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2009.04.05
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4月5日 J2第6節@味の素スタジアム 7,166人(14%)

東京ヴェルディ 1-3 ベガルタ仙台
【得点者】
前半33分 大黒将志(ヴェルディ)
前半47分 エリゼウ(ベガルタ)
後半19分 中島裕希(ベガルタ)
後半32分 田村直也(ベガルタ)


 どのチームにも、キーパーソンとなる選手が必ず存在する。チーム力とは、えてしてその人数と比例するものでもある。東京ヴェルディにとって不幸だったのは、河野広貴が4月2日のトレーニングで右足の関節を負傷したことだろう。29日の栃木FC戦を観たかぎり、彼こそが現在のヴェルディが抱える唯一のキーパーソン、すなわち「試合を動かせる選手」に思えたからだ。
 一昨年、17歳でトップチームにデビューし、昨季は17試合に出場したドリブラーである。だが、栃木戦の翌日に19歳になったばかりの選手に頼らざるをえないところに、現在のヴェルディの悲劇がある。「頼らざるをえない」とまで言っては、いささか表現が酷かもしれぬ。だがこの日のヴェルディからは、栃木戦の前半で見せたようなスピード感すらも消えていた。つまり、たったひとりの選手が抜けただけで、かなり表情の異なるチームになっていたわけだ。たとえいくつかの駒を失っても、やるべきサッカーの質はほとんど変わらない。たとえば、ガンバ大阪のようなチームだ。これもまた、そのチームの力を測る物差しのひとつとなるだろう。


 悪性のウィルスはチーム全体に感染し、とくにヴェルディのディフェンスは時間を追うごとにボロボロになってゆく。ボールを奪うやいなや前線に向って労を惜しまぬベガルタに釣り出され、あっという間に数的有利を作られてしまうのだ。
 高木琢也監督が、この日のベガルタをこう評した。
 「ベガルタのほうがゴールへの意欲があって、ゴールを守ることにも執着心を見せていました。ベガルタと比べると、ウチは攻撃のアプローチが遅く、スピードも劣ってましたから」
 失点は、誰の目から見ても時間の問題だったわけだ。それだけに、前半33分のヴェルディの先制は意外だった。滝澤邦彦の左サイドからのフリーキックを大黒将志が角度を変えて奪ったものだが、栃木のゴール前にたまたまできたエアポケットがゴールにつながった。栃木のディフェンダーがボールウォッチャーになってしまったのが原因である。

 高木監督が、再び振り返る。
 「残り15分を落ち着いていこうという全員の統一意識があれば、前半のロスタイムに同点にされることはなかったかもしれません」
 ホィッスルの音が響く直前の前半47分、クリアボールを左で拾った関口訓充がゴール前にクロスを上げ、これをエリゼウが頭で決めたものだ。
 五戸時代に「青森にこの兄弟あり」と言われ、80年代初頭の高校選手権で全国を驚かせた手倉森誠監督は、たいそうご満悦の様子だった。なにしろヴァンフォーレ甲府戦に続き、湘南ベルマーレ戦でも1点に泣いたのだ。
 「自分たちの不注意で食らった2連敗の反省を選手たちがよく生かしてくれたと思います。じつは、バルサの試合のビデオを2度見せたんですよ。シンプルにボールをもつというイメージをもたせるためです。今日はヴェルディの背中をうまくとれたし、タフに動けたと思います。この1週間練習してきたことを試合で出せました」
 まず後半19分、右ボランチ・斎藤大介のドリブルが再び関口に渡り、中島裕希が逆転ゴールを奪う。3点目は32分、ヨンギのドリブル突破から中島へ、こぼれ球を左サイドバックの田村直也が決めた。
 じつはこの田村、今季水原三星ブルーウィングスから移籍してきた朴柱成(=パク・ジュンソン)の交替カードだった。ジュンソンが前半終了間際に肉離れで負傷したため、急きょ切られた早めの1枚だ。

 どうしても1点が欲しいヴェルディは25分、194cmの船越優蔵を投入して2トップにフォーメーションを変えた。1点ビハインドになってからは高いフィジカルをもった左ボランチの河村崇大をトップ下に上げ、中盤をダイヤモンド型にもした。だが4-3-3システムで中盤を厚くしたベガルタから支配権を奪うことは最後までできず、4分間のロスタイムもうまく利用されてしまう。「1-3の状況になっても攻撃時のスピードが上がらなかった」と高木監督は言ったが、選手をまとめきれてないようにも見える。選手たちは自分たちに自信を失うとともに、指揮官への信頼も後退させているのではないだろうか。かなり深刻であることだけは間違いない。

【了】





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最終更新日  2009.04.09 16:42:50
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