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2010.04.19
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カテゴリ: Jリーグ観戦記
4月10日 J1第6節@味の素スタジアム 30,672人

FC東京 1-1 鹿島アントラーズ
【得点者】
前半04分 平山相太(東京/PK)
  39分 興梠慎三(アントラーズ)

4月17日 J1第7節@味の素スタジアム 18,350人
FC東京 1-1 京都サンガF.C.
【得点者】
前半11分 角田誠(サンガ)


 試合後、知人の記者が「サンガはフリーの選手の動きが素晴らしい」と絶賛していたが、その後の展開を見ても、FC東京は自分たちのサッカーをまったくやらせてもらえなかった。
 東京は2列目の左右ワイドな位置にスピードスターのナオ(=石川直宏)と、今季アルビレックス新潟から完全移籍した松下年宏を配置することで、前後の動きでポジションを頻繁に入れ替わろうとする。スピードに乗ったワンツーパスなどで縦に抜け出し、ゴールを落とし入れようという意図だ。しかしサンガDF陣に重大な脅威を与えることができたのは「ナオひとり」と断言してもよく、それほどサンガの守備が素晴らしい対応を見せていたということだ。
 知人の同じ記者が、「やっぱり加藤監督と秋田コーチ(=秋田豊)のコンビが生み出した成果なんですかね」と、指導陣の現役時代のポジションから今季のサンガのスタイルを表現したところ、加藤の久ちゃんは「森岡(=森岡隆三)もいますよ」と笑いを誘った。
「でも今年は6試合で11点とられているんです。ちょっと失点が多すぎますよね。今年は攻撃への意識をキャンプで膨らませてきたんですが、新加入の選手たちがウチや、日本のサッカーに馴染んでません。それが失点が多い原因だと思いますね」
 その典型例として、久ちゃんはディフェンダーのチエゴをあげた。彼によれば、開幕のヴィッセル神戸戦と4節のジュビロ磐田戦で、たて続けにミスを犯し、崖っぷちに立ったこの日はベンチからも外されていた。
「日本のスピードにまだ慣れてないんですよ。でも今日はちがう理由もありました。両サイドバックをかなり高い位置まで出したんですが、そのときの攻め残りや、守備の選手の準備が少しおろそかになってました」

 久ちゃんが目指すのは、攻守にバランスのとれたチームだ。その第一段階として、監督に就任した07年から守備に重点を置いたチームを築き上げてきた。4年目を迎えた今年は、「点も奪れるチーム」だ。
「たとえばバルサ(=バルセロナ)の場合、攻撃ばかりが評価されてますが、自分は彼らの守備にいつも感心させられているんです。アーセナルのような高いポゼッションをもったチームに、何もさせませんでしたからね。これは、バルサの守備力がいかに高いかをよく表していると思います。だけど現在のウチは、新しい選手がまだコレクティブにプレーできてないんです」
 4月7日に行なわれたチャンピオンズリーグの準々決勝が、あまりにも強烈だったのだろう。リオネル・メッシが前半だけで4点を奪い、アーセン・ベンゲル率いるアーセナルに4-1で圧勝したのだ。この大一番を観たとき、彼は自分がサンガにもたらせようとしている構想に確信をもったはずだ。しかしこの日の前半、サンガが的確に放ったシュートは角田の1本のみだった。
 久ちゃんの嘆きは止まらない。
「勝点3をとれたゲームだったのに、ひじょうに口惜しいです。攻守にわたって組織的なサッカーもできていたのに、2点目を狙うところでボール処理に慌てたところがありました。だけおウチが狙っている安定感が、ようやくできてきたゲームだったと思います」

 「勝点1」に泣いたのは、東京も同様だ。城福の会見最初の言葉、久ちゃんのそれとほぼ同じだった。
「ペナ(=ペナルティエリア)に入られたのは、前半のあのシーンだけでした。口惜しいです。なにしろ5節(=vs川崎フロンターレ。1-2)と6節で勝点1しかとれてないんですから。倒れて動けなくなった選手が担架にも乗らずにゆっくり歩かれるという、ひじょうに苛立たしい展開にさせてしまったのは、我われにも責任があると思います。サッカーをする時間を少なくさせてしまったのは、我われの問題ですよ」
 ハーフタイムでは、口うるさい東京サポーターからもブーイングを浴びるという情けない前半だった。「サッカーをする時間を少なくさせた」のは、たとえば倒れたディエゴの緩慢な態度だった。ピッチ内に運ばれた担架を拒否し、足を引きずりながら長い時間をかけて退場、にもかかわらず、その直後に戻るやいなや、いきなり蘇ったのである。
 こうしたブラジル人独特のマリーシアな態度が城福の怒りに火をつけ、15分過ぎから一気に3枚のカードを彼に切らせている。アントラーズ戦でGK権田修一が脳震盪を起こしたばかりだ。ここでまたGKに何かトラブルがあれば、フィールドプレーヤーにグローブをはめてもらうしかない。しかし、そんなリスクをも恐れぬ采配が後半28分、重松健太郎にPKを呼び込んだ。相手のミスに乗じてシュート体勢に入った重松を、水本裕貴が倒したのである。

 それでも城福は納得していない。
「どうしても点が欲しくて3人の選手を代えたのに、PKによる1点しかとれませんでした。フィニッシュの2つ、3つ手前のプレーでの精度を上げていく必要がありますね。”惜しかったね””ゴールに近づいたね”ではすまされない問題です」

 城福監督が就任した3年前、オシム流のパスサッカーを東京に持ち込んだ羽生直剛は、指揮官の言う「真の優勝争い」という言葉を真正面から受け止めていた。
「良くも悪くも勝点を積み上げられるチームでなければ、優勝争いには加われません。そう考えれば、リーグ序盤に負け数を増やすわけにはいきません。だからこそ第6節終了時点での2敗という結果には、全く満足してないんです」
 5節のフロンターレ戦で自分なりのボランチ像に悟りを開いたという羽生は、30歳という年齢ながら、現在チームの最年長選手である。オシムの申し子のひとりでもある彼の代表歴は、線香花火のごとしだ。時の流れの速さと、サッカー選手の寿命の短さに想いを馳せずにはおられない。そんな彼の「真の優勝争い」への道は、「逆算型」だった。
 「今シーズンは負けないということを最優先課題で考えてるんです」
 現在のJは18チームあるため、年間を通して計34節でリーグ戦のシーズンオフとなる。たとえば07年に5回目の優勝を遂げたアントラーズは、22勝6敗6分で勝点は「72」だった。同じく勝点を70の大台に乗せたのが、その前年の覇者・浦和レッズの「72」で、22勝6敗6分と、まったく同じ成績を残している。「真の優勝争い」をするためには、すくなくとも、それぞれの年の3位チームを基準とすべきだろう。
 この考え方に従えば、06年のガンバ大阪が20勝8敗6分で「66」、やはり3位だった07年のガンバは19勝9敗7分で「67」だった。つまり現時点で2勝2敗3分で勝点「9」のFC東京は、羽生が思わず漏らせたとおり、まだ満足できる状態ではないというわけである。シーズンはまだ始まったばかりだというのに、逆算すれば、あと5つか6つしか負けられないということになるからだ。


 また一方のサンガは、モンテディオ山形を西京極に迎える。まだ肉眼で確認できていないのだが、建て直し屋の小林伸二監督が山形をうまくまとめ上げていると聞く。3節のレッズ戦をドローに持ち込み、7節で対峙したマリノスは、山形から1点しか奪うことができていない。今回はともにカウンター型のチームの対戦となり、指揮官がどんな采配を執るのか気になるところだ。

【了】





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最終更新日  2010.04.19 20:51:47
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