ネジバナの話題で何度か記事を書いてきましたが、
ネジバナは基本的に初夏の花で、その生活環の
中では真夏に休眠するために地上から一旦姿が
消えてしまいます。
北海道のるる555さんの記事を見せていただいた
ことで、寒地のネジバナの開花期が8月の真夏で
あることを知ることができたのは新たな発見になり
ました。
寒地の事例は例外ではありますが、暖地の
ネジバナの中には通常の初夏の開花期以外に
9月に開花する個体も存在します。
私も今までに数個体の秋咲きネジバナを確認して
きましたが、まとめて秋咲きの個体を確認できた
ことはありませんでしたので、ただ花が咲いている
のを確認するだけに留まっていました。
昨年秋咲き個体からタネを採取して実生を試み
ましたが、通常種の実生と混ざってしまったようで、
その生活環を知る作業はご破算となってしまい
ました。
ところが、先週の日曜日の9日、秋咲きネジバナの
小群落に出会うことになり、「秋咲き」という性質が
どうやら遺伝しているらしいことが分かりました。
残念なことにその時点でカメラが修理中で手元に
あったのが旧式カメラ。20個体くらいの小群落を
うまく再現できる写真にはなりそうもなかったもの
ですから撮影はしませんでした。
改めて修理後のカメラを手に1週間後の土曜日の
13日に再び訪れると、開花個体も随分と減って
しまい、ネジバナを写しただけの写真となって
しまいました。
背景に秋らしさでも写しこめれば良かったのです
が、写せる範囲にはそのようなものが存在しま
せんでした。
ちなみに、背景の緑色のものはビニール製の
ネットで、削り取った斜面の土が流失しないように
貼り付けたものです。
じつは3年前、この場所は工事でかく乱にあった
場所でして、一度無理矢理リセットされた大地が
その歳月を経る中で、逞しい生命力のネジバナは
いち早くその版図を広げられたようです。
奇しくも、そのネジバナが秋咲きの性質を有して
いたわけで、通常ではあまりまとまって見られない
秋咲きネジバナが同じ地域で多数見ることが
できたようなのです。
そこでもっけの幸いと勝手に判断し、ひと株だけ
頂戴してしまいました。
自然のままでは通常種のネジバナと区別が
つかず、秋咲きネジバナの生活環を観察するのが
難しいため、鉢植えにして観察させてもらうことに
しました。
以前からその生活環について興味がありました
ので、大事に育てながらネジバナの性質について
調べてみたいと思います。
( 休眠期に当たる8月中に、秋咲きネジバナがどのように過ごしている
のかは謎のまま。少なくとも現在得られる情報の中には無いようです
)
ところで、秋咲きネジバナが開花する時期には
花の姿がよく似た植物も開花期にあり、ネジバナ
探しを困難にさせる嫌な要因にもなっています。
ツルボ
posted by (C)sasama_tea
その花はユリ科のツルボ。
この花自体は秋を感じさせる好きな花なのです
が、秋咲きネジバナを探すときには大きな障害
になります。
その姿が似ているため、百本のツルボの中に
1本のネジバナが咲いていても探すのはかなり
困難な作業になります・・・というより、探したく
ないですね。
あまりにもツルボが密集して咲いているため、
踏み潰しながらネジバナだけを探す作業は
続けられませんし。。。
ツルボとミツバチ
posted by (C)sasama_tea
一斉に花が咲くため、ツルボには蝶や蜂、その他
いろいろな虫がやって来ますので、虫を探すには
格好の待ち伏せ場所かもしれませんね。
この日、私は他の場所にも向かう予定がありました
ので、少し写真撮影をしただけでその場を後にし、
別の場所で様々な虫との出会いを満喫することに
なったのでありました。。。
そのときの話はまた別の機会にて。
なお余談ですが、人のかく乱した場所や新たに整備した公園などで
ネジバナが花を目立たせるようになるまでに要する期間はおよそ
3年程度。
そのことについては以前に書いたことがありますが、覚えていらっしゃ
いますか?
この考え自体は私の推論に過ぎないのですが、今回の秋咲きネジバナ
の一件からもその考え方が間違っていないと確信できました。
その考え方の詳細については、そのうちどこかで書くかもしれませんし、
暇がなくて勝手な妄想で終わるかもしれません(笑)
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