想
 その日、学校での父母会に出かけた母はなかなか帰ってこなかった。ひとり帰りを待ち続けた真裕子だが、次に母と対面したのは霊安室だった。どうして母が殺されねばならなかったのか。誰が母を殺したのか。報道、捜査、裁判、人の目、噂、親族。事件にまつわる様々なものが家族を苦しめていく・・・


 殺人という直接的な被害を受けた真裕子の母則子は当然ですが、真裕子たち家族、その親族だけではなく、加害者側の家族、親族たちも被害者の一人なのです。自分自身は何もしていないのに、加害者の家族としての責めを負わねばならない。これは被害以外の何物でもありません。
 事件そのものだけでなく、捜査や裁判も被害者たちを容赦なく傷つけていきます。それらは知りたくなかった真実、直接的な当事者でしか知りえなかった事実を白日の下に晒し、家族たちに突きつけるのです。マスコミはそれを広く世の中に伝え、隣人や知人の好奇心は噂という形で狭い地域のコミュニティーにくっきりと影を落としていきます。想像するのも躊躇いたくなる世界です。

 「私、裁判って――お母さんの為にやってくれるんだと思ってた。本当に」
 終盤にこの真裕子の一言がなんとも重たくのしかかってきます。裁判は罪を裁き、罪を犯した人間の処遇を決める場であり、被害者のために開廷するのではないという事実は、ややもすれば判官贔屓から真裕子の側に立って物事を考えがちな読者に強烈な一撃を見舞います。
 あと一年ほどのうちに裁判員制度がスタートします。もし裁判員としての務めを果たさねばならなくなったとき、自分は冷静に中立な立場で適切な判断ができるだろうか。そんなことまで考えてしまいました。

 続編として『晩鐘』が出版されています。『風紋』から7年後、事件の関係者はどうしているのか、真裕子は、大輔は。気になってなりません。
2008年3月13日読了





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.03.18 23:23:23
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: