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くーる31 @ 無料ｵﾝﾗｲﾝｹﾞｰﾑ罪と罰++ http://tumito.com/

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2010.06.30

諸星大二郎

【Introduction】

・古史古代に題材をとった作品が多く、三国志が好きになれない私としては敬遠しがち

な作風のはずだった。壁男など、現代に題材をとった作品もあり、私はそちらから読み

始めた。エンターテインメント作品のようにパラパラとページをめくっていけるものでは

なく、1ページ、1ページじっくりと読んでいかなければならない。そういうのって結構

根気がいるものだし、内容が学校の教科書のように堅苦しいものだったら、前述した

ように興味のある分野ではないし、投げ出していただろう。結果から言うと、現代風のもの、

古代に材をとったものに関わらず、はまってしまった。エンターテインメント作品のように

ぐいぐいと読み手を引っ張るタイプではないし、可愛らしいキャラクターも登場しなければ、

はいりこんでしまう。何なんだ。一体ここには何があるんだ。と考えてみた。まず、この

手塚治虫をして『僕は諸星さんの絵だけは描けない』と言わしめた独特な絵が何ともいえ

ず魅力的だということに気づく。何というか、絵の人間味が豊かなのだ。そして最も特筆

すべきはその物語力にあるだろう。完成された物語は一つの宇宙である、とかそんな大袈裟

な表現がマッチしてしまう完成度がそこにはある。と、最大の賛辞をしたところで、一歩

引いてみると、ちょっと人を選ぶかなと思う。この物語世界に入り込めない人はきっと

二度と諸星大二郎を手にしないだろうと思うし、今までもこれからもベストセラーには

ならないだろうと。そういう意味で人を惹きつけない作風だと言える。だけど、本当に

いいものって少しずつだけど、ずっと売れ続けるものじゃないかなと、ちょっと褒めすぎ。