上海から帰って来ちゃった

犬のこと

海外赴任の件で、
イチバン悩んだことが「犬のこと」でした。

うちの犬は「3歳のフラットコーテッド・レトリバー」と

「2歳のウェルシュコーギー・ペンブローク」

大型犬(26kg)と中型犬(13kg)の♂コンビです。

当初は、もちろん犬を連れて行くつもりでした。

しかし、調べてみると、

上海というところは犬を飼うことが難しいのです。

　・犬は登録すること

　・大型犬の飼育禁止

　・犬は公共の場所を歩いてはいけない

　・犬は愛玩犬のみ、１家に１匹

という条例が、上海市には存在するからです。

２回の違反がみつかると、登録を抹消され処分されてしまうそうです。

動物愛護団体を動かして上海市に抗議できないものだろうかと考えましたが

あまりに非現実的ですよね。

どちらの犬をつれていくにも、どちらかを置いていかなければなりません。

そこで、私の実家に打診したところ、

コーギーなら預かってもらえるのですが

フラットには難色を示していました。

やはり、力が強いこと、テンションが高いこと、

そして、厳しく対応する必要があること・・・これらがネックとなったのです。

ではコーギーを預けて、フラットを連れて行けるかというと、

大型犬なので厳しそうです。

入国できたとしても、犬ＯＫのマンションでないといけないし、

これから暮すマンションは、

会社の指定する不動産屋が紹介した物件から選ばなければなりません。

たとえ犬ＯＫのマンションを探せたとしても、

３軒の承認が取れなければ犬の登録ができません。

しかも、散歩はマンションの敷地のみ・・

という状況で、彼は幸せなのでしょうか・・・・

そのうえ、彼はもうすぐ３歳・・・

犬の３歳から６歳は、短い寿命のうち最も輝ける時期では・・？

その時期、不自由な上海生活で良いのでしょうか・・・

それより、フラットを熟知し、心から愛してくれる、

新しい里親さんと暮らしたほうが、幸せなんじゃないだろうか、

そんな風に考えたりもしていました。

また、フラットを里子に出してコーギーを連れて行っても、

あちこちに連れて行ってあげられないことには変わりありませんし

緊急時対応できる獣医もいるかどうか分かりません・・・

やはり簡単に、連れて行くかどうかの結論は、やはり出せません。

どこか、現実逃避していたのでしょう。

辛い現実を考えないようにし、先へ先へと延ばしてしまいました。

でも、そうこう言ってる間に、

正式に打診があり、承認申請をし、承認がおり、

どんどん日時がせまってきます。

そして、どうするかをハッキリ決めなければならない時期にきてしまいました。

　　　＋＋＋

そんな２月のある日、フラットのブリーダーさんに相談をしに行きました。

そこで、こんな話をいただいたのです

「成犬を欲しがっている方がいるので、お会いになりますか？」

　実家に頼めない可能性が高い。

　上海に連れて行けない

　それなら、やはり里子に出すしかない

考えた末、その方と会うことをブリーダーさんに告げ、

帰宅をしたのです。

でも、考えれば考えるほど、他の人の手に渡すことができなくて、

ずっと家で泣きながら、でもどうすることもできなくて・・・

その夜ダンナに「里親候補と会うことにした」と話をしたところ

急な展開に、非常に驚いていました。

私のほうは、「里親候補に会う」ということが、

今まで避けていた現実を直視することとなり、

そうなってやっと「離したくない」という気持ちで一杯の自分に気がつきました。

非情になんかなれません。

でも犬のために日本に残ることもできない・・・

それから、考えに考えた結論。

それは、

やはり、それぞれの両親宅に預ける、ということでした。

それから私たちは、

それぞれの実家の両親とよく話し合い、両親を拝み倒し、

それぞれの犬を３年間お願いする、

ということになりました。

これから、うちの犬たちと３年間離れ離れです。

私たちが飼っていた時間より、長い長い時間です。

そのことを考えると、上海行きの支度の手が止まりますが、

時間はどんどん進んでいくので

もう現実と向かい合うしかない、そんな日々でした。

沢山お散歩をしてあげよう

どこかに連れて行ってあげよう

イロイロ思っても、様々な準備があって、時間を作るのも大変でした。

でも、自分に悔いが残らないよう、

犬たちとの時間も大切にしながら、

上海への準備を進めている、

そんな毎日でした。

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