小さなかえるの大冒険

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フグ目フグ亜目マンボウ科



形態

マンボウ属MolaのマンボウM.molaの仔稚魚
ヤリマンボウ属MasturusのヤリマンボウM.lanceolatusの卵と仔稚魚
クサビフグ属RanzaniaのクサビフグR.laevis卵発生と仔稚魚について知られている。
両種の卵は球形の多油球分離浮遊性卵で卵径は
クサビフグが1.42~1.65mm、ヤリマンボウが約1.80mm
油球数は
クサビフグで0.05~0.16mmの黄色を帯びた油球が20~30個
ヤリマンボウでは多数(約40個)の小油球があり、
両種は卵径と油球で区別できる。
卵発生が知られているのはクサビフグだけであるが、卵発生上の顕著な特徴は
発生後期に頭胴部と卵黄を包む皮嚢が形成されることであり、口、鰓孔、胸鰭が出現し、
胸鰭には鰭条原基がある。胚体の頭胴部と卵黄上に黒色素胞が濃く出現するが、
尾部と皮嚢上には出現しない。
ヤリマンボウの卵発生は知られていないが、仔魚が皮嚢を被っていることから
発生中に皮嚢が出現することが推測される。
クサビフグの孵化仔魚は頭胴部と卵黄に皮嚢を被っているが、尾部は
皮嚢から露出して長く、仔魚膜鰭がある。
これらの2種の皮嚢は体棘の原基が出現する時期に消失する。
マンボウ科では3種ともに仔魚後期の早い時期に鋸歯縁のあるピラミッド形の体棘が
出現し魚体は金平糖状を呈する。
クサビフグでは鋸歯縁のある体棘が変態することなく仔魚後期末までに萎縮するが、
マンボウとヤリマンボウでは鋸歯縁のない単頭の太短い体棘に変態する。
ヤリマンボウでは体棘の変態中に著しく細長い(体長にほぼ等しい)棘を
持つ時期を経由するが、マンボウには細長い棘の時期があるかどうかは
今までのところ明らかにされていない。
体棘の出現部位と数とは棘の変態とはかかわりなく魚種によって一定している。
特に腹中腺棘はマンボウとヤリマンボウは3本、クサビフグは2本で
分類形質として利用できる。
3種とも仔魚後期の初期には仔魚膜鰭のある通常の尾鰭があるが、
尾鰭条は出現せず脊索後端の上屈も起こらないままで尾柄部は萎縮消失し、
尾部後端は載形になる。しかしヤリマンボウでは脊索の後端が小瘤状の突出物として残り、
この部分に伸長鰭条が出現する。
マンボウ類では背、臀、尾鰭の鰭条の境界を外部から見分けることはむずかしいが、
軟X線写真や透明染色法によると尾鰭鰭条は
マンボウ15、ヤリマンボウ23(うち伸長鰭条6)、少なくとも20以上、
クサビフグ19~20で、D+C+Aの鰭条総数とともに分類形質として用いられる。
脊椎骨数はマンボウ8+9=17、ヤリマンボウ8+8=16、クサビフグ8+10=18である。

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