仙台市のワクワク系住宅専門店経営者の「でいりーれぽーと」

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まとめ



今回、新潟県中越沖地震を切っ掛けとして
12年前の阪神淡路大震災における復旧支援作業の事を
振り返って見ることとなりました。

振り返ってみると、
昨日の事のように思い出されてくる事が
次から次へと出てくるものです。

いつの間にか忘れ去っていたのに、
人間の記憶の不思議さがありました。

復旧支援作業に従事した11日間は長かったようですが
あっという間の出来事でありました。


一緒に行ってくれた職人の松原さんは
嫌なそぶりを一切見せずに、
黙々と頑張ってくれました。
往復の運転も
何度も
『変わろう?』
と言いましたが
『大丈夫です!』
と終始運転し続けていました。
彼は自衛隊出身なので、
鍛え上げられていたのだと思います。
長距離の運転や
現地での生活環境などにも苦もなく順応出来ていました。
残念ながら数年前に退職してしまい、
現在は他の仕事をしているらしいのですが、
彼には本当に感謝であります。

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(右側、松原さん。左側、筆者。後、作業車)  



現地の神戸市では沢山の被災者にお会いしました。
厳しい言葉を頂戴してやるせない気持ちにもなったし、
暖かい言葉を頂戴してもっとがんばろうという気持ちにもなったし、
人との出会いが全てだったような気がします。

様々な人間模様を短期間に体験いたしました。


地元の水道工事店や建築業者さん達はもの凄く忙しいらしくて、
工事費も高騰していると耳に入ってきました。
大工さんの日当が一日3万円とか4万円とうなぎ登りに上がっていると
いう話まで飛び交っていました。
”震災特需”だなんて言葉も聞いたりして、
そのような噂を耳にする度に
うちは経営状況も厳しくて、
かき入れ時のこの時期に必死の思いで来ているのに、
地元の業者が
被災者の足元を見た商売しているなんて
いったい何を考えているんだ!
と憤りを感じたりしました。
(すべてはうわさ話で事実関係は分かりません!)


今、振り返ってみると
そんなうわさ話で、
あれやこれやと思いを廻らしている
自分自身が傲慢であった事に気づきます。

根底にあるのは
自分だけが損をしているのではないか
という所からきている考えだったからです。

現地で自分がやれた事というと
44件へ訪問し
内26件で水を使えるように出来たことだけです。

どんなに技術があっても
二人でがんばって
やっと26世帯の被災者の方々に役立てただけです。

それだけなのに自分はとっても凄い事をやって来たように
思っていました。

事実は全国から集まった多くの技術者達の努力によって
神戸市を初めとして周辺の被災地の
ライフラインの復旧が行われたということであります。

1人の力では難しいことを
沢山の人の力を集結して成し遂げたということです。

数年後に訪れた神戸の街は
震災が有ったなんて感じさせない風景となっており、
人の力の凄さを感じさせてもらいました。



被災地へ行って復旧支援作業を実際に体験したことは
当時も
そして
今も自分にいろいろな気づき、
学びをくれています。

あきらめず、
前に進もうという勇気、決断があれば
確実に前に一歩踏み出すんだと教えられました。


すべてが貴重な体験でありました。

目に焼き付いている
長田区の鷹取駅前の延焼地域の風景は
ずっと忘れないと思います。

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(鷹取駅前延焼地域)

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(鷹取駅前延焼地域)

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(アパートの1階が倒れかかっている)

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(商店街アーケード)

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(1階が倒壊し、2階部分が歩道までせり出している)

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(1階部分が完全に倒壊)



このような体験があって
当社では
無料、有料の耐震診断
耐震補強工事を行うようになりました。

耐震診断や耐震補強工事は
普通のリフォーム工事と違って
お客様の満足度は決して高くなく、
感謝されることも少ない事です。

詳しいことを述べると長くなるので
ここで止めておきますが、
耐震診断はされても
耐震補強工事をされないというケースが
実際には多く、
これは当社だけに限らず
日本全国の自治体でも見られているようです。

先の新潟県中越沖地震でも
耐震補強がまったく進んでいなかった事が
報道されておりました。

お客様から言われる言葉に
必要なのは分かるけど
お金をそこまでかけるのはね・・・
何かの時に貯金を使うのは・・・
宮城県沖地震が来るとは言っても
いつくるか分からないんでしょ・・・
どうせ、老い先短いし・・・

などがよく聞かれます。

お金が無くて断念される方も
いらっしゃいますが、
すべてがそうではないのが現状です。

政治によって
思い切った対策をとってもらうことが
出来ないのだろうかと感じるところです。

地震が起きてからの対応も重要ですが、
起きる以前の対策にもっと力を入れる必要があることは
周知の事実なのですが、
中々動かないようです。

自分としては何もしないよりは
これまでとおり
微力でも何かをすることだと考えています。

昨年(平成18年)、応急危険度判定士の講座を受講して
宮城県へ登録いたしました。
応急危険度判定士とはボランティアで災害を受けた
建物の危険度を判定する作業を行うものです。

要請があった時には
何とかお役立ちしたいと思います。

最後に、
阪神淡路大震災で被災された方々
新潟県中越沖地震で被災された方々
その他災害にて被災された方々に
お見舞いを申し上げて終わりとさせていただきます。

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