2002年07月21日
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テーマ: 京都。(6221)
カテゴリ: カテゴリ未分類
「セットの中では、どんな時間も天候も作り出すことが出来ます。たとえば夕方のシーンは、は~い」と監督が後ろを振り返ると、照明が暗くなり背景の町並がオレンジ色の夕焼けに浮かび上がる。「カァ~、カァ~」とカラスの鳴き声も・・・

「次は夜です。は~い」・・・照明がもっと暗くなり、背景には三日月と星。町並みには明かりが灯って、「ゴ~ン」とお寺の鐘が鳴る。

「雨だって、降らせることが出来ますよ。は~い」・・・井戸の後ろにある池に天井からシャワーの雨が降り注ぐ。「ピカッ・・・ゴロゴロゴロ」・・・今度は雷のサービス付き。

「風を吹かせるには、この扇風機を使います」・・・泥棒役が大型扇風機を運んできて武士役の前に置く。「でも、これでは風が吹いているのがわかりません。そこで」・・・泥棒役がザルから木の葉を扇風機の前に飛ばす。会場のあちこちにあるモニターで見ると、アップになった武士役の顔の辺りに木の葉が舞い飛び、いかにも風の中に立っている雰囲気。

「もっと強い風の時も、ちょっとした工夫で大丈夫」・・・泥棒、武士に向かって木の葉を力一杯投げつける。顔に当たって怒る武士。ここで、会場からは笑いが起こる。

「さて、それでは今から実際に撮影現場を再現しながら『うそ』がどんなところで使われているかを見ていただきましょう。役者さんは、私の言う通りにやってください。じゃ、説明しますよ。」

「まず、武士役のあなた・・・倉の前で警備をしている。そこに遠くから女性の『助けて~っ』という悲鳴が聞こえる。塀の外を通って下手に助けに行く」・・・武士、その通り演技をして下手に去る。

「そこで、泥棒が登場する」・・・泥棒バク転をしながら派手に登場。「ちょっと!今回の主役は武士なんだから、アナタはそんなに目立たない。こそこそっと登場する。そして倉の錠前を外そうとするが開かない。そのうち、武士が女性を助けて帰ってくる気配がする。アナタは屋敷の2階へ隠れる」・・・泥棒、最初からやり直す。

「武士、倉の前に戻り大きくあくびをする。その時2階から泥棒が弓で武士を狙う。その矢は倉の柱に刺さる。しかし皆さん、実際はそう簡単に柱に命中はしません。ですからこのようにあらかじめピアノ線が張ってあるんです。」・・・観客からも十分見えるかなり太めのピアノ線が、2階から倉の入り口に張られている。



「泥棒は2階から落ちる。格闘になる。武士、上段から切りかかる。泥棒避ける。泥棒匕首を出す。武士、横に払う。泥棒井戸に飛び乗ってかわす。武士ズバッと泥棒を切る。泥棒、井戸の中に落ちる」・・・・ここは殺陣なので、監督の言われた通り動く2人。リハーサルなので泥棒は井戸には落ちない。

「さあ、では『本番』行って見よう!」の監督の掛け声で、撮影が始まった。(あくまでも、そういう設定)






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最終更新日  2002年07月21日 12時12分41秒
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