小さなかえるの大冒険

小さなかえるの大冒険

マンボウ


Mola Mola (Linnaeus)
D 18; A 16; C 15; V 8+9=17

形態

卵、卵発生および仔魚前期については知られていない。
全長(以下略)1.42mmの仔魚の頭胴部は球形で皮嚢を被るが尾部は皮嚢から露出し、
12筋節が数えられ、仔魚膜鰭がある。露出部は全長の約55%である。
胸鰭に鰭条がある。頭胴部の背中線に3棘、眼上部に2棘があり、
腹中線上に2~3個の瘤状突起がある。
1.84mmの仔魚の頭胴部は皮嚢を被り、尾部は長く、17筋節が数えられる。
胸鰭は大きく8鰭条がある。背中線に3棘、眼上背側線に4本のピラミッド形の体棘がある。
5mmの仔魚は球形で魚体後端は載形の上下に体軸に直角に背・臀鰭が対在する。
背・臀・胸鰭は大きく鰭条がある。魚体上には眼径よりも短く太い体棘が
背中線に4本、腹中線に3、眼上背側線に4、眼下腹側線に4本、
胸鰭の下方に2~3個があって魚体は金平糖状を呈する。
体棘の出現部位と数は本種仔魚でほぼ一定している。15mmの仔魚は則偏し体高が
全長の約1.2倍の楕円形の板状で、体棘の位置と数には変化はないが
相対的な大きさは減少している。
截形の尾部後端に鰭条が生じ幅狭いClavasの原基が形成されている。
19.5mmの仔魚は体高の高い楕円形板状で腹部下面は膨出し始め、腹中線の3棘の間に
骨質の小棘が多数連続して出現している。
約59mmの仔魚は体高が高い楕円の板状で腹部が著しく下方に膨出し、
体棘は萎縮し痕跡的になり、Clavasは三か月形に発達している。
この固体の背鰭、Clavas、臀鰭の総鰭条数は53(19+17+17)である。
36.6mmの稚魚は腹部は膨出せず成魚と同じ体形になっている。

類似種との識別

(1)仔魚はピラミッド形の鋸歯縁のある体棘をもつ時期を経由して単頭の体棘をもつ時期に
   変態するが、その中間に著しく細長い体棘がある時期があるか否かは不明である。
(2)腹中線棘は3本である。
(3)尾鰭中央部鰭条が延長することはない。
   ※(1)と(2)によってクサビフグRan-zania laevisと
   ※(3)によってヤリマンボウMastu‐rus lanceolatusと識別できる。

分布

成魚は北海道以南、世界の温熱帯海域に分布する。
幼稚魚はマグロ類他の大型の大洋遊泳魚の胃内容物または吐出物として発見される。
   (藤田矢郎)(文献:523)

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