出会い
いちごのＥＳＬのクラスに新しい仲間として日本人の男の人が２人はいってきた。
そのうちの一人だった。今は「お兄ちゃん」と呼んでる人。
最初は全然興味なんてなかった。
話すらちゃんとしたことはなかったんだ。
基本的に男の人は苦手だから近寄るのはイヤだったから。
もちろん彼女がいることも自然と耳には入ってきて、次のクラスからは
アメリカに来るってことも噂で聞いてた。
まさかこの人を好きになるなんて思いもしなかった。
ちゃんと好きだと思える人がしばらくいなかった私には衝撃だった。
同じクラスだけどなかなか仲良くはならなかった。
彼女は予想通り、私達のクラスに入ってきた。
いつもラブラブで手をつないで、登校したりしてた。
大胆だな～っていうのが感想。
それ以上でも以下でもない。
ただ彼氏のために留学する、っていうその気持ちだけは納得はいかなかったけど・・・。
二人は同棲のようにして住んでた。
一つの部屋で二人でね。
いちごはそれも無理だなぁ～って単純に思ってた。
いくら付き合っていてもそれはできないって。
自分とは違う種類の女の子だった。
それから
いちごの一番の友達がお兄ちゃんと仲良くなって、
そのせいでいちごも時々会うようになった。
これまで彼女とすらそんなに言葉をかわしてなかったから。
だんだん仲良くなっていって４人（男１人に女３人）で、ご飯を食べに行ったりもしてた。
それが１１月、１２月ごろのこと。
このころはかなり仲良くなっていた。
クリスマスはみんな日本に帰っていった。
彼女の方の提案で
アメリカに帰ってきたらすぐポートランドへ行こうってことになった。
ここでも二人の仲のよさを見せ付けられてた。
この時もいちごはまったく恋心なんてなかったんだ。
変わってしまったのは今年の３月。
彼女だけが日本に帰っていて、残りの友達でカナダに行ったこと。
人の気持ちなんてわからない。
私の想いはここから始まった・・・。
４人で行ったけど、一人の女の子が風邪で先に帰ってしまった。
残りの３人で旅を続けたんだけど、
ホテルは１ルーム。ベッドは２つ。
男二人が普通だけど、一人の子が潔癖症で結局
いちごとお兄ちゃんが二人で寝ることに。
もちろん恋愛感情なんてないし、友達だからこういうことも
すんなりできた。
もちろん男の人と寝るのは初めてだから少しは緊張したけど
眠りはすぐに訪れて。
そして・・
朝方寒かったのかカレが少し抱きしめるような形をとった。
こんなこと普通の行為なんだ。
友達でもする程度の行為。
もちろんこの時、瞬間に恋に落ちたわけじゃない。
ただ今思えば、意識するきっかけだったんだって思う。
カレは誰にでも優しいし、話をいつも聞いてくれる、そんな人。
「ねぇ、どうやって気持ちを抑えればよかったのかな。
初めてだったんだ。
男の人とこんなに話して、心を許してそばにいられたのは。
ねぇ、どうやったらあの時心を止められたのかな？
ねぇ、教えてほしい。
私にできることはなんだったのかな？
あの時がなかったら今の私は少しは変わっていたのかな？
ねぇ、戻れない日々を振り返ってしまうのはなんでだろうね。」
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