小さなかえるの大冒険

小さなかえるの大冒険

ヤリマンボウ


Masturus lanceolatus (Liennard)
D 20; A 19; C 23(7+6+10); V 8+8=16

形態

全長(以下略)2.80mmの仔魚は鋸歯縁のあるピラミッド形の体棘があり金平糖状を呈する。
棘は背中線に4、腹中線に3、眼上背側線に4、眼下腹側線に4本、胸鰭の下方に
小棘が数本ある。背鰭9、臀鰭8、胸鰭7条が数えられ、仔魚膜鰭をともなう通常の
尾鰭があるが鰭条はない。
5.5mmの仔魚ではピラミッド形の棘は消失し、円板状の基底盤をともなう単頭の棘に
かわっているが出現位置、数については変化はない。
棘のうち、背中線棘2本、腹中線棘1本、眼下腹側線棘1対の計5本は著しく細長く体長よりも長い。
尾部後端は截形で膜鰭状の尾鰭はみられず後端中央に脊索後端が瘤状の小突起として
認められる。
約10mmの仔魚では細長い体棘は消失しすべて太短い棘にかわっているが出現位置、
数については変化はない。魚体は則偏し体高が体長より長い楕円形板状で截形の
尾部後端の中央に脊索後端は瘤状に突出する。背・尾・臀鰭の鰭条は連続するが、
尾鰭中央の突出物上の5条は長く尾鰭17(5+5+7)、背鰭17、臀鰭15の計59鰭条が
数えられる。
17.4mm時期以後尾部後端の突出物は消失し尾端は完全に截形になる。
全長25.0mm、体長22.5mmの仔魚の背部外郭はほぼ半月形で、腹部外郭は腹中線上の
3棘を頂点とした正八角形の下半分のような形をしている。
体棘はすべて萎縮しているが部位、数はかわらない。
尾鰭中央の6条は糸状に延長し、背鰭19、尾鰭23(7+6+10)、臀鰭18の計60条である。
体長34mmの仔魚では尾鰭の伸長鰭条は短縮し、中央の4条がやや長く鈎形に下方に
曲がっている。
背鰭17、尾鰭19、臀鰭19の計56条がある。
体長47.5mmの仔魚は体高が体長の約3/4の短形で腹中線の全面に新たに骨質の小棘が
出現し竜骨を形成している。
背・尾・臀鰭の鰭条総計は58条で中央の3条が延長している。
体長77.5mm、全長163mmの稚魚は体高/体長比約2/3の短形で体形は成魚に近い。
背鰭19、尾鰭23、臀鰭18の計60条で中央の6条が長くのびている。

類似種との識別

(1)仔魚はピラミッド体棘期から体長に等しい細長い体棘期を経過して太短い体棘に変態する。
(2)腹中線棘が3本である。
(3)尾鰭中央に延長鰭条があり、尾鰭条は20以上である。
(4)稚魚期以降体形はほぼ短形である。

分布

成魚は日本海、伊豆諸島、世界の温熱帯海域。卵仔魚はサルガッソー海から多数採集されている。
   (藤田矢郎)(文献:285,523,1104)

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