気まぐれ風の旅人が
彼の話はあまり出歩けない少女にとってすごく楽しみ
今日はここよりも大きな湖で
人達が笑いさざめいていたそう
遠く遠く
一生懸命漕いで
人の力でどこまで飛べるかと競っていました。
10㎞、20㎞
どこまでもどこまでも風を頼りに飛んでいる
どこまでもどこまでも風の道を掴んで飛んだ人
大きな大きな橋を
アニメの紅の豚のように潜り抜けたかったようだけれど
ルールで断念した顔が少年のようだったと
空を飛ぶ
風の旅人のように風を読み
風を掴んで飛んだ人
空を飛ぶってどんな感じだろう
葉っぱの影より覗く青い空
太陽眩しく
きらりと光った空に向かって
少女は手を差し伸べる
空気を纏い
空気に踊り
風を起こして旅人はまた旅立つ
少女に新しい物語を聞かせてあげると
約束して