2002年05月01日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
S多君とM也君は、このアナウンスを聞くともうじっとしていられない様子だった。イルカのショーはアクアシアターで行われるので、2階に下りて建物の外に出なければならない。屋外といっても屋根だけはあり、雨が降っても大丈夫なように設計されている。しかし、そのときは雨に加えて強烈な風が吹いていた。横殴りの雨が関門海峡から連続したカーテンのように襲ってきて、傘をさしていようがいまいがずぶ濡れになってしまう状況だった。

集まった観客も少しでも濡れない場所を探してウロウロしている。ぐるっと見回すと3階のベランダにM也君の頭より少し低いコンクリート製のフェンスがあった。このフェンスの後ろなら少なくとも下半身は濡れなくて済みそうだと、そこへ移動する。他の人たちもどんどんそっちへ移動してきて、3階のベランダが大混雑になった。それでも風雨に晒された本当の観客席に陣取っている元気な人たちも数名いる。

こんな風雨の中で果たしてショーができるのだろうかと心配していたのだが、時間どおり始まった。インストラクターのお兄さんやお姉さんはしっかり合羽を着ているし、イルカはもともと海の中に住んでいるのだから雨も風も関係ないわけだ。人間様の都合しか考えていなかった自分が可笑しかった。

インストラクターのお姉さんの解説は、この場所では音が割れてほとんど何を言っているのか解らない。登場したのは3匹のイルカで、尻尾を使った水面立ち泳ぎ、プールの外へ出てお昼寝、輪くぐり、ロープ越えジャンプなどを上手にこなしていく。一番圧巻だったのは3匹揃っての連続空中ジャンプだった。よくここまで訓練できたものだ。インストラクターは腰にイルカの餌の小魚の入った容器を3つも装着していて、芸をこなすたびに2~3匹ずつご褒美として与えている。ショーの終わり頃にはその魚が全部なくなって、助手のインストラクターが後ろから補充していた。

ショーの後で2階の展示室へ入ると、サンゴ礁や水生哺乳類や下関の伝説の生き物のコーナーだった。熱帯魚は本当にカラフルで美しい。アザラシはごろ~んと横になったまま全く動かない。中でもtetywestがぜひ実物を見たかったのは平家蟹だった。平家の怨念が壇の浦の蟹の背中に焼き付いたと言われる平家蟹は、甲羅のあたりに無念そうな武者の顔のような模様が浮き出ているのだそうだ。水槽の上の写真を見るといかにも恐い顔をしている。しかし残念なことに、実物の蟹はどれも貝の殻の下に隠れていて足だけしか見えなかった。平家の落ち武者が源氏の追求を逃れて人里離れた山奥に隠れ住んだように、平家蟹も人目を憚る習性を持っているらしい。また、ものの本によると平家蟹には毒があって食べられないのだそうだ。そう考えると、ただの偶然で武者の顔のような甲羅模様の平家蟹が存在しているとは思えなくなってくる。お~恐・・・・






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2002年05月04日 00時44分46秒
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

鶴亀彰@ Re:50年前のビデオ(2)(08/08) 突然のメールで失礼致します。私はカリフ…

バックナンバー

2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: