2006年02月28日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
宮本 美智子  『わたしは英語が大好きだった』 1996 (株)文藝春秋 p.183

宮本はニューヨークに住んでいるのであるが、そのせいかジューイッシュの友人が多い。
で、ジューイッシュの一般的な評価を説明するためのとある小説の一節を引用している。
これがなかなかおかしい。

「Jewish Prince(マザコンのユダヤ男)ってどんな男か分る?簡単に分る方法があるのよ。それはね、『Where’s the butter?(バターはどこ?)』なんて物の言い方をする男なの。だって、バターがどこにあるか位知ってるわよね。
The butter is in the refrigerator. バターは冷蔵庫の中にあるわけ。ところが、あのマザコンと来たら『バターはどこだ?』なんて言うけど、バターのあり場所を訊いてるわけじゃなくて、要するに『Get the butter』バターを取ってくれ、と言いたいわけ。(中略)つまりはこういった物の言い方がジューイッシュ・プリンスを露呈するひとことなの。
ところで、彼ときたらときどきは、「Is there any butter?」とも訊くのよ。巧妙な、ほんとに信じられないほどのズルさで自分の欲しい物を手に入れちゃうんだから。」

いやぁ、これにはドキリとさせられてしまった。
実はぼくも女房にものを頼むときには同じ手を使う。

「お茶ってある?」
「テレビの音、大きくない?」
いわずもがな、「お茶入れてくれない?」「テレビの音、小さくしてくれない?」の意味で使う。

ただ劇的に違うのは「巧妙な、ほんとに信じられないほどのズルさで自分の欲しい物を手に入れちゃうんだから」という部分である。
いや、ほんと、自分をかばうわけではないがこれは違う。
ぼくの場合、単に女房が怖いだけだ。
命令口調でお願いしたらなにを言われるかわからない。
まず間違いなく素直に要求を聞いてくれることはないだろう。。

まあ、どっちにしてもマザコン的という意味では同じかもしれないな。
男らしくないという人も多いと思う。
それでもぼくは、このなんとなく気を使ってしまう自分が結構好きだ。


ディベートだって嫌いではない。
でもぼくは、できうる限り、にこにこ笑いながら他人を受け入れる努力を続けていきたいと思っている。
逆説的だが気を使うことにより意外と本音で語るチャンスが増えるのではなかろうか。
相手に気を使い、相手を受け入れることで、はじめて信頼関係が生まれる。
相手が信用できれば本音も語りやすい。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年03月01日 01時12分02秒
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

Jeraldanact@ Проститутки метро Выборгская Брат замминистра инфраструктуры Украины…
Adamixp@ Свежие новости Где Вы ищите свежие новости? Лично я ч…
FLUR @ >alex99さん(2) alexさん、こんばんわ! >いいえ。 …
alex99 @ Re:>alex99さん(09/23) FLURさん >一休和尚がご乱交!? -----…
FLUR @ >alex99さん alexさん、こんにちわ! >万物はうつ…
FLUR @ >alex99さん alexさん、こんにちわ! 返事が遅くなっ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: