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2009.07.03
XML
カテゴリ: 読んだ本
2006年11月 角川書店より

桜宮シリーズの第4弾。「ナイチンゲールの沈黙」の少し後の話になります。

舞台は医療法人碧翠院桜宮病院。
「ナイチンゲール~」で白鳥が次に戦う相手はここ、とほのめかしていた病院です。

主役となるのは、天馬大吉。
26歳、留年を繰り返して現在3年生の東城大学医学部の落ちこぼれ医学生。
新聞社に勤める幼なじみの葉子の依頼で、桜宮病院の内実を調査するために
医療ボランティアとして潜入する、というところから始まります。
1週間のボランティアの筈だった天馬ですが、あることがキッカケでケガをし、

病院内の深く暗い謎に関わっていきます。
そこへ白鳥と、部下の姫宮も加わって、偉大にして老獪な桜宮巌雄(いわお)院長との戦いが
繰り広げられていく・・・という話です。


今回の作者がテーマとしていることは、死亡時医学検索と終末医療。
死亡時医学検索というのは、死亡に際してその死因を解剖などにより入念に調査し、
そこに事件性や不審な点がないかをチェックするものだそうです。
あまり馴染みのない単語ですが、これについては桜宮病院の巌雄院長が分かりやすく
説明してくれているので以下に抜粋。

 死亡時医学検索は、医療の司法にあたる。どこの世界に、裁判官に金を稼げ、
 警察官が利益をあげろ、と命じる社会がある?
 そんな根本原則を考えようとしないから、この国の医療は崩壊してしまうんだ。
 死亡時医学検索は医学の基本だ。基本をなおざりにするものは、必ず滅びる。
 そして、死亡時医学検索は、医療における警察の役割を果たす。
 そこの金を拠出しない国家とは警察に金を出さない国家に等しい。


終末医療は、回復の見込みのない病人や老人などを対象とする医療です。
こちらも、巌雄院長の言葉から。

 医療行政が終末患者の切り捨てに舵を切ったんだ。
 官僚の方針に従えば、終末医療は成立しない。
 人々が野垂れ死にすることを前提とするような医療は、医療とは呼べない。



『日本の医療制度は、医学経済効率化という名目で、不採算部門を切り捨てようとしている。
 その筆頭となる終末医療と死亡時医学検索(更には、前作における救急医療と産婦人科・
 小児科医療も加えて)を切り捨ててしまっていいのか』
というもの。

深刻な問題です。

老いて病気になったら、もうどうにもならないよなあ、と思いますからねえ。
年金制度もガタガタ、国家の医療制度は助けてくれない。
かなりダークな気持ちになりながら読みました。
海堂尊氏の話って、フィクション部分が面白いのですいすい読めてしまいますけど、
毎回、日本の未来を深刻に憂えているのが伝わってくるので、時々怖いです。

これ以上はネタバレになりますので、詳細は以下に。
伏せておきますので、興味のある方だけ反転して読んでください。



それ自体が怖いと思ったのではなく、その一部の思想に共感した自分が怖かったです。
私、安楽死を認めてもらいたい派なんですよ。
上でも書きましたが、老後にもう生活できるだけの経済力がなくなって、後は飢えてみじめに
死ぬのを待つだけ、という状態は恐怖だし、誰だってイヤなわけですよ。
そうならないために、国家の福祉政策の1つとして年金があるわけですが、自分の老後に
年金制度が問題なく持続している、と考えるおめでたい人は40代以下にはいませんよね。
もしかしたら、50代にもいないのかな?
で、その時がきて、もし桜宮病院が存在していたら、私は行っちゃうと思うんですよね。
そういったデス・コントロールが非人道的だ、と非難する資格は、国民を守らない国家には
ないんじゃないかと思っちゃう。
一応、理性もあるし、現在の生活でそこまで追い詰められているわけではなので、
そういうマイナスな発想はいけないものだとわかっていますが、でも共感はしてしまった。
日頃そっと奧の方にしまってある感情が揺さぶられたので(久々に寝た子を起こしたって感じ)
ちょっと不安感が強くなって、怖かったです。

でも、自殺志願者を集めてきてデス・コントロールを、っていうのはいただけない。
碧翠院で必要とされる実感をを味あわせ、生きる希望を与えておいて、約束だから死ねって
いうのは、どうなのよ?

すみれが、天馬が知らずに他人を傷つけていたという理由で天馬を非難したのも、
納得いかないですよね。
葵の自殺は立花の通り魔事件のせい、立花がグレたのは家庭が崩壊したせい、
家庭崩壊は立花の父親が天馬にだけ保険金を残して死んだせい。
「だから、葵の自殺は天馬のせい」というのは変でしょう。
そうやって恨む先を探したいのなら、とことん遡ればいい。
天馬に保険金を残して立花が死んだのは、立花が事故で天馬の両親を死なせたせい。
立花が事故を起こした理由は書かれてないけど、それもどんどん遡ろうと思えば遡れる。
恨みが天馬に向いたのは、天馬がそこで不幸にならず、のんきに生きていたからだけで、
ただの逆恨みというか、自分の悲しみの捌け口にしかしていないよねえ。
天馬だって、幼くして両親を亡くして、グレたり道を踏み外す可能性はあった。
でも、しなかった。
それは天馬がそういう生き方を選んだから。
すみれの非難に対して、猛烈な反発心を天馬に抱かせておいて、その上ですみれを受け入れようと
させるあたり、作者の人間性を感じました。
こういうところ、キャラの描き方にすごく魅力を感じます。

私は今までに読んだ海道ワールドのキャラの中で、白鳥が一番好きなんですが、今回理由が
わかりました。
日本は今、司法・行政・立法どこをとってみてもダメダメな状態になっちゃっているわけですが、
白鳥は厚生労働省という行政の代表でありながら、異端であり、巌雄院長などの思想にも
敬意を払い、共感を覚えている。
異端であるということは、現状を良くないものとして認識し、意義を唱えているということで、
つまりは行政を内部から変えようとしている力の象徴だったわけです。
読んでいる途中でそれに気付いたので、最後の巌雄院長の
「それはヌシが光りの申し子だからだ。普通、人間は薄暗がりで息を潜めている。
 ヌシの強烈な光りはヤツらに痛みを引き起こす。その彼らは光を敵と誤認し、
 激しく攻撃するようになる」
という忠告がすごくすっきりとハマった感じでした。
うーん、ガンバレ白鳥。
光が墜ちるところは見たくないから。

今回登場のキャラで魅力と言えば、美智・トク・加代の三婆トリオですね。
強烈だったけど、可愛い人達だった。
トクの最期はつらかったなあ。

ラストはホラー映画みたいでしたね。
「本当に、詰めが甘いんだから」って・・・・・ギャー、生き延びたのは小百合の方かっ!!
父である巌雄院長、妹のすみれの双方の思惑を裏切って、一番怖いヒトがフリーになったー!!
しかも、そのことを白鳥始め全員が知らないんですよ。
うひゃー、今後も恐ろしい展開が続くのかしら。

海道先生、いろいろな意味でお手柔らかに。
私にとって、この桜宮シリーズを読むのって、福井晴敏を読むのと同じくらいしんどい。
『ダメ』の認識って痛いんだよね・・・・。


螺鈿迷宮(上)






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Last updated  2009.07.03 17:18:19
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