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子供ほったらかして浮かれるってどうよ?
ねぇ、皆?
“お酒は20歳になってから。”
ある春の昼下がり、梶原宅にて。
「花見に行こう。」
「「「「「ハイ?」」」」
「だから、は・な・み。」
「あー、桜ね。」
「いつも突発だね、最。」
「ってか、もう春休み終わるのにか最ちゃん?」
「そういえば、何かと毎年行ってたね~。」
「花見カ~、やっぱり日本はエエネ。」
春休みもあと1日となり、春休みの宿題なるものを終わらせた(数名終わってない)俺達は俺の家でゲームをしたり、マンガを読んだり、ぶん殴ったりとダラダラ過ごしてたわけですよ。
毎年この季節には花見に行ってるなぁと思って花見に行こう発言をしたわけで。
ちなみになんかゴチャゴチャ言ってるのは、上から
冬塚 光貴(ふゆつか こうき)、双子1。
冬塚 陽貴(ふゆつか ようき)、双子2。
竹沢 亮介(たけざわ りょうすけ)、チャラ男。
佐川 新平(さがわ しんぺい)、エロメガネ。
田辺 ジョン(たなべ じょん)、エセ外国人。
ジョンはニックネームとかじゃなくてちゃんとした実名。
アイツは、父親が日米ハーフで母親がアメリカ人。
だから、一応クォーターってことになる。アメリカ4分の3、日本4分の1。
しかも、関西で住んでたから、関西弁なのに微妙におかしかったりと。
エセ外国人と言うより、エセ人間と言った感じ。
ジョンとは高校から一緒になって、何故だか仲良くなった。
本当に何故だろう。何であんなエセ人間と・・・
おかげで、学校では俺、双子、エロメガネ、チャラ男、エセ人間の6人でイロモノ集団と呼ばれていた。
迷惑だ。
俺のどこがイロモノか。
ま、これが女子の間ではイロモノと集団の間に美形が入るらしく、とても有難いね。
美形だなんて言われることないもの。
そして、ジョン、お前日本に住み始めたのは1年や2年前じゃなぇだろ。
その言葉はおかしいだろ。
「花見ねぇ。」
「アレ?双子は去年一緒に行ったよな。」
「一昨年も行ったよ。」
「半ば強制的にね。」
「でも、俺まだ宿題終わってねぇし。」
「オレもやなー。」
「俺は終わった。」
「僕達はとっくに終わったよ。ってか楽勝?」
「お前らダメだ、チャラ男、エセ人間。春休みの宿題なんか夏、冬に比べりゃ全然少ないだろ。花見行こうぜ、花見。」
「なんでソコまで花見にこだわるネン、サイチャン。」
「それはだね」
俺が言おうとした時、ガチャと部屋の扉が開く音がした。
もうなんか慣れたよ。
「それはね、花見に行くって言うと誠司さんがイチゴ大福ただでくれるから。」
「あ、こんちは、空さん。」
「ねぇ、アホ兄ー。ノックするとか一声かけるとかしてみようとか思わないの?」
「別に問題ねぇだろ。」
「ま、そうだけど。アホ兄のようにエロ本が大量にあるわけじゃないし。」
「お、サイチャンの探すか?」
「いいよ、余計なことはしなくて。」
「ねぇ、空さん。扉閉めたら?」
「また、宙さんに色々言われるよー。」
「的確なアドバイスを有難う、光貴、陽貴。」
「アレ?でも、誠司サンとこってケーキ屋さんやなかったッケ?なんでイチゴ大福?」
「春ってかイチゴの時期はイチゴ大福も置いてあるんだよ。Sweet Happinessをヨロシクお願いしますー。」
「何で宣伝してるんだよ、空さん。」
「いやいや、兄貴になろうと言う人の店だからな。」
「えー、誠司さんと姉さん結婚するのー?誠司さんカワイソー。」
「オイオイ、サイちゃん。いつも誠司さんにさっさとアレと結婚してどこかへ連れてけって言ってるのは誰かなー?」
「確実に俺だね。心から願うよ。」
「アカンわー。いつ来てもサイチャン家は仲良いんカ悪いんカようワカランわー。」
光貴・陽貴がマンガを読み終わったのか、本棚までのそのそと這って行く。
ガッと両手を使って、十数冊掴んでベッドの俺の隣に戻ってくる。
お前らもうちょっと丁寧に扱え。
「よし!!」
「何、最ちゃん?」
「そゆことで花見に行こう!!ってか、行くぞ。明日。」
「あ、また最ちゃんの独壇場が始まった。」
「って、明日かよ!!」
「俺まだ宿題終わってへん言うてるヤン。」
「うっさい、さっさと終わらせ。」
「ねぇー、最ー。コレの12巻どこ?」
「このマンガの8巻もないー。」
「むぅ。どこだったかなー?」
顎に手をあて、しばし考える。
・・・・・
「さっさとマンガ返せや、バカ空。」
「やん、サイちゃん、その手を収めて。その顔面に繰り出そうとしてるパンチを収めて。」
「とっとと取って来い。」
「ハイハイ。」
「さぁて、話は脱線したけど、花見行く人ー?」
そう言った後、自分の腕を高くあげる。
あがった手は5本。
つまり全員参加。
よっしゃ、そうこなくちゃ。
扉の所では、空が10冊以上はあるであろうマンガを抱えながら手をあげていた。
テメェ、どんだけ持って行ってやがる。
「あと、誰がいい?」
「女っ気が欲しいです。」
「無理だ。」
「即答かよ。」
「よし、父上殿を誘おう。」
「あー、修一さん?」
「そう、修ちゃん。新平、机の上のケータイ取って。」
「ホイ。」
「ってか、全く女っ気じゃねぇ・・・」
「女の子みたいな顔してらっしゃるけどな。」
「それ言ったら、吹っ飛ばされるぞ。」
新平からケータイを受け取り、アドレス帳の“ま”の段から真島 修一を探す。
電話のマークを押し、ケータイを耳に当てる。
呼び出し音が鳴り、4回鳴ったところで父上殿が出た。
『最かー?どした?』
「明日、花見に行こうよ!!」
『おー、明日かー。いいぞ、行こう行こう。』
「やった!」
『メンツはお前の愉快な仲間達かー?』
「うん、愉快な愚民達とバカ兄。今のところはね。」
横で誰が愚民だとでも言いたそうにこっちを見てるのが2人。
俺の面白いほどの顔の変化にこっちを指差して笑ってるヤツが2人。
格ゲーで対戦相手を操るプレイヤーがいなくなってチャンスとばかりに猛攻撃をしかけているアホが1人。
本棚にマンガを入れた後、また新しく両手いっぱいに抱えてマンガを持っていこうとするクソヤローが1人。
電話の向こうから聞き慣れた声達の喧騒が聞こえる。
何でソコにいるアンタら。
「修ちゃん、もしかしてもしかしなくとも姉さんとかソッチにいる?」
『修ちゃんじゃなくて、父上殿ー。って強要するとこじゃないか。うん、いるよ。営業妨害しに。お前の姉ちゃんとお隣さんの双子AB。』
「げぇ、双子ABまでいるの!?」
『あっ、ちょっ』
『げぇとは何だい、失礼だな。最坊。』
多分父上殿からケータイを取り上げたんだろう。
向こうの電話口にいるのは多分、声が低いから弟の方。
双子ABとは、うちの隣に住んでる姉さんと同じ歳で姉さんの悪友のあだ名。
姉弟の双子で一卵性。
一卵性で男女はありえないという常識は無視の方向でお願いシマス。
姉の方が、双丘 杏里(ふたおか あんり)。
弟の方が、双丘 万里(ふたおか ばんり)。
だから、あだ名が双子AB。
どっちもデザイナーで親とか美術教師だったりデザイナーだったりで美術系一家だったりする。
趣味は、嫌なことだが梶原3兄弟で遊ぶこと。
そして、もう1つは女装男装。
お互い入れ替わったりするのが趣味って言い換えた方がいいのかな。
うん、ぶっちゃけ人を騙すのが好きなカンジ。
俺の脅威。
『やぁ、最坊。3時間ぶり。』
「やぁ、じゃないよ、全く。」
『花見行くんだってね。』
「あ、えー・・・」
『僕も行くから。あと杏里も。最坊のステキにヤバイ姉上殿も行く気満々みたいだよ。』
「うわー。」
『ちょっ、返せ、万里!!』
『年上には敬語を使いたまえ、修一クンや。』
『1つ違うだけだろ。もしもし、最?』
「もしもし、修ちゃん!ちょっ、あの人らホントに行く気!?いや、行くって言ったら来る人らだけど。」
『あー、うん、行くんだろうなぁ。嫌だなぁ。』
「俺も嫌だなぁ。」
『「ハー・・・」』
「あっ、そういえば咲ちゃんは?」
『アイツさっきまでココにいたんだけどな、店番しに戻ったなー。』
「じゃなくて、誘ったら来るかな?」
『明日は無理だって。妹ちゃんと買い物行くんだとー。』
「ちぇー。」
『じゃぁ、明日車で迎えに行ったらいいか?いつもと同じ桜ヶ丘に行くんだろ?』
「うん、迎えに来て。姉さんの運転は怖くて嫌だから。」
『1台で足りるかー?』
「杏里か万里に運転させればいいよ。奴らの車には乗りたくないけど。」
『私が運転してあげるよ。』
げ、電話が杏里にかわってる・・・
『勿論、助手席には最坊乗せてあげるよ。』
「いらねー、いらねー、いらねー。それだったら、自分のバイクで行った方がマシだ。」
『せっかく、お弁当作っていってあげようかと思ったのに、そういらないんだな。』
「う・・・」
残念なことに杏里万里の作る料理は美味い。お菓子も美味いし。
『観念したまえ、最坊。ひろ坊共々僕らのおもちゃになりたまえ。』
「絶対、嫌じゃー!!」
そこで俺は恐ろしさとか色んなものからブッツリと電話を切った。
ゴメン、父上殿。
俺はソイツらの相手はしたくないんだ。
怖いから。
「さ、さぁ、誠司さんトコ行くぞー。」
「最ー、なんか変な汗が出てるよー。」
「会話から察するに双丘さん家の双子が出てきたみたいだねー。」
「うーわー、あの人ら行くって?俺行くのやめようかなー。イジメられに行くようなものだしなー。」
「逃げられうるわけないだろー、バカ兄ー?隣に住んでるんだぞー。」
「これ以上最ちゃんが壊れる前に誠司さんトコ行こう。イチゴ大福買いに行こう。」
「どうやって、行くんだよ?電車?」
「俺はバイクあるけどな。」
「俺も俺も。」
「いいよなぁ、梶原兄弟は。俺も免許とりてぇよ。」
「チャリも怪しいのに大丈夫?」
「自転車ぐらい乗れるっての。」
「じゃぁ、まぁ電車ゆーことデ。」
「じゃぁ、俺は駅までバイクで行くよ。」
「・・・・最ちゃん、たまには人を気遣え、空気を読め。」
そして、俺は渋々ながら歩いて愚民共と家を出て、駅へ向かった。
空気を読めなんて、千手先まで読んだ上での行動に決まってるじゃないか。
駅は家から徒歩で大体5分ぐらいのところにある。
ホントは10分かかるのだが、近道をしまくると半分で済む。
人の家の庭、人1人通るのがやっとな細道。
1駅分電車に乗って、駅の近くにある店に入る。
Sweet Happinessとファンシーな文字で看板に書かれていた。
誠司さんの店、正しくは誠司さんの兄の店。
扉を押すとベルの音が店内に響いた。
誠司さんは客がいないのをいいことに店内のイスに座って、何か飲んでいた。
多分、いつも通り緑茶だと思う。
明らかに掃除の途中で休憩といった感じだった。
慌てて腰を浮かせるが、入ってきたのが顔見知りだと分かるとまたイスに腰掛けた。
「やぁ、こんにちは、皆。」
「あれ?誠司さん1人?」
「うん、兄さんと義姉さんは2人で買い物に行ったよ。」
「はぁー、デートですか。」
「そんなところだね。」
そう言って、やっと立ち上がり、湯呑みをレジの横に置き、箒やらちりとりやらをカウンターの奥にしまい始めた。
そして、奥の冷蔵庫から箱を出してくる。
「はい、コレ。明日花見に行くんだよね?」
「え、何で知ってんすか?」
「さっき、宙から電話あったんだよ。背後で修一くんの悲痛な叫びが聞こえたよ。杏里ちゃんと万里くんもいたみたいだしね。」
「可哀想に、父上殿。」
「お会計は―」
パーの形をした手の平を誠司さんに向ける。
「姉さんにつけといてください。」
「ハイハイ。」
誠司さんは苦笑した後、紙に何かメモしていた。
横にゾロゾロといる奴らはジーっとケースに入ったケーキばかりを見ていた。
あぁ、そう。食いたいのね。
まぁ、俺も食いたいけど。
全員大体2個ずつケーキを誠司さんにとってもらって、店内で咀嚼ー。
他の客がいない時はいいね。
やりたい放題~♪
高校生の男ばっかりが集まって、ケーキ食ってるってどうなんだろう・・・
見たくない光景ではあるね。
支払いは姉さんにつけることなく、自分で出して、店出て、途中で光貴、陽貴、ジョンと別れて帰宅~。
新平と亮介は近所だからね。
イチゴ大福はちゃんと冷蔵庫に保管。
箱にはでっかく“最”と書いた。
梶原家では自分の名前を書かないととられてもしょうがないという法律ができている。
大体食べ物に対してだけど。
姉さんが帰ってきてもイチゴ大福のつけのことは話さなかった。
誠司さんの口から聞いてくれ。俺には荷が重すぎる。(笑)
飲み物は姉さんが買ってくるらしい。詳しいことは聞かない方がいい。
翌日。
朝起きて、朝飯食って、準備して、気付いたら双子ABの車に押し込まれていた。
何故だ。
俺が乗りたいのはこの車ではない。
父上殿の方だ。
唯一の救いは、助手席に乗せられなかったこと。
運転席には、杏里。助手席には、万里。
その後ろに俺、空。2人共虚ろな顔をしてるのは気にしないでくれ、むしろ気にするな。してはいけない。
そして、そのまた後ろに新平と亮介。顔が引きつっている。
奴らも近所に住んでいるので、双子ABにいじめられて育っているからな・・・
ちなみに今日の双子ABの格好は男でも女でも着れそうな感じの服。しかも色違い。
怖ぇよ。着替えろ。
父上殿の方の車には、助手席に姉さん、後ろに光貴、陽貴、ジョンが乗っていた。
代われ、アホ共。
皆が集まったところで出発。
とりあえず、車内ではひたすら寝たフリ。兄よ、生け贄よ、ガンバレ。
到着して、父上殿の車から光貴、陽貴、ジョンと出てきて、少し待つと父上殿と姉さんが険悪な雰囲気で出てきた。
怖ぇよ、唾吐くなよ2人共。
喧嘩するほど仲がいいって言葉がこの上なく当てはまる2人。
や、でも、そんな顔のままで近づいてこないで。
とりあえず、荷物持って桜の木の近くへ。
春休みもあと1日ってことで人の数はまばらだったが、それでも多かった。
適当にシートを敷いて、荷物を置き、靴を脱いでシートの上に座る。
姉さんが持ってきた飲み物が入ったクーラーボックスを開けると・・・・
「何考えてんの姉さん。」
「んー?」
「頭おかしいんじゃないの?」
「よし、最。頭を出せ、かち割って脳みそキレイに洗ってあげる。」
「やらなくていいよ。ってか、大体予想通りだけど、何コレ?酒?」
「イエス、酒!!」
グッと親指を立てて、満面の笑みをコチラに向ける我が姉。
嗚呼、とても殴り倒したいね。
「おかしいでしょ、コレは。」
「何が?」
「何で酒だけ?11人いて、7人未成年なら買ってくるものはノンアルコールのものに決まってるでしょ!!」
「酒好きだもん。」
「黙れ、バカ女。」
「あっ、アンタお姉様に向かってなんて口の利き方を。」
「姉さんそうゆうとこ空に似てるよね。腹が立つ。」
「ソコまで言わなくていいじゃないねー、ヒロちゃん。」
「俺に振らないでお姉様。」
「さぁ、飲み物買う金をよこせ、社会人。」
保育士なめるなよーなどと言いながら、サイフから1000円札を取り出して、渡してくれた。
そういえば、金を取る相手を間違えた。
杏里、万里から取るべきだった。
父上殿は遊ぶ金には困ってないが、人に恵むほど持ってるわけではないし。
とりあえず、父上殿、俺、新平、光貴、陽貴で近くのコンビニへ。
空と亮介とジョンはおとりだ、生贄だ。
頑張れ、兄よ、友よ。
愉快に楽しく行って、サイダーとりんごジュースとお茶のペットボトルを3本買って、愉快に楽しく戻りました。
父上殿なんて双子ABとうちの姉から逃れられて、心底嬉しそうだ。
なんだろう、うちの姉とお隣さんは。
自分達の場所に戻ると、そこでは、兄と友人がさめざめと泣いていました。
「お前ら何やってんだ?新手の遊びか?そしてアホか?」
「最ちゃん・・・」
そして、その後ろでは姉とお隣さんの双子が酒盛りを始めていました。
すでにビールの空き缶が山となっているのは何故でしょう。
「お前らは本気のアホかー!!?」
「あ?何だい、最坊?そんなかっかして、ハゲてしまうよ?私の髪の毛わけてあげようか?」
「ハゲるかー!!うちの家系はフッサフサだ!!じゃなくて!!」
「ほぉーれ、修一。お前も飲みたまえ。」
「いらん。臭いどっか行け。」
「僕の酒が飲めないのかー。」
「ヤメロ、近づくんじゃねー!!」
万里がビール片手に父上殿を絞め始めた。
あ、なんか危ない気がしてきた。
「じゃなくて、運転手が酒飲んでどうすんだよ!!」
「イエー、飲酒運転~。」
「イエーじゃないよ。こっちが困るっつーの。」
「あ、修一が落ちた。」
父上殿が魔の手に落ちた・・
視線の先では万里にビールを流し込まれている父上殿の姿が・・・
あぁっ、最後の運転手がっ!!
「バカか、万里!!この酔っ払いヤロー!!」
「アハハハハー、最坊がいっぱいいるよ。相変わらず、可愛い顔だね。」
「あー、チクショー!!酒癖悪ぃ!!」
「失敬な、僕は酒は飲んでものまれません!!」
「既に丸呑みされてるよ、バーカ!!」
「サイちゃん、ほっとけ。気にするな。いないものと思え。」
「いや、でも、空。運転手いねぇじゃん。」
「大丈夫だ、きっと。うん、きっと。」
「うわー、頼りになんねぇー。」
「大人は放っておいて、未成年は未成年同士楽しもう。な?お前の友達はとても楽しそうに菓子食いまくってるぞ。」
「あ。」
酔っ払い共から逃げるようにシートの端っこでポテチを広げるアホ共。
あ、なんか新平と亮介が目線そらしてる。
俺の目ェ見てみろこのヤロー。
「オイ、たけのこの里よこせ。」
「残念、もう食べちゃったよ、最。」
「酔っ払いに絡んでるからねー。」
「あー、クソ。じゃぁ、ポッキーよこせ。」
「ン。」
「誰がエセ人間なんかとポッキーゲームやるか。」
「ンゴッ」
「スゴイね、最ちゃん、拳が顎にクリーンヒット。」
「何でもいいから、チョコレートよこせ。」
「お兄様にもなんかよこして。」
「嫌なトコ似てるな、梶原兄弟。」
「なぁ、修一さんが大変なことになってんだけど。」
うちのアホ姉と凶悪双子はガボガボ飲みまくっていた。
ちなみに姉さんは笑い上戸になり、双子は絡む。
そして、父上殿は・・・
「うわー、修ちゃん見事に吐いてるな。」
「空ー、キャべジン買ってきてあげてー。父上殿顔色おかしい。紫だよ紫。」
「修一さん見て、笑い転げてるサイチャン達のお姉様の方がおかしいと思うけどね。」
「笑い上戸だからね・・・」
とりあえず、皆慈悲深い目で父上殿を見ながら、イチゴ大福を3つずつ食べた。
相変わらず、美味い。
そして、見るべきものはゲロ吐きまくりで姉さんに笑われてる父上殿ではなく、桜だと頭の隅っこで思った。
そうこうしているうちに時間が過ぎた。
なんと言う花見だ。
しかも全然花を見ていない。
「さて、最ちゃんどうやって帰るよ?」
「駅まで遠いぞ~?」
「フフフ、何のためのケータイだ!!?」
そう言って、俺は自分のケータイを右手で持って上に突き出し、左手は腰にあてた。
「オオッ!」
「最、年上の知り合い多いからねー。」
「誰呼び出すの?」
「そりゃぁ、モチロン誠司さんv」
「仕事中だろよ、サイちゃんよぉ。」
「彼女の失態は彼氏に償わせる!!」
「その前に自分の姉だろ。」
そんな亮介の言葉を無視し、サ行から誠司さんの名前を選び、電話をかける。
誠司さんは好きだけど、俺はそれ以上に自分が好きだから。
だから。
「あ、誠司さん?誠司さんの彼女とその友達の暴走のせいで運転手がいなくなったから迎えに来て。」
一呼吸でそれだけ言い、拒否できないようにさっさと切った。
ひたすら、誠司さんが「え?え?」って言ってたのは聞こえなかったことにしよう。
「おっ前、ひでぇなぁ。」
「誠司さんは優しいから来てくれるよ、絶対。」
俺が嬉しそうに楽しそうに言うと、双子以外は苦笑いしていた。
双子は、「それでこそ最だ。」と言う顔で見てきた。
もう一方の双子は、父上殿に絡んでた。
どうしよう、救出するべきか・・・
そんなことを考えてると、手の中でケイタイのバイブが鳴った。
誠司さんだ。
『最くん、確信犯なんだろうけど用件言いつけて電話切るのやめようよ。』
「うん、確信犯だよ。」
『あぁ、うん。そう、言われるとなぁ。まぁ、もうすでに車で出てきてるけどね。』
「やっぱり誠司さんだね!ってか、運転しながらケイタイ触っちゃダメなんですよー。」
『踏み切りに捕まってしまってね。あと、5分ぐらいで着くから。』
「あのさぁ、誠司さん。車2台ここにあるんだけど、どうしたらいいと思う。運転手は既に酒の精霊に連れて行かれてマス。」
『酒の精霊って・・・仕方ないから、また後で僕がとりに行くよ。酒飲み野郎共もね。あ、そういえば、修一くんは?』
「双子ABの手にかかって、ゲロの海の中。」
『あぁ、じゃぁ、さっさと修一くんも回収した方がいいねぇ。』
「そうだねぇ。」
「じゃぁね」と言った後、電話は切られた。
さて片付けるか。
あのアホ共を。
俺から殺気らしきものがほとばしり始めたのに気付いたエロメガネとチャラ男が顔を引きつらせていた。
「最ちゃん、自分の姉ちゃんやお隣さんに殺気向けるのやめよう、ね?」
「えー、でも父上殿救出できないじゃん。」
「いや、誠司さん来るんだろ。そうゆうことはやってくれるよ、きっと。」
「じゃぁこの殺気をどうしたらいいんだよ!?」
「「知るかっ!!」」
「あ、最。おにーさん来たみたいだよ。」
「アハハ、苦笑いだ。」
なるほど、双子の言う通り見事なまでの苦笑いだった。
それでも、俺達の近くまで来ると、ニッコリ優しげに笑った。
さっすが、爽やか好青年。
「やぁ、皆。」
「「「「「「こんちわー。」」」」」」
「待ってたよ、誠司さん!」
「まさか、29のおっさんになってパシられるとは思いもしなかったよ。」
「日頃から姉さんにパシられてるのにね。」
「あぁ、そうだね。パシリと言うより怠惰女だね、宙は。そんなことより、酔っ払い共は?」
「あっち。」
そう言って、俺が指差した方に全員の視線が集まる。
先ほどより明らかに増えたビールの缶は双子ABの手によって、タワーのように積み上げられていた。
それを見て、姉さんは腹を抱えて笑っていた。怖い。
そして、父上殿は周りの事象全てを無視して吐いていた。そりゃぁ、もう豪快に吐いていた。
そんなに出るものあるかと言うほど吐いていた。
時々、双子ABにアルコール類を流し込まれたりしているから、嘔吐は止まることが無い。
かわいそうな父上殿。もう、嘔吐も見慣れてしまったよ。
「さ、さて、回収しようか。」
そう言うと、姉さん達を避けるように遠回りをして、父上殿の方へ向かった。
俺達もゾロゾロと誠司さんの後をついて行った。きっちりと姉さん達を避けて。
誠司さんは父上殿の背中をさすって、優しく話し始めた。
「修一くん帰ろう?帰ってお蕎麦でも食べに行こう?」
「や、誠司さん、今物食べたら吐くだけでしょ。」
「う゛-・・・誠司くんがいるよー・・・」
顔を上げた父上殿の顔色は見事なまでに真っ青だった。
「大丈夫かい、修一くん?」
「吐くー吐くー気持ち悪いー気持ち悪いーチクショー万里ー杏里ー宙ー。」
「ダメだね、帰ろう。空くん、なんかキレイな袋持ってきて。」
「あー、誠司だー。アハハハハハー、何でいんの~?」
「あ、かわいそうな誠司君だ!」
「変な女に捕まったかわいそうな誠司君だ!」
「・・・・宙と杏里と万里はここで待っててください。多分迎えにきます。あと、かわいそうって言うのやめなさい。そんなこと6年前からわかってる。」
「出会った当初から!?」
「さーて、帰ろうか。」
うちの姉とその彼氏はとてつもなく仲がいいが、時々彼氏はあきらめたような顔をする。
誠司さん、申しわけなくなるからヤメテ。
で、その後が大変だったわけで。
車に9人も乗るわけがなくて・・・
まず、当たり前だけど運転席に誠司さん。
助手席にはまだこの中では小柄な方な、光貴、陽貴を詰め込んで、後ろの席にチャラ男、エロメガネ、エセ人間、アホ兄を詰めて、荷物乗せるとこに1番小柄な俺と父上殿。
捕まるね☆
運転中、誠司さんはずっとバックミラーを気にしてた(笑)
とりあえず、父上殿以外をうちの家の前で降ろして、誠司さんは行ってしまった。
1時間後に双丘家の車に姉さん、杏里、万里を乗せて、げっそりとした誠司さんが戻ってきた。
全くもって御苦労様です。
そしてすぐに歩いて駅まで行ってしまった。
父上殿の車をとりに行くそうだ。
とりあえず、父上殿に別れを告げて、家に戻った。
光貴、陽貴、ジョンは既に電車で家に帰っていて、残ったのは4人。
空は自分の部屋に戻って、寝始めた。多分、9時ぐらいまで起きてこないだろう。
今日は、父さんは仕事で遅くなるらしい。母さんは友達と焼肉。姉さんは何をとち狂ったか、隣の杏里、万里の家に酒盛りに行ってる。空は睡眠中。昇は中学の連中とファミレス。
と言うわけで、俺は家の鍵を閉めて、裏の新平の家に。亮介も一緒に。
新平の家は母子家庭で、その上、母親が女医さんで忙しく、家にいることが少ない。
弟(浩平)と妹がいて、自動的に新平は家事上手になった。
だーかーらー。
「新平ー、麻婆豆腐食いてー。」
「俺、エビチリー。」
「お前ら手伝えよ。」
「新平は料理上手ねー。」
「そうだねー。」
「最ちゃん、お前もできるだろ。」
「梶原家で生きてくためには必要な技術ですー。」
「当番制だからなー。」
「じゃ、俺は妹ちゃんと遊んでくるぜ。」
「ヘイヘイ、かまってあげて。」
その後、佐川家長女とPS2の格ゲーして、50%が佐川家じゃない佐川家の食卓囲って、食後はソファーで一休み。
10時頃に家に戻ると、空と昇がカップラーメン食いながら、テレビ見てた。
風呂の湯沸かして、入って、自室で爆睡。
春休み最終日としてはどうかと思うが・・・
夜中、何かおかしいと思って起きると、むぁ~っと酒臭さが・・・・
隣を見ると、万里が完全な酔っ払い状態で寝ていた。
夜中に始まる大乱闘☆
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
もう、季節感をまる無視で行こうと思いマシタ。
間に合わない・・・・
こっから季節通りに行きませんから。
色々したいことありますし、出したい人ありますし。
時間かかりすぎて、途中で何をしてるかわからなくなりマシタ。
1番楽しかったのは、宙、杏里、万里、修一(父上殿)が酔ってるとこ。
なんかもう、修ちゃんがかわいそすぎて・・・(笑
笑い上戸に絡み酒にゲロ吐きですからねー。
ってか、修ちゃん初登場時に甘酒飲んでますね。
軽いのは大丈夫ってことで。
佐川家は結構複雑なカンジに。
お母さんはバリバリ仕事なさってます。
故に新平は家事のスペシャリストですよ。
あぁ、また書きたいこと増えた。
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